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●詩、小説●
2024-09-08 11:43:06バーチャル学校vol2 11
作 林柚希
さて、トゥルーの家にて。
夕方過ぎになり、お父さんが帰ってきて、僕はさっきの『ケー誘拐未遂事件』をお母さんとケーを交えて話した。お父さんはかなり驚いていたけれど、傍らにケーがいることもあり、落ち着いて僕の話を聞いていた。そして、ワンダリング先生に連絡をして、お母さんから同じように事件の件を話すとすぐに行きます、と答えたそうだ。
夕飯は、僕、お父さんとお母さん、ケー、ワンダリング先生で一緒に摂ることにした。
その後、リビングでそれぞれくつろぎながら、僕から話し出した。もちろん、魔法陣を予め張って。もうケーをあんな目にあわせたくなかったのは、みんな一緒だ。
「ケーはもう大丈夫かい?」ちらっとケーを見る。
「もう大丈夫だって!」元気に、尻尾をフリフリしながら言った。もう、普段のケーだ。
「校長の話をしたいのだけどいいかい、皆?」お父さんだ。皆オッケーを出した。
「奴は宣戦布告してきた。そうだね、トゥルー。」お父さんが厳しい眼差しで言った。
「そうだよ。地下迷宮に来い、って言っていたよ、奴は。」僕は苦々しく言った。
「あなた。…ケーちゃんはこの際しばらく我が家にいてもらったらどうかしら?」心配した声音でお母さんは言った。
「私は、足手まといですか?」ケーはお母さんを見て言った。
「違うのよ。あなたに怖い思いをさせたくないのよ。実際、怖かったでしょう?」お母さんは気づかわしげに言った。
「…正直、怖かったです。でも!…このまま負けたくありません。」呟くように小さくケーは言った。ケーは、…無理しているだろうか?
「ケー。僕は…。」僕は言いかけたところで。
「トゥルー、私もついて行かせて。怖いけど…、でもトゥルーと一緒なら大丈夫。絶対に。」ケーは自分に言い聞かせるように言っている。…。僕は判断に迷う。
「この家にいるからと言って安全とは限りませんよ。先の三人の教師との魔法戦もあったでしょ?…、トゥルーと一緒に戦った方が却って安全ではないでしょうかね。」ワンダリング先生が静かに言った。
ケーは、安心したように頷いている。僕は決心した。
「ケー!僕と戦おうな!大丈夫、僕が守るよ。」僕はケーを安心させたくて元気づけるように言った。
「ありがとう!…、うん、トゥルーと一緒に戦う。うん。」何度も頷いてケーは言った。
ケーは頑張っている。ケーを守って、僕も頑張る。奴に負けるもんか!
「…、それでいいかい、ケーちゃん。」お父さんは優しい眼差しでケーに言った。
「はい。トゥルーのお父さん。」ケーと皆は視線を交錯させて話に集中した。
「校長の事なんだが。」お父さんが言いかけた時、ワンダリング先生が手をあげて続けた。
「話の続きは私にさせてください。校長、というか奴の一味は、学校の一角に時間の魔法ををかけたんです。」ワンダリング先生が言った。
「奴らは、学校の一角の広大な地下に時間を遡らせる魔法をかけたのです。」ワンダリング先生の話にお父さん以外の一同が驚いた。
「なんですって!?」お母さんだ。
「じゃ、ドワーフさん達がいたのって…。」ケーが驚いている。
「そうなの。かなり大昔の話なのよ。オークやドワーフがいたのはね。」お母さんは平静に戻りつつ言った。
「そうなんだ。じゃ、校長を倒したら、時間の魔法は解けちゃうの?」僕はワンダリング先生に訊いた。
「そうだね。だから、どうしようかと思っているのだけれどね。」頷きつつワンダリング先生は言った。
「では、こうしたらどうかな。」お父さんだ。
「予め、保存の魔法をかけたらどうかな。我々魔法協会のメンツで。」お父さんは考えながら言っていた。なるほど、と僕は感心した。
「それ、いい案ですね!先輩。」ワンダリング先生も頷いている。
ワンダリング先生は、昔、お父さんの働いている魔法協会の一員だったらしい。
「それなら大丈夫なんですか?」ケーは聞いて、ちょっと席外します、と言ってトイレに行った。
「大丈夫。」お父さんが頷いた。
「あなた、…、私はどうしましょうか?」お母さんだ。僕もお母さんはどうしたらいいか判断に迷うけど、好きにしたらいいと思った。
「明日は日曜日だし。うん、我々も一緒に行こう。」お父さんはお母さんに言った。
「…、そうだわね。行きます、私も。あなたがいるのなら。」お母さんは言った。
あ、ケーが戻ってきた。
「それなら、先発隊は、トゥルー、ケー、先輩、トゥルーのお母さん、僕ワンダリングのメンバーでいいですか?」ワンダリング先生が確かめるように言った。
「あ、それに加えて、ドワーフ族のリーブス君とメープルちゃんも加えたいのです。一応ですけどね。」僕が言った。ケーちゃんも頷いている。
「…、そうか、ドワーフ族と友人になれたんだったな。」ワンダリング先生は感心していった。
「昨日、地下迷宮で迷いそうになったのをリーブス君とメープルちゃんに助けてもらいました。」僕はなにやら嬉しかった。
「そうか。」お父さんは優しい目線を僕にも注いでいるようだ。
「私からも言わせてください。」ケーだ。
「席を外している間に、ちょっと予知占いをしてみましたが、絶対に上手くいくってでましたよ!」ケーは自信ありげに言った。
「それは、吉報だね。」お父さんが言った。皆もホッとしたようだった。
「じゃ、これで会議はお開きにしますか。」ワンダリング先生がこの場を仕切って言った。
そうだね、と一同納得して、この会議は終わったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
さて、トゥルーの家にて。
夕方過ぎになり、お父さんが帰ってきて、僕はさっきの『ケー誘拐未遂事件』をお母さんとケーを交えて話した。お父さんはかなり驚いていたけれど、傍らにケーがいることもあり、落ち着いて僕の話を聞いていた。そして、ワンダリング先生に連絡をして、お母さんから同じように事件の件を話すとすぐに行きます、と答えたそうだ。
夕飯は、僕、お父さんとお母さん、ケー、ワンダリング先生で一緒に摂ることにした。
その後、リビングでそれぞれくつろぎながら、僕から話し出した。もちろん、魔法陣を予め張って。もうケーをあんな目にあわせたくなかったのは、みんな一緒だ。
「ケーはもう大丈夫かい?」ちらっとケーを見る。
「もう大丈夫だって!」元気に、尻尾をフリフリしながら言った。もう、普段のケーだ。
「校長の話をしたいのだけどいいかい、皆?」お父さんだ。皆オッケーを出した。
「奴は宣戦布告してきた。そうだね、トゥルー。」お父さんが厳しい眼差しで言った。
「そうだよ。地下迷宮に来い、って言っていたよ、奴は。」僕は苦々しく言った。
「あなた。…ケーちゃんはこの際しばらく我が家にいてもらったらどうかしら?」心配した声音でお母さんは言った。
「私は、足手まといですか?」ケーはお母さんを見て言った。
「違うのよ。あなたに怖い思いをさせたくないのよ。実際、怖かったでしょう?」お母さんは気づかわしげに言った。
「…正直、怖かったです。でも!…このまま負けたくありません。」呟くように小さくケーは言った。ケーは、…無理しているだろうか?
「ケー。僕は…。」僕は言いかけたところで。
「トゥルー、私もついて行かせて。怖いけど…、でもトゥルーと一緒なら大丈夫。絶対に。」ケーは自分に言い聞かせるように言っている。…。僕は判断に迷う。
「この家にいるからと言って安全とは限りませんよ。先の三人の教師との魔法戦もあったでしょ?…、トゥルーと一緒に戦った方が却って安全ではないでしょうかね。」ワンダリング先生が静かに言った。
ケーは、安心したように頷いている。僕は決心した。
「ケー!僕と戦おうな!大丈夫、僕が守るよ。」僕はケーを安心させたくて元気づけるように言った。
「ありがとう!…、うん、トゥルーと一緒に戦う。うん。」何度も頷いてケーは言った。
ケーは頑張っている。ケーを守って、僕も頑張る。奴に負けるもんか!
「…、それでいいかい、ケーちゃん。」お父さんは優しい眼差しでケーに言った。
「はい。トゥルーのお父さん。」ケーと皆は視線を交錯させて話に集中した。
「校長の事なんだが。」お父さんが言いかけた時、ワンダリング先生が手をあげて続けた。
「話の続きは私にさせてください。校長、というか奴の一味は、学校の一角に時間の魔法ををかけたんです。」ワンダリング先生が言った。
「奴らは、学校の一角の広大な地下に時間を遡らせる魔法をかけたのです。」ワンダリング先生の話にお父さん以外の一同が驚いた。
「なんですって!?」お母さんだ。
「じゃ、ドワーフさん達がいたのって…。」ケーが驚いている。
「そうなの。かなり大昔の話なのよ。オークやドワーフがいたのはね。」お母さんは平静に戻りつつ言った。
「そうなんだ。じゃ、校長を倒したら、時間の魔法は解けちゃうの?」僕はワンダリング先生に訊いた。
「そうだね。だから、どうしようかと思っているのだけれどね。」頷きつつワンダリング先生は言った。
「では、こうしたらどうかな。」お父さんだ。
「予め、保存の魔法をかけたらどうかな。我々魔法協会のメンツで。」お父さんは考えながら言っていた。なるほど、と僕は感心した。
「それ、いい案ですね!先輩。」ワンダリング先生も頷いている。
ワンダリング先生は、昔、お父さんの働いている魔法協会の一員だったらしい。
「それなら大丈夫なんですか?」ケーは聞いて、ちょっと席外します、と言ってトイレに行った。
「大丈夫。」お父さんが頷いた。
「あなた、…、私はどうしましょうか?」お母さんだ。僕もお母さんはどうしたらいいか判断に迷うけど、好きにしたらいいと思った。
「明日は日曜日だし。うん、我々も一緒に行こう。」お父さんはお母さんに言った。
「…、そうだわね。行きます、私も。あなたがいるのなら。」お母さんは言った。
あ、ケーが戻ってきた。
「それなら、先発隊は、トゥルー、ケー、先輩、トゥルーのお母さん、僕ワンダリングのメンバーでいいですか?」ワンダリング先生が確かめるように言った。
「あ、それに加えて、ドワーフ族のリーブス君とメープルちゃんも加えたいのです。一応ですけどね。」僕が言った。ケーちゃんも頷いている。
「…、そうか、ドワーフ族と友人になれたんだったな。」ワンダリング先生は感心していった。
「昨日、地下迷宮で迷いそうになったのをリーブス君とメープルちゃんに助けてもらいました。」僕はなにやら嬉しかった。
「そうか。」お父さんは優しい目線を僕にも注いでいるようだ。
「私からも言わせてください。」ケーだ。
「席を外している間に、ちょっと予知占いをしてみましたが、絶対に上手くいくってでましたよ!」ケーは自信ありげに言った。
「それは、吉報だね。」お父さんが言った。皆もホッとしたようだった。
「じゃ、これで会議はお開きにしますか。」ワンダリング先生がこの場を仕切って言った。
そうだね、と一同納得して、この会議は終わったのだった。
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物語の初めは、こちらになります。
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