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●詩、小説●
2024-12-24 03:53:23バーチャル学校vol3 10
作 林柚希
部屋に戻って、二人して出かける支度が終わると、ポケットにしまっていたこの島の地図を広げた。
現在地は、判然としないまでも、海に面している場所は何か所かある。
メアリーに話を聞いてみようと、部屋を出た。
メアリーに訊いたところによると、『ポセイドンモドキ』のいる場所に近そうなのが「潮騒ビーチ」と呼ばれる場所だ。
ケーと相談して、そこにいくことにした。
そして、そこまでの道を簡単な地図を書いてもらい、いよいよ出かけることにした。
旅館を出ると、そこは南北に分かれた道だ。
「こっちだよ、たぶん。」ケーだ。
その道を急ぐ。恐らく、猶予は1日だ。あまり迷ってはいられないだろう。
しばらくして「潮騒ビーチ」に辿り着いた。
「わぁ~。」二人して息をのんだ。
「潮騒ビーチ」は、キレイな砂浜だった。時折、海から風が吹いていて、静かに海が寄せる波の音が聞こえる。
数歩で立ち止まり、また周囲を見回す。
「何もないねぇ。」僕はなんとなくケーに話しかける。
「そうだね。」ケーは辺りを見回すとこう言った。
「私が探してみるよ。それでいい?」
僕は、いいよ、と言うとケーはペンダントを取り出して端を持つと呟いた。
「ポセイドンモドキのいる場所はどこ?」そう言うと、そうっと歩き出して、ペンダントの反応を見ているようだ。
ケーに言わせると、ダウジング、というらしい。
すると、ある箇所で、グルグルとペンダントが回りだした。
気のせいかと、別の場所を向くとペンダントはピタッと止まる。
さっきの場所に向き直ると、また回りだした。
「ここだね!」ケーは嬉しそうに言った。
そこは、まっさぐ先の遠くに小さな島が見える砂浜だった。
「ここから行こう!」僕は、ウキウキだ。
「でも、どうやって行こうか?船はないし。」ケーはお手上げと言わんばかりに両手を広げた。
「大丈夫。まかせて。」僕は、小さな三角形に折ったコピー用紙を、耳の後ろに貼り付けこう唱えた。
「水の中で呼吸できるようにする!」
すると、光が三角形のコピー用紙に集まり、ビチビチと音がした。
左右片方づつ付けると、ケーにも施した。
「面白いね~。」ケーもワクワクしてきたようだ。
「それとね。」僕は、まず自分自身に、濡れない魔法を唱えた。
そしてケーにも唱えた。
「ケー、海に入ってみようよ。」僕はそう言うと、海に入り始めた。
「そ、そうだね。」ケーはこのまま入るの大丈夫かな、と多少不安げなようだ。
そのまま入ると、しばらくして頭の先まで海の中になった。
でも、呼吸は楽だし、話すこともできた。
「ケー、いいかい?聞こえる?」ケーに振り返って僕が言った。
「聞こえるよ。了解。」ケーはこの不思議現象にビックリのようだ。
「とりあえず海の中の底を歩いてみようか。」僕は、もう慣れっこだ。
「そうだね。」ケーはまだ驚いているようだ。
そして、海の底に足を付けると陸上のように足を動かしてみた。
青く澄んだ水の底は、なかなかにキレイだ。
ケーを見ると、耳の後ろのエラから小さな泡が出ている?
「とりあえず、村を目指してみようか。」僕は、ケーを促した。
「そうだね。でも、こっちの方角であっているのかな。」ケーも決めかねているようだ。
予め、メアリーさんから聞き出した情報によると、『ポセイドンモドキ』と敵対している海の民、と呼ばれる存在がいるそうだ。
そして、その村が『ポセイドンモドキ』のいる場所にほど近い場所にあるそうだ。
二人だけで戦うには心細いし、もっと情報もほしい。
だから、海の民の村を目指してみることにしたのだった。
そこは、水の中の世界。
トゥルーと、ケーは、水の中を散歩するように歩いていた。
そこは、水の地の底。水がたゆたい、水藻が水に揺れている。
水の上の方は、魚が涼し気に泳ぎ回っている。
ここは、海の中。カラフルな魚たちが浅瀬で泳いでいたっけ。
トゥルーは、凄い世界にまた来たもんだ、と思った。
数分歩いて、ピュル、という音に二人とも気づいた。
「なんだろ?」僕はケーを見た。
「イルカかな?」ケーも疑問、という顔をしている。
「行ってみようよ。」僕が促すと、ケーも頷いてその方角へ歩き始めた。
そこには、イルカと数人の存在と、学校で見たあの使い魔のようなのが3匹いた。
「おーーい!」僕は思わず声をかけた。
「ピュル。」イルカが反応した。
「誰?」人魚?のような存在が答えた。
「オマエタチハ、ダレダ?」赤ちゃんが紫色しているような形だ。小さなヤリを持っている。
「こいつらとどうしたんですか?」ケーが答えた。
「いきなり襲ってきたんですよ!」もう一人の人間のような姿形だけど、頬や腕に鱗がある存在が答えた。
「襲ってきた?」僕が聞き返した。
「そうです。ポセイドンモドキの手下か?」別の一人が答えた。やはり、頬や腕に鱗がある。
「ソウダ。オマエタチハ、ホリョニシテヤル。」ニタついて気持ちが悪い。
ケーは僕の後ろに隠れると、なにやら水草を引っ張って抜いているようだ。何をしているんだろう。
僕は、魔法で火球を出すと手下にぶつけた。手下は、ギャッ、と言って消えた。
人魚は、さっきの二人の後ろに隠れている。
その二人は、長い槍でそれぞれ、手下に刺した。やはり、ギャッ、と言って消えた。
「そこの二人の人間さん、助かりました。」人魚が言った。
「いえ、いいんです。」僕はちょっと照れてしまった。
人魚の胸をまともに見ちゃった。まぁ貝殻で隠れていたけれど。
ケーはなんだか目をキッときつく僕を睨みつけて、足を思い切り踏んづけてきた。
「イタッ。何するんだよ~。」僕は痛がっていた。もうケーったら。
「ははは。大丈夫ですか?」彼は、海の民のジョン、と名乗った。
もう一人は同じく海の民で、アメリア、と名乗った。そう女性だった。
人魚は人魚族で、シャーロット、と名乗った。
僕とケーもそれぞれ名乗って、これまでの経緯を話したのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-13
物語の最後は、こちらになります。
バーチャル学校vol3-14
部屋に戻って、二人して出かける支度が終わると、ポケットにしまっていたこの島の地図を広げた。
現在地は、判然としないまでも、海に面している場所は何か所かある。
メアリーに話を聞いてみようと、部屋を出た。
メアリーに訊いたところによると、『ポセイドンモドキ』のいる場所に近そうなのが「潮騒ビーチ」と呼ばれる場所だ。
ケーと相談して、そこにいくことにした。
そして、そこまでの道を簡単な地図を書いてもらい、いよいよ出かけることにした。
旅館を出ると、そこは南北に分かれた道だ。
「こっちだよ、たぶん。」ケーだ。
その道を急ぐ。恐らく、猶予は1日だ。あまり迷ってはいられないだろう。
しばらくして「潮騒ビーチ」に辿り着いた。
「わぁ~。」二人して息をのんだ。
「潮騒ビーチ」は、キレイな砂浜だった。時折、海から風が吹いていて、静かに海が寄せる波の音が聞こえる。
数歩で立ち止まり、また周囲を見回す。
「何もないねぇ。」僕はなんとなくケーに話しかける。
「そうだね。」ケーは辺りを見回すとこう言った。
「私が探してみるよ。それでいい?」
僕は、いいよ、と言うとケーはペンダントを取り出して端を持つと呟いた。
「ポセイドンモドキのいる場所はどこ?」そう言うと、そうっと歩き出して、ペンダントの反応を見ているようだ。
ケーに言わせると、ダウジング、というらしい。
すると、ある箇所で、グルグルとペンダントが回りだした。
気のせいかと、別の場所を向くとペンダントはピタッと止まる。
さっきの場所に向き直ると、また回りだした。
「ここだね!」ケーは嬉しそうに言った。
そこは、まっさぐ先の遠くに小さな島が見える砂浜だった。
「ここから行こう!」僕は、ウキウキだ。
「でも、どうやって行こうか?船はないし。」ケーはお手上げと言わんばかりに両手を広げた。
「大丈夫。まかせて。」僕は、小さな三角形に折ったコピー用紙を、耳の後ろに貼り付けこう唱えた。
「水の中で呼吸できるようにする!」
すると、光が三角形のコピー用紙に集まり、ビチビチと音がした。
左右片方づつ付けると、ケーにも施した。
「面白いね~。」ケーもワクワクしてきたようだ。
「それとね。」僕は、まず自分自身に、濡れない魔法を唱えた。
そしてケーにも唱えた。
「ケー、海に入ってみようよ。」僕はそう言うと、海に入り始めた。
「そ、そうだね。」ケーはこのまま入るの大丈夫かな、と多少不安げなようだ。
そのまま入ると、しばらくして頭の先まで海の中になった。
でも、呼吸は楽だし、話すこともできた。
「ケー、いいかい?聞こえる?」ケーに振り返って僕が言った。
「聞こえるよ。了解。」ケーはこの不思議現象にビックリのようだ。
「とりあえず海の中の底を歩いてみようか。」僕は、もう慣れっこだ。
「そうだね。」ケーはまだ驚いているようだ。
そして、海の底に足を付けると陸上のように足を動かしてみた。
青く澄んだ水の底は、なかなかにキレイだ。
ケーを見ると、耳の後ろのエラから小さな泡が出ている?
「とりあえず、村を目指してみようか。」僕は、ケーを促した。
「そうだね。でも、こっちの方角であっているのかな。」ケーも決めかねているようだ。
予め、メアリーさんから聞き出した情報によると、『ポセイドンモドキ』と敵対している海の民、と呼ばれる存在がいるそうだ。
そして、その村が『ポセイドンモドキ』のいる場所にほど近い場所にあるそうだ。
二人だけで戦うには心細いし、もっと情報もほしい。
だから、海の民の村を目指してみることにしたのだった。
そこは、水の中の世界。
トゥルーと、ケーは、水の中を散歩するように歩いていた。
そこは、水の地の底。水がたゆたい、水藻が水に揺れている。
水の上の方は、魚が涼し気に泳ぎ回っている。
ここは、海の中。カラフルな魚たちが浅瀬で泳いでいたっけ。
トゥルーは、凄い世界にまた来たもんだ、と思った。
数分歩いて、ピュル、という音に二人とも気づいた。
「なんだろ?」僕はケーを見た。
「イルカかな?」ケーも疑問、という顔をしている。
「行ってみようよ。」僕が促すと、ケーも頷いてその方角へ歩き始めた。
そこには、イルカと数人の存在と、学校で見たあの使い魔のようなのが3匹いた。
「おーーい!」僕は思わず声をかけた。
「ピュル。」イルカが反応した。
「誰?」人魚?のような存在が答えた。
「オマエタチハ、ダレダ?」赤ちゃんが紫色しているような形だ。小さなヤリを持っている。
「こいつらとどうしたんですか?」ケーが答えた。
「いきなり襲ってきたんですよ!」もう一人の人間のような姿形だけど、頬や腕に鱗がある存在が答えた。
「襲ってきた?」僕が聞き返した。
「そうです。ポセイドンモドキの手下か?」別の一人が答えた。やはり、頬や腕に鱗がある。
「ソウダ。オマエタチハ、ホリョニシテヤル。」ニタついて気持ちが悪い。
ケーは僕の後ろに隠れると、なにやら水草を引っ張って抜いているようだ。何をしているんだろう。
僕は、魔法で火球を出すと手下にぶつけた。手下は、ギャッ、と言って消えた。
人魚は、さっきの二人の後ろに隠れている。
その二人は、長い槍でそれぞれ、手下に刺した。やはり、ギャッ、と言って消えた。
「そこの二人の人間さん、助かりました。」人魚が言った。
「いえ、いいんです。」僕はちょっと照れてしまった。
人魚の胸をまともに見ちゃった。まぁ貝殻で隠れていたけれど。
ケーはなんだか目をキッときつく僕を睨みつけて、足を思い切り踏んづけてきた。
「イタッ。何するんだよ~。」僕は痛がっていた。もうケーったら。
「ははは。大丈夫ですか?」彼は、海の民のジョン、と名乗った。
もう一人は同じく海の民で、アメリア、と名乗った。そう女性だった。
人魚は人魚族で、シャーロット、と名乗った。
僕とケーもそれぞれ名乗って、これまでの経緯を話したのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03
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バーチャル学校vol3-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05
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バーチャル学校vol3-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-09
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バーチャル学校vol3-10
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バーチャル学校vol3-11
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