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Date:2024-08-31 08:26 Editer:snow

バーチャル学校vol2 04

作 林柚希

「さて、本題に入ろうか」僕が言うと、一同共に僕の顔を見た。
皆、木の家の居間でキッチンに近い席をメイプル、その向かって右隣りにリーブス、リーブスの右隣りに僕、そして僕の右隣にケーが木のテーブルを囲って座っている。
「この迷宮の外には森があって、僕たちの通う学校があるのは知っていますか?」と僕。
「それは知っているよ。だけど、君たちを驚かせないように、学校の生徒には知らせていないんだ」これはリーブス。
「だから、僕たち生徒は知らなかったんだね」と僕が答えた。
「そう」とリーブスは頷いた、「だから、迷い込むなんて生徒は皆無だったよね?」リーブスが言った。
「そうだね」メープルは頷きながら答えた。
「私達は、昔からこの迷宮に住んでいるけれど、迷い道というのはあったけれど、迷宮と言うほどではなかったの。だけど、ちょっと前に地震があってね」
「地震?」僕とケーが同時に訊いた。
「学校が休校だった頃かな?」僕が言うと、
「さぁ~?」ケーもよく覚えていないらしい。
「それでね、地震が収まると、いつの間にか迷宮、と呼んでいるものが出来上がっていたの」メープルが思い出しつつ言っているようだ。
「だけど、君たちがこの迷宮に入らずに帰ることはできると思うよ。上手くいけばね」リーブスが注意深く言った。
「上手くいけば、って帰るのは難しいのかい?」僕が尋ねた。
「オークと出会わなければね」顔にしわを寄せてリーブスが答えた。
「オークと言うのは、木の妖怪なのだけど、気が荒くて性格の悪い奴が多いんだよ」リーブスが更に顔にしわを寄せて言った。
「なんか怖いね。」ケーが心なしか頼りなげに言った。
でも僕は一応言ってみる。「そのオークに会ったらどうすればいい?」
いざとなったら、僕は戦えるだろうか。ケーと僕を守るために。「ひたすら、逃げた方がいい」リーブスは言った。
「僕たちは争いを好まない種族なんだ。だから、戦わない」でも、リーブスは言いながらちょっと悔しそうだ。
そうそう、と言って、メープルが1枚の皮を広げた。そこには、『地底迷宮地図』とある。皆でその地図に注目した。
僕たちの落ちた穴は、東の端に位置するようだ。ツリー村は、中央よりやや東南の位置だ。
僕は地図を眺めながら言った。
「僕達は、どこを目指して帰ればいいかな?」
リーブスは地図の東北の端を指さしながら、「ここを目指せばいいと思う」と言った。
リーブスの刺した先には、洞窟出入口と書いてあり、そこは学校の森の中のようだった。
現在地のツリー村から、洞窟の出入り口まで、分岐点が幾つかあるが、そこを間違わなければ、無事にたどり着けそうだ。
「できればその地図と同じ物を貰えないかな?はぐれないとは思うんだけど心配だから」ケーが小さな交渉をしてみる。
「これも物々交換できるかい?」リーブスに言われた。
うーん、どうしよう。僕が考え込んでいると、ケーがこともなげに言った。
「あ、私ね、予知が少しできるんだ。2人の将来を予知できるよ。どうする?」ケーはニコニコだ。
そうか、その手があったね。僕は感心したのだった。
「それならね、地図は1枚だから、一人だけ予知してもらえる?」と、リーブスが言いながらメープルと話し合って、メープルの将来を予知することになった。

ケーとメープルはキッチンへ行って小声で話し合っている。
しばらくしてケーとメープルが戻ってきた。2人ともニコニコだ。メープルは、ちょっと頬を上気させてうっとりしているようだ。
その様子を見ていたリーブスが「どうしたの?」と尋ねても、「いい将来で良かった」とメープルは嬉しそうに言うだけだった。
地図は、ケーに持ってもらうことにした。
「他に迷宮に行くのに必要なものはあるのかい?」僕は、考えていたことを口にした。
「そうだね、ランタンとか少量の食べ物とかロープくらいかな」リーブスが言った。
「あとね、リュックとかカバンはあるかな?」僕は言ってみた。
「僕はたいして荷物を持っていないから、収納できる入れ物が欲しいんだけどね。」でも、物々交換はどうしよう?
そうしたら、「それなら、僕も将来を予知してもらおうかな?」リーブスがケーに言った。
「いいよ!」とケーが二つ返事で請け負った。

ケーとリープスはやはり小声で話し込むと、嬉しそうな顔をしてリーブスが戻ってきた。
そのうち、どんな内容だったかを教えてもらおうかな。ま、いいか。
「さっき言った道具とリュックは揃えるから大丈夫だよ。」リーブスが言った
。メープルは道具を揃えるために外出していった。
小一時間ほどして、メープルがひと通り入ったリュック2つと、肩掛けカバンを持って戻ってきた。リュックを比べて、メープルの持ってきたリュックの方が重かったので、そちらを僕が1つ持つことにした。もう1つのリュックはリーブスが持ち、肩掛けカバンはメープルが持った。リーブスもメープルもなんだか嬉しいそうだな。なんだか羨ましいな。
いよいよ、ツリー村をあとにして迷宮へ足を踏み入れたのだった。


この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 06

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バーチャル学校 vol2 07

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バーチャル学校 vol2 08

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バーチャル学校 vol2 09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 11

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バーチャル学校 vol2 12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 13

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 14

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 15

物語の終わりは、こちらになります。
バーチャル学校 vol2 16

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