詩、小説
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Date:2026-05-20 13:28 Editer:Yuzuki Hayashi

作 林柚希
僕は、実は悪魔、だったりする。
最近は、女性を相手にする事が減り、ちょっと寂しい。
相手とは、お困りごとの相談であり依頼相手なのだが、まぁ仕方がない。
僕は、女性の依頼を受けるうちにその女性に一目ぼれしてしまい、今はお付き合いもしている。
勿論一人だけなのだが、そのお付き合いしている彼女から依頼を女性から受けないで、って言われてちょっと僕困ってます。
そんな時に、こんな依頼を受けました。
大学生用の一人暮らし用マンションの一角で僕は、呼び出されて、その相手に名刺を渡したところだった。
「マジで悪魔、なんだ。」と男性は言った。かなり驚いている様子だ。
「そうです。ビジネスライクに悪魔、しています。」僕が答えた。
「へぇぇ。」と言った後「人も殺せるのかい?」かなり小声で言ってきた。
「込み入った話は家の中でよろしいですか?」僕も具体的な話はここではしづらい。
ここは、マンションの一角で、周囲のどこかに公園があり、子供たちの声が反響して響いている。
「なら、中に入ってください。」ほんとかよ、という顔をまだしているが、家の中に通してくれた。
「わかりました。」僕は、家の中に通された。中は、小ざっぱりとした小さな玄関で、でも靴が沢山散乱している。
「人、殺せるんですか?」本当に依頼をしたいのか、しゃがれた声で念を押してきた。
「殺せますよ。但し、あなたの魂が必要になります。」僕も抑えた低い声で応えた。
「そうですか。そうすると僕は死ぬのですか?」男性は、なかなか念を押してくる。
「そうなります。僕は悪魔ですから、交換条件ですとそうなります。」僕もハッキリと答えた。
「殺されるんじゃ、意味がないな。他にできる方法はない?」大学生はものすごく真剣だ。
「呪う方法もあります。相手をやり込めるのなら、肉料理を数品作ってもらうのが交換条件です。」僕も、男性が依頼相手なので、ここは慎重になる。
「わかった。それなら、呪うのを依頼したいです。詳しくは家の中に上がってください。」
「わかりました。」僕は、やっと家の中に通された。
そうはいっても、1Kの広さで1部屋が8畳ほどだった。
男性の部屋は、白壁に白いキャビネットで、壁にはカレンダーがあるきりで、あとは小型テレビ、低いテーブル、パソコンデスクに椅子と簡素だった。
なかなか綺麗好きらしく、キッチリと片付けてあり洗濯物が散乱していることもなかった。
「僕のスマホを見ますか?」物凄く屈辱という顔をして男性のスマホの画面を見せてきた。
スマホの中を見て、僕は徐々に怒りだしていた。
最初は、同じ大学のゼミ仲間、という男女20人くらいが写った画像を見せてもらった。
男性、田中一郎の顔もそこに並んでおり、初々しく凄く楽しそうだった。
その後見せてきたのが、テニスをしている所やカラオケをしている所など楽しそうな画像が並んでいる。僕は正直、羨ましくなった。
そして、簀巻きにされている画像や、下半身を露出しているものなど、ちょっと目を覆いたくなる写真が並んでいた。
そして、5人が笑って写った写真を見せて、「この中で相沢秀樹がその苛めてくる相手なんす。もう腹が立って。」といって、悔しそうな顔をしている。
「そいつが言うんす。スマホの中の画像を消すな、って。」声がまたしゃがれて、泣きそうになっている。
「それで、本当にできるんすか?その、こいつを呪うって。」おずおずというその田中一郎を見て、なんだか可哀そうになった。
「わかった。その相沢とかいう奴を懲らしめましょう。」そう言って、僕はテーブルの横にアタッシュケースを置いて、又続けた。
「田中さん、肉料理を希望していいですか?」それを聞いて、田中はハッとして「料理なら大丈夫。いつ作ったらいい?」
「今から始めたいと思います。ですから料理もすぐ作ってください。」
「わかった。今から作るよ。」台所の方へ行って、冷蔵庫を観ながら「何品作ったらいいすかね?」
「できれば、肉料理に2品くらい、あとサラダと飲み物をつけられますか?」僕もやる気がでてきたぞ。
「2品くらいならなんとか。お味噌汁を出そうと思うけど、レトルトでもいいすか?」田中も料理を作る気になったんだろうけど。…レトルトかぁ。
「まぁ、いいですよ。その代わり肉料理はレトルトにしないでください。」
僕の言ったことに、小さく「了解。」と聞こえてきた。
さて、アタッシュケースから水晶を取り出し、千里眼で見定める。
始めは、田中は相沢秀樹とも仲が良かったようだ。
だけど、いつかの折に黒板で「愛沢ヒデー」って書いたのが激怒させてようだ。
それからの苛めが段々エスカレートしていったようだった。
さて、どうしたものか。
その時、ピロリンと田中のスマホが鳴った。
「田中さん、スマホが鳴りましたよ~?」僕が教えた。でも、これは嫌な予感がする。
「ああ、後で見ますよ。でも、多分相沢だと思うのでいいっす。」台所で肉料理の焼く音をさせながら田中が言った。
「僕、撃退したいのでちょっと参考までに見ていいですか?」僕はある考えが浮かんだ。この手ならいいかもしれない。
「あ。いいす。悪魔さんならいいすよ。」田中は、付け加えて「もうちょっとで料理ができるっす。」と言っていた。
そして、わかりました、とだけ答えると、スマホの画面を開けた。
スマホのメールを見ると、件名が、指令と笑い顔の絵文字と共にこんな文が載っていた。
「亀より遅い一郎よ。今度ゼミの建物の中で裸体になって踊れ。そしてゼミを辞めちまえ!」
僕は、ワナワナとスマホをへし折りたくなった。
僕は、水晶を観ながら千里眼で、あるメールアドレスを視ると、そのメールに返信をした。
そして、思い切って送信する。但し、相沢秀樹にはメールは送らなかった。
そして、壮大なマーチの曲と共にスマホが震え出した。誰かからの電話だ。
スマホを見ると、どうやら同じゼミのお仲間のようだ。画像の中にあった顔がスマホに載っている。
「田中さん、誰かから電話がかかってますよ!」僕は台所に向かって大声で言った。
「そっち行きます。」田中は、大声で答えてきた。
そして、台所から居間へ戻ってくると早速電話に出た。
「もしもし。あ~。俺っす。」答えている田中がびっくりしている様子だった。
「う…、うん。今ちょっと親戚が遊びに来ているから、後にしてくれる?」それだけ、やっと言うと電話を切って僕を見上げた。
田中は、身長を聞いたら165cmくらいだそうだ。僕は175cmくらいだろうか。
「どういうことですか?」彼は大分驚いた様子だった。
「ちょっとね、メールを返信しました。酷い内容のメールが届いていたので。」僕の言ったことを聞いた途端、スマホの相沢のメールを見て驚いたようだ。
でも、「またアイツは酷いことを…。」と呟きながら、僕の返信メールを見て更に驚いたようだった。
そして、目を潤ませて「悪魔さん、ありがとう。」と呟くように言った。
僕は、「そのメールは、ゼミ内全員に送るようにしてありますよ。余計だったかい?」
「そんなことないっす。本当に僕は…、嬉しかったです。味方になってくれてありがとう。」
僕は、二言三言、アドバイスをすると、「さようなら。」と言ってそのマンションから帰っていった。
勿論、肉料理は食べていきましたとも。
美味しい、塩だれ豚バラ丼と親子丼だった。
オマケにサラダとお味噌汁もつけて。
僕は、後から千里眼で見たら、相沢は教授からも、ゼミ仲間からも叱責を受けてしょげていたようだった。
そして、ゼミ仲間から無視されるようになって我慢ができなくなり、ゼミを辞めていったようだった。
でも、僕の言ったひと言で、ちょっと考えを変えたようだった。
田中から相沢に「黒板で書いたことに激怒していたんだな。謝ってなかったから謝る。ごめん。」その時の相沢は、ゆるゆると何かが解けたような顔をしていたのだった。
「男の恨みは恐ろしい。」僕は、よく言う慣用句を思い出して肩をすくめていたのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[悪魔の話 vol1]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol2]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol3]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol4]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol5]
悪魔の話vol.5

作 林柚希
僕は、実は悪魔、だったりする。
最近は、女性を相手にする事が減り、ちょっと寂しい。
相手とは、お困りごとの相談であり依頼相手なのだが、まぁ仕方がない。
僕は、女性の依頼を受けるうちにその女性に一目ぼれしてしまい、今はお付き合いもしている。
勿論一人だけなのだが、そのお付き合いしている彼女から依頼を女性から受けないで、って言われてちょっと僕困ってます。
そんな時に、こんな依頼を受けました。
大学生用の一人暮らし用マンションの一角で僕は、呼び出されて、その相手に名刺を渡したところだった。
「マジで悪魔、なんだ。」と男性は言った。かなり驚いている様子だ。
「そうです。ビジネスライクに悪魔、しています。」僕が答えた。
「へぇぇ。」と言った後「人も殺せるのかい?」かなり小声で言ってきた。
「込み入った話は家の中でよろしいですか?」僕も具体的な話はここではしづらい。
ここは、マンションの一角で、周囲のどこかに公園があり、子供たちの声が反響して響いている。
「なら、中に入ってください。」ほんとかよ、という顔をまだしているが、家の中に通してくれた。
「わかりました。」僕は、家の中に通された。中は、小ざっぱりとした小さな玄関で、でも靴が沢山散乱している。
「人、殺せるんですか?」本当に依頼をしたいのか、しゃがれた声で念を押してきた。
「殺せますよ。但し、あなたの魂が必要になります。」僕も抑えた低い声で応えた。
「そうですか。そうすると僕は死ぬのですか?」男性は、なかなか念を押してくる。
「そうなります。僕は悪魔ですから、交換条件ですとそうなります。」僕もハッキリと答えた。
「殺されるんじゃ、意味がないな。他にできる方法はない?」大学生はものすごく真剣だ。
「呪う方法もあります。相手をやり込めるのなら、肉料理を数品作ってもらうのが交換条件です。」僕も、男性が依頼相手なので、ここは慎重になる。
「わかった。それなら、呪うのを依頼したいです。詳しくは家の中に上がってください。」
「わかりました。」僕は、やっと家の中に通された。
そうはいっても、1Kの広さで1部屋が8畳ほどだった。
男性の部屋は、白壁に白いキャビネットで、壁にはカレンダーがあるきりで、あとは小型テレビ、低いテーブル、パソコンデスクに椅子と簡素だった。
なかなか綺麗好きらしく、キッチリと片付けてあり洗濯物が散乱していることもなかった。
「僕のスマホを見ますか?」物凄く屈辱という顔をして男性のスマホの画面を見せてきた。
スマホの中を見て、僕は徐々に怒りだしていた。
最初は、同じ大学のゼミ仲間、という男女20人くらいが写った画像を見せてもらった。
男性、田中一郎の顔もそこに並んでおり、初々しく凄く楽しそうだった。
その後見せてきたのが、テニスをしている所やカラオケをしている所など楽しそうな画像が並んでいる。僕は正直、羨ましくなった。
そして、簀巻きにされている画像や、下半身を露出しているものなど、ちょっと目を覆いたくなる写真が並んでいた。
そして、5人が笑って写った写真を見せて、「この中で相沢秀樹がその苛めてくる相手なんす。もう腹が立って。」といって、悔しそうな顔をしている。
「そいつが言うんす。スマホの中の画像を消すな、って。」声がまたしゃがれて、泣きそうになっている。
「それで、本当にできるんすか?その、こいつを呪うって。」おずおずというその田中一郎を見て、なんだか可哀そうになった。
「わかった。その相沢とかいう奴を懲らしめましょう。」そう言って、僕はテーブルの横にアタッシュケースを置いて、又続けた。
「田中さん、肉料理を希望していいですか?」それを聞いて、田中はハッとして「料理なら大丈夫。いつ作ったらいい?」
「今から始めたいと思います。ですから料理もすぐ作ってください。」
「わかった。今から作るよ。」台所の方へ行って、冷蔵庫を観ながら「何品作ったらいいすかね?」
「できれば、肉料理に2品くらい、あとサラダと飲み物をつけられますか?」僕もやる気がでてきたぞ。
「2品くらいならなんとか。お味噌汁を出そうと思うけど、レトルトでもいいすか?」田中も料理を作る気になったんだろうけど。…レトルトかぁ。
「まぁ、いいですよ。その代わり肉料理はレトルトにしないでください。」
僕の言ったことに、小さく「了解。」と聞こえてきた。
さて、アタッシュケースから水晶を取り出し、千里眼で見定める。
始めは、田中は相沢秀樹とも仲が良かったようだ。
だけど、いつかの折に黒板で「愛沢ヒデー」って書いたのが激怒させてようだ。
それからの苛めが段々エスカレートしていったようだった。
さて、どうしたものか。
その時、ピロリンと田中のスマホが鳴った。
「田中さん、スマホが鳴りましたよ~?」僕が教えた。でも、これは嫌な予感がする。
「ああ、後で見ますよ。でも、多分相沢だと思うのでいいっす。」台所で肉料理の焼く音をさせながら田中が言った。
「僕、撃退したいのでちょっと参考までに見ていいですか?」僕はある考えが浮かんだ。この手ならいいかもしれない。
「あ。いいす。悪魔さんならいいすよ。」田中は、付け加えて「もうちょっとで料理ができるっす。」と言っていた。
そして、わかりました、とだけ答えると、スマホの画面を開けた。
スマホのメールを見ると、件名が、指令と笑い顔の絵文字と共にこんな文が載っていた。
「亀より遅い一郎よ。今度ゼミの建物の中で裸体になって踊れ。そしてゼミを辞めちまえ!」
僕は、ワナワナとスマホをへし折りたくなった。
僕は、水晶を観ながら千里眼で、あるメールアドレスを視ると、そのメールに返信をした。
そして、思い切って送信する。但し、相沢秀樹にはメールは送らなかった。
そして、壮大なマーチの曲と共にスマホが震え出した。誰かからの電話だ。
スマホを見ると、どうやら同じゼミのお仲間のようだ。画像の中にあった顔がスマホに載っている。
「田中さん、誰かから電話がかかってますよ!」僕は台所に向かって大声で言った。
「そっち行きます。」田中は、大声で答えてきた。
そして、台所から居間へ戻ってくると早速電話に出た。
「もしもし。あ~。俺っす。」答えている田中がびっくりしている様子だった。
「う…、うん。今ちょっと親戚が遊びに来ているから、後にしてくれる?」それだけ、やっと言うと電話を切って僕を見上げた。
田中は、身長を聞いたら165cmくらいだそうだ。僕は175cmくらいだろうか。
「どういうことですか?」彼は大分驚いた様子だった。
「ちょっとね、メールを返信しました。酷い内容のメールが届いていたので。」僕の言ったことを聞いた途端、スマホの相沢のメールを見て驚いたようだ。
でも、「またアイツは酷いことを…。」と呟きながら、僕の返信メールを見て更に驚いたようだった。
そして、目を潤ませて「悪魔さん、ありがとう。」と呟くように言った。
僕は、「そのメールは、ゼミ内全員に送るようにしてありますよ。余計だったかい?」
「そんなことないっす。本当に僕は…、嬉しかったです。味方になってくれてありがとう。」
僕は、二言三言、アドバイスをすると、「さようなら。」と言ってそのマンションから帰っていった。
勿論、肉料理は食べていきましたとも。
美味しい、塩だれ豚バラ丼と親子丼だった。
オマケにサラダとお味噌汁もつけて。
僕は、後から千里眼で見たら、相沢は教授からも、ゼミ仲間からも叱責を受けてしょげていたようだった。
そして、ゼミ仲間から無視されるようになって我慢ができなくなり、ゼミを辞めていったようだった。
でも、僕の言ったひと言で、ちょっと考えを変えたようだった。
田中から相沢に「黒板で書いたことに激怒していたんだな。謝ってなかったから謝る。ごめん。」その時の相沢は、ゆるゆると何かが解けたような顔をしていたのだった。
「男の恨みは恐ろしい。」僕は、よく言う慣用句を思い出して肩をすくめていたのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[悪魔の話 vol1]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol2]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol3]
物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol4]
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