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Editer:snow Date:2026-01-11 01:37

天使の恋の扱い方vol04



作 林柚希

わたちはエリザベスでし。
当年とって7歳なんでし。
もういっぱしの女なんでし。
なんたって、モテモテなんでしよ。わたちも。

「エリザベスちゃーん!」ほら来たでし!
栗色の髪に、何故か水色の瞳の男の子がドドドーっとこっちへ駆け込んで来るんでし。
最初は、ドキドキしてわたちもいい女になったんでしな~って思ったんでし、けども最近は慣れてちょっとうっとおしいでし。
「エリザベスちゃん!」がしっと肩を掴まれる。
「なんでしか?」振り向いて。
「痛いでしよ?」
「エリザベスちゃん、ごめんよ~。」
「エリザベスちゃん。ボクね、エリザベスちゃん大好き!」
傍らから、ヒューヒューとからかいの口笛が聞こえる。
「わかたでし。でもわたちはクールな女なんでし。だから、いちいち言わないでしよ!」
「もうっ。ツレナイなあ。でも、そこも好き。」頬をちょっと赤く染めて言う。
「ナレル君!同じ事は二度三度言わないでし!」
「そんな~。冷たい事言わないでねっ。ね?」

「エリザベス!」遠くから、声をかけられた。
「誰っ?」ナレル君がちょっと不機嫌そうに声をあげる。
「先輩でしか?」
「そうよ。ハーイ、ベス。」そしてくるっと顔を振り返り、「あの子だれ?」
「ああ、ナレル君でしか?わたちが大好きらしいでし。」
「本当に?モテるわねぇ、ベス。」思わず先輩は、ヒューっと口笛を鳴らす。
「わたちは、いっぱし…」
「あー、ハイハイ。仕事よベス。クールな女なんでしょ?やりましょ。」先輩は、ニコニコ。
「エリザベスっ!ボクも行く!」決意を固めた表情で、ナレル君が言い放った。
これには、二人もビックリ。
「でも、ルールがあるからねぇ。」と先輩。
「そういう訳だから、じゃあね~。」
ナレル君が気づいた時には、二人ともぴゅーっといなくなっていた。

その日の夕飯。
皆、宿舎の近くの食堂で、感謝のお言葉の後に、それぞれ食べ始める。
カチャカチャ食べていると、なにやら手紙が回ってきた。
「エリザベスちゃんへ」と書いてある。
「あ、ありがとうでし。」裏にくりっとまわしてうっとなる。
「ナレルより」(嫌な予感がするでし。)
「エリザベスちゃんへ
僕は、エリザベスちゃんが好き。だから何でも付き合うから言ってね。仕事も付き合うよ!頼りにしてね。ナレルより」
キレイな字で書いてあって非常に読みやすいけれど、頭が痛いと思うエリザベスだった。

その3日後。
エリザベスが、先輩の元にやってくると、どーしよ、このお荷物、という顔の先輩と、してやったり!という顔のナレル君がいた。
「どうして、ここにナレル君がいるんでしか?」
「知らないわよ。私も上から言われちゃって仕方なくだわよ。」そして、コソっと。
「ナレル君て何者なの?」
「わたちが聞きたいでしよ。」
「まっ、いいわ。かなりダサイけど、このバイクで行くからね!」
なんとバイクの両側にサイドカー!?
「わたち嫌でし。ダサイのは。」
「文句は言わないの。」
「ボクが運転しますよ。」
「ナレル君は、黙って!…でし!」先輩とエリザベスで声が重なった。
「まずは乗りましょ。」
まずバイクに先輩が跨(また)がると、両脇のサイドカーにそれぞれエリザベスとナレル君が乗り込む。
「さあ、行くわよ!」
バウン!と、天国をあとにして、人間界にやってきた。

さて、とある公園へやってきた。
バイクを隠すと、三人は茂みから辺りをうかがった。
四、五人の男の子や女の子が楽しそうに遊んでいる。
ナレル君がキョロキョロしている間に、先輩とエリザベスは、ターゲットを絞って打ち合わせしておいた。
「じゃ、始めるでし!」
「頑張れ、ベス!」
「え?誰がターゲット?」
「あの子でし。」
「あっ、もうベスったら…。」
エリザベスが指した先には、どことなくナレル君に似た男の子が遊んでいる。
「あれ?ボク??」
矢をつがえて、放った先に、思わずナレル君が立ちはだかる。
矢はナレル君に当たり、ナレル君はうっ、と呻(うめ)いて倒れてしまった。
「ナレル君!」思わず二人に駆け込まれた。
「ボク…。つい…。」
「ナレル君!話さないでいいからね。ベス!撤収よ!」
「あいあい。」
先輩は、救急用の魔法をナレル君にかけると、天国に戻ったのだった。

その10日後。
ベッドには、ナレル君が包帯を巻かれて横たわっていた。
傍らには、エリザベスと先輩がいる。
やっと、ナレル君が気がついたようだった。
「ナレル君、何であんな事をしたの?」
「ボク、あの場にボクがいる気がして。エリザベスちゃん以外の女の子と結ばれるの、嫌だなって思って。」と、言いながら、ツーっと涙を流し始めた。
「はい、これで拭(ぬぐ)うでし。」
「え…。ボク…?」
「知らないの?泣いているのよ、アナタは。」
「先輩さん、…ごめんなさい。…邪魔しちゃって。」
「エリザベスちゃん、本当にごめんね。」
「本当にビックリしたわよ、あの矢がただの矢じゃないのは、知っているでしょう?」
「知っています。やっちゃいけない事をしたのも。」
「もー、わたちは頭にキテいたんでしよ?仕事は、…天使にとってこの仕事は、とても大事だし誇りなんでしよ。」
「…ごめんなさい。」
「もう、二度とやっちゃ、駄目よ?わかった?」
「はい、わかりました。」
少しして、ケガをしたナレル君の元を後にした二人だった。


物語の初めは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol1]

物語の続きは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol2]

物語の続きは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol3]

物語の続きは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol4]

物語の続きは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol5]

物語の終わりは、こちらになります。
[天使の恋の扱い方 vol6]

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