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Date:2026-03-22 01:43 Editer:snow

悪魔の話 vol.4



作 林柚希

僕実は悪魔なんだけど、知っているんだっけ。
ま、いいか。
マダムにはモテるんだけど、浮気はしたくないので、絶賛彼女、募集中です。
しがない地味なサラリーマンの格好ですがよろしく。
今回の依頼は、…奥さん、ではないな。

とある、マンションの戸口に立つとインターフォンを押す。
しばらくして、はぁい、と可愛い声がしてガチャ、と戸が開く。
目があって、僕は一目みて真っ赤になって沈黙してしまった。
向こうもなんだか、顔が赤い。
「ど、どちら様ですか?」
と、いう声でハッとして、いつもの紹介を口にする。
「僕、実は悪魔なんですが、要請があってやってきました。」
「悪魔…さんですか?」
「信じられませんか?こんな出で立ちだし。」
「そうですね、でも確かに私、要請してましたから、まず上がって下さい。」
「おじゃまします。」
どうしてんだろ、僕、信じない相手は諦めるのに。
まあ、いい。話を聞いてみよう。
中に入ると、白を基本にピンクを差し色にした部屋になっていて、なかなか可愛い。
「ここに座って下さい。」
「あ、はい。」
「この写真を見てもらえますか?」
「あ、社員旅行の写真ですね。」
「そうなんです。それで隣のこの男性、が私の直属の上司なんです。」
気に入らないな。この男、彼女の胸元を見て、ニヘラ~、と笑っている。
「この上司、スケベそうですね。」
「そうなんですよ。それで私に目をつけて、肩やお尻をわからないように触ってきたり、最近は忙しいから、って休日出勤に出るよう言ってくるんです。」
「セクハラですね。嫌ですね~。」
なんだかムカついている。
「それで、この上司を呪ってもらえないかと思って。体調がすぐれなくなれば、多少違うかなって思いまして。」
「話はわかりました。それで報酬がお料理を作ってもらう事になっていまして。お料理、できますか?」
「自炊はしていますけど、そんな凝った物は作れませんよ。」
「それなら、大丈夫。」
「いつ、作ったらいいですか?」
「今からお願いしていいですか。えと豚肉と鶏肉を使ったお料理をお願いしたいんですが。」
「あ、それならなんとか作れます。ちょっと冷蔵庫見てきますね。」
さっと立ち上がると、ちょっとフラついている。
慌てて支えると、彼女はちょっと赤くなって、「ありがとうございます。」と言った。
あ~、可愛いなあ。いけない、仕事、仕事。
彼女は、冷蔵庫を開けると、あまり食材がないので、買ってきます、と出掛けて行った。
さて、水晶を取り出すと、社員旅行の写真を見ながら千里眼で見始めた。
社名と上司の名前は聞いてあるので、社内風景を視る。
すると、彼女に事あるごとにベタベタと触っていたり、下ネタを連発しているが、他の社員には、巧妙にふるまい、知られていないようだ。
現在の上司を追って視ると、ちょうどパソコンに向かって仕事をしているところだった。
ちょっと彼を操作して、パソコンとスマホの中を覗き、ちょこっとまた操作する。
そこで、ちょうど、彼女が帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
ちょっとこの感じ、いいな。
「これから作りますから、ちょっと待って下さいね。」
「わかりました。」
続けて、水晶を覗きこむと、上司の周りに社員がわらわらといて、騒ぎになっている。
「このエロ上司!」
「今までこんな事していたんですね!」
「え、私にはサッパリわからないんですが。」
「全社員にこんなメール送ったじゃないですか!」
プリントアウトしたコピー用紙には、男性社員へ、たまには憩うのもいいのでは、と題して、社員と見られる女性のスカートの中とか、胸元のアップとか、が載せられている。
社内の女性は特にカンカンに怒っている。
そこに、年老いた男性がやってきて、「わし、人事部の人間なんだけど、君、今時こんなワイセツな画像を社内で送られたら、会社のイメージダウンなんだよ。それだけではないがな。即刻、首だから、そのつもりでいたまえ。」
それだけ、言うと去って行った。
そこで、ちょうど彼女から、「ごはん、できましたよ~。」と美味しそうな香りとともにごはんが運ばれてきた。
「私も一緒でいいですか?ちょうどお腹空いちゃって。」
「勿論、いいですよ。」
二人して、いただきます、をすると、猛然と食べ始める。
ん!旨い。なかなかイケる。
「なかなか、おいひいれふよ。」
「口にご飯、入ってますよ。」
クスクス笑われてしまった。
ご飯を食べながら、もう上司にヘマをやらせて首になった事を説明した。
そうしたら、ぶはっと吹いて、ビックリしたようだった。
「ちょっと体調不良を起こすくらいかと、思っていました。本当に?」
まだ信じられないようだ。
すると、彼女のスマホからメールが届いたらしく、読むと彼女の同僚からだった。
上司が辞める事を説明してあって、添付したその上司のメールを見て、納得したようだった。
「本当だったんですね。驚きましたよ。」
「本当ですよ。これで心おきなく会社で働けますね。」
「ありがとうございます。助かりました。」
「いいんですよ。ご飯もいただけましたから。」
「喜んで貰えて良かったです。」
「ところで、ここからはプライベートで話をしたいんですが。」
「え?プライベート?」
「そうです。僕、あなたに一目惚れしたみたいだから、お友達から付き合ってもらえませんか?」
「あ、あの、じ、実は私もあなたがきてカッコいいなあ、って思ってて。私も一目惚れみたいです。」
「そうなんですか!?じゃ、僕の彼女になってもらえませんか?」
「は、はい。喜んで。」
つもる話を延々、彼女としたのだった。


物語の初めは、こちらになります。
[悪魔の話 vol1]

物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol2]

物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol3]

物語の続きは、こちらになります。
[悪魔の話 vol4]

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