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Date:2026-09-20 11:43 Editer:Yuzuki Hayashi

ウユニ塩湖にて4 -メリークリスマス-



作 林柚希

ウユニ塩湖への旅行から数週間経った。
旅行の画像はインターネットを介して皆に配った。
そして、たまにオフラインで会っている。

大学内のキャンパスでは清志と会うことが増え、
ランチを一緒にすることがしょっちゅうになっている。
大学内で会ってわかったけれど、
やっぱり清志はそこそこモテているようだ。
同性も異性の友達も多いみたい。
あたしは同性の友達ばかりなのにちょっと羨ましい。
ってことを言ったら、
「清香ちゃんが恋人になってくれたら、もう十分十分。
それにね、清香ちゃんは知らないだろうけど、
君を狙ってた男はぼくだけじゃないんだよ。
僕、ハラハラしたんだから」。
って言われちゃった。
全然自覚がないんだけどなぁ
告られた覚えもないしね~。

そして今日は24日のクリスマスイブ。
とりあえず清志と会う予定になっている。
クリスマスの習慣自体あまりないらしいけど、
日本のイベントは面白いからいいや、って言っていたっけ。

今のところ友達以上恋人未満な感じだけれど、
清志は、ほんとにいい人だと思う。
今日はバイトを休んで、朝から遊園地にやって来ていた。
清志はあまり行ったことがないので、実はとても来てみたかったらしい。
あたしもとても楽しみにしていた。

遊園地内のレストランに予約を入れて、
乗り物というか色んなアトラクションに挑戦してみる。
あたしも清志もジェットコースターや、タワーハッカーみたいな
スリルのあるアトラクションは平気だけど、お化け屋敷はニガテだった。

清志「清香ちゃん、今度あれに乗ろうよ」。
清香「いいねぇ、とりあえず並んじゃおうか」。
清志「清香ちゃんは僕といて楽しい?」
清香「うん、楽しいよ」。
清志「どのくらい?」
清香「ちょっとくらい」。
清志「え~、それだけ?」
清香「冗談、冗談。すごく楽しいよ」。
清志「やった!よかった~」
なんとなく清志が可愛く見えて、ちょっとハグした。
清志はちょっとびっくりしたみたいだけど、
ハグし返そうとしてきたので、ちょっと逃げたりしてみる。
清志「もう、清香ちゃんの意地悪~」。
清香「まぁまぁ、いいじゃないの。あ、順番まわってきたよ」。
宇宙船に乗って、仮想の旅行をするものだけれど、
50通りはあるので、何度乗っても飽きない。
原理は簡単で乗り物を傾けて映像に合わせて、
風を吹かせたりしているようだけれど。
とても迫力があって、凄く楽しい。
レアキャラクターが出て、とってもラッキーだった。

ランチはハンバーガーで済ませて、恐る恐る、お化け屋敷に入ってみる。
最初は、建物の一角に集められてスタッフの説明をしてもらっていたら、建物が伸びる伸びる!
怖いよりなんか面白い。
後は、乗り物に2人して乗って999体の幽霊の晩さん会や寝室や、
客室やいろんな所を見ていたら、
最後に「お客さんが1000体目の幽霊にならないことを祈ります」。
とか言われて、ちょっとゾッとした。

ほかにもいろんなアトラクションを体験して、
いつの間にか夜、予約したレストランに急いで行った。
清志「面白かったね」。
清香「ほんと、ほんと」。
清志「ここは…コース料理頼んじゃおうか」。
清香「え、でも、ゆっくりしていたらパレードが見れないな~」。
清志「パレードなんてあるの?」
清香「あるよ、凄く楽しいんだけど…ここ二階だから観られるかな」。
清志「そうかもね、でも観たいんでしょ?」
清香「あと花火もあったよ~。迷っちゃうな」。
清志「そんなに欲張らないで、のんびりしようよ」。
清香「う…ん、でもなかなか来れないからね」。
料理を注文して、窓の外を眺めると、道なりに人が集まり始めている。

清香「まぁ、今回はいっか。ここから見られそうだし」。
清志「そうだね、あ、料理来たよ」。
最初は前菜でサラダが来た。
清香「お、このサラダ美味しいね」。
清志「そうだね」。
清香「シャンパン来たよ。順番が逆になったけど、乾杯しよっか」。
清香「かんぱーい」。
グラスをチンと鳴らしてごくごく飲む。
清香「美味しいね~」。
清志「うん、僕あんまりシャンパンてそんなに好きじゃなかったけれど、美味しいね~」。
清香「いつもなら、どんなお酒を飲むの?」
清志「この時期なら[カバ]ってお酒かな。
醸造方法はシャンパンと同じじゃなかったかな」。
清香「美味しそう!今度一緒に飲みたいね」。
清志「ほんと?嬉しいなぁ」。
そうこうするうちにスープが運ばれてきた。
コーンポターシュスープだった。
清香「あたし、忘れてたけどナイフとかフォークとか扱いヘタで恥ずかしいな…」。
清志「ここは日本なんだし、そんなこと気にしなくていいよ」。
思わず、ずずっとスープを飲む音がしそうで気を付けてスプーンですくって飲む。
メインはステーキだ。人参が、遊園地のキャラクターの形をしていてかわいい。
清志「遊園地なのに、なかなか本格的なんだね~」。
あたしは思わず大きめに切ってほおばると。
清香「うん、おいひいね」。
清志もぷっと吹き出して。
清志「そんなにあわてて食べなくってもいいのに」。
清香「慌ててないよ~、だって凄く美味しいんだもん」。
清志「そうだけど…清香ちゃんてほんとかわいいなぁ」。
清香「ま~たそうやって口説こうとして~」。
清志「違うって、あくまで感想だから」。
そうこうするうちに、外でパレードがやってきた。
電飾の付いた乗り物にいろんなキャラクターが踊りながら
やっててくるが、クリスマスシーズンなので飾りがそれらしいものだらけだ。
クリスマスツリーに靴下や星が動いていたりする。

清香「うわ~、キレイだなぁ、近くで見たいなぁ」。
清志「僕は君が綺麗だと思うけどな~」。
清香「うまいこと言って~」。
パレードがゆき去って行った頃には、もうデザートになっていた。
イチゴのムースだ。ホイップクリームが甘すぎず食べやすい。
ムースの形も遊園地のキャラクターだ。
清香「かわいいなぁ、これも。そうだ、写真撮っちゃお!」
パシャとこれも写真を撮って。
清香「清志も撮ってあげるね。笑って!」
にこっと清志が笑ったところをパシャっと撮る。
清香「清志って写真写りいいよね。羨ましいなぁ」。
清志「僕も撮るから笑って」。
清香「こうかな?」
パシャっと撮って。
清志「うん、ビューティフル!」
清香「どれ、見せて」。
清志「あ、やっぱりイマイチだ。なんかがっくり」。
清志「そんなことないよ、綺麗に撮れてるよ」。
清香「そう?清志がいいならいいけど」。
清志「まぁ、そんなにがっかりしないで。そろそろお店出よっか」。
レストランを出た後、遊園地の中心にある、お城に向かって歩く。
人だかりが出てきていたので、丁度いいポジションじゃないけれど、
場所を陣取って始まるのを待つ。

清志「何が始まるの?」
清香「ま、いいから」。

「ジャーン!」とシンバルと太鼓の音と共に、
パシュパシュっと花火が打ちあがる。
パーンパーン、パラパラパラ…。

清志「おお~!!」
清香「ね、すごいでしょ?」

それからプロジェクションマッピングの映像がお城に映り
お城にツタが絡まったり、そのツタを王子様がお登場して切ったり、
それから雪に埋もれてしまったり…。
遊園地のキャラクターも、何体か登場して音楽に合わせて踊っている。
たまにレーザー光線が照射されたり、
焔が吹き上がったりして遠いのに熱くて驚いた。

清志がいつの間にかあたしの真後ろに来て、抱きしめていた。

斜め後ろを見上げて、
清香「清志?」と尋ねると、
清志「僕、今日ここにきて本当によかった」。
と言って、首筋に軽くキスした。

途端にあたしは真っ赤になったけれど、何も言えなかった。
でも、なんだか楽しくてすごく嬉しかった。
清香「今日はずっとこうしていたいな」。
清志「ほんとに!?本当にそう思う?」
清香「うん、でももうちょっとで帰らないとね…」。
清志「実はね、ホテルの部屋、とってあるんだよ。ここの近くのホテルで」。
清香「え!?そうなの?だって大変だったでしょ?」
清志「いや、部屋をとるのはいいんだけど、君帰る、って言うかなと思ってたからね…」。
清香「ここの近くって事は、遊園地のキャラクターのホテル?」
清志「ううん、その隣のホテル。ちょっとがっかりした?」
清香「ううん、そんなにここのキャラクターのファンじゃないから別にいいよ」。

にっこりして言うと、清志もホッとしたようで、
清志「じゃ、花火を観終わったから、そろそろ行こうか」。

とてもきれいなショーも終わって、なんだか名残惜しい気もするけれど、
いつの間にか手を繋いで、二人して遊園地を出て近くのホテルに来た。
そのホテルは、ベイエリアに相応しく、濃いブルーとホワイトを基調にしたデザインのホテルだった。
ロビーは吹き抜けになっていて、大きなクリスマスツリーが飾ってあった。
フロントでチェックインを済ませて、部屋へ。
窓から東京湾が見える。
明日の朝は朝日が見えるだろうか。

清志「まだ時間があるから呑もうか」。
清香「そうだね。バーのようなところでもあるかな」。
清志「フロントに訊いてみるよ」。

清志が電話で訊いているうちに、アチコチ見て回る。
お風呂場やトイレやベッド周りなど、
どこも濃いブルーとホワイトを基調にしていてとても落ち着くデザインだ。
髭剃りや歯ブラシなどのアメニティグッズも充実している。
シャンプーやコンディショナーはとてもいい香りだ。

清志「とりあえず、夜中までレストランがあいてるって。
それとコンビニもあったみたいだよ。どこで呑もうか?」
清香「レストランがいいな」。

ここで二人きりもいいけど、なんか気恥ずかしい。
清志「了解。じゃ、出ようか」。

カードキーでドアを閉めると、
エレベーターでレストランの階で降りて、窓際の席に案内された。
窓際には、ベイブリッジらしき橋やお台場がかなり遠くに見える。
店内には落ち着いた、クリスマスの音楽がジャズ調で流れている。

メニューを見ながら、お酒にかなり迷う。
ここでビールはらしくないけど、シャンパンは呑んじゃったし…。
そうだ、カクテルにしよう。
清香「あたしはモスコミュール」。
清志「僕はジントニック」。

しばらくして運ばれてきたので、二人して、いっせーのせっ。
「メリークリスマス!」
チン!とグラスを合わせて呑んでみる。

モスコミュールは、ウォッカにジンジャーエールにライムジュースなので
爽やかでさっぱりした味だ。
でも、ウォッカだったせいか、いきなり酔ったかも。

清香「美味しい…」。
清志「美味しいね。でも、大丈夫?なんか目が眠そうだけど」。
清香「だ~いじょう~ぶ~」。
清志「あまり無理しないで、ちびちび呑んでね」。
清香「うん、了解」ビシッと右手を警官のように構える。

清志もさすがにぷっと吹いて。
清志「もう、これからは無理させられないな」。

清香「親みたいな事、言わないでよね~。
ところであたしの事、どこで初めて見かけたの?」
清志「え…とね。僕が落とした教科書をね、拾ってもらったんだよ、君に」。

清香はちょっとびっくりして。
清香「そうなの?全然覚えてないけど」。
清志「やっぱり。誰にでも親切なんだね。
その後、ちょっとキャンパス内で迷ってしまったんだけど、
行きたい建物まで案内してもらったんだよ。すごく嬉しかったんだから。」
清香「う…ん、覚えてないなぁ」。
清志「それは残念だけど、いいんだ。今、君が目の前にいるんだから。
今日、一緒に泊まってもいいんだね」。
清香「もう、恥ずかしいなぁ。良くなければついて来ないって」。
清志「そ、そか。もう呑みきったね。部屋に戻ろう。へろへろだよ」。
清香「うんわかった」。
清志に手を繋いでもらうというより半分肩を借りて部屋に戻ると。

いきなり清志が後ろから抱きついてキスしてきた!
清香「もう!待って!!
せめてお風呂に入ってからにして」。
清志「だって待てないよ」。
清香「ダメ!!お風呂の後!」
清志「ちぇ、おあずけかぁ」。

清香「あ、もう寝室の窓全開じゃん。カーテン閉めないとね」。
清志「こんなとこ誰も見てないよ~」。

あたしが多少フラフラになりながら、カーテンを閉めると。
清香「じゃ、お風呂入ろっか」。
清志「うん」。

お風呂に入って、今日一日の汚れを落として
二人仲良く一つのベッドに入ったのだった。


物語の初めは、こちらになります。
[ウユニ塩湖にて1 -ジャーニーリストで魅せられて-]

物語の続きは、こちらになります。
[ウユニ塩湖にて2 -いよいよ湖だ-]

物語の続きは、こちらになります。
[ウユニ塩湖にて3 -清志と清香-]

物語の終りは、こちらになります。
[ウユニ塩湖にて4 -メリークリスマス-]

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