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●詩、小説●
2024-12-27 17:06:07バーチャル学校vol3 13
作 林柚希
「ヒィ!」もう皆、ゼィハァ、ゼィハァしている。
奴らは、どうやらあらかじめ知っていたらしく、紫色の赤ちゃんのようなのがやたらと襲ってくる。
「もう、いなくなった?」ケーが息を整えながら言った。
「いなくなったんじゃないか?」僕とジョンがやはり肩で息をしながら言った。
ケーは戦闘要員ではないので、アチコチ逃げ回りながらだったので、それで疲れてしまったらしい。
「おっ、そうだ!」僕は、ちょっと息を吸い込み、ブツブツと小声で木の端くれに呪文を唱えると、それをケーに渡した。
「なぁに?これ。」ケーは不思議そうに僕に訊いてきた。
「この木は、魔法のステッキだよ。」僕はちょっと偉そうにエヘンと咳き込むと言った。
「約2時間、このステッキが使えるよ。小さな火球が出るから、逃げ回るだけよりいいかと思って。」僕は言い放ってからカチンとこなきゃいいけどと、心配しながら言った。
「ちょっと試してもいい?」ケーはしげしげとその木の端くれを見ながら言った。
「いいよ。」僕は答えた。
「えい。」ケーが木のステッキを側の出口に向かって大きくゆっくり振るった。ボンっ小さな火球が出て出口に当たり、そこに隠れていた奴らが、キーと言いながら逃げていった。
「凄いね、これ。」ケーは降り過ぎないように気をつけ持ち直しながら言った。
「まぁね。」と僕が言うと、ケーは「ありがとう。」となんだか嬉しそうに言った。
「私にもないんですか?」アメリアも言ってきた。
「いや、君は戦闘要員だから大丈夫でしょう?」僕は軽く言うと、アメリアは私も欲しかったという顔をして、そう、とだけ言った。
建物の中に入り、すでに1時間だろうか。奴らは間断なく襲ってくる。が、僕達も負けていない。必死で少しづつ行軍していた。
そして、次の入口には「ポセイドンモドキ様の部屋」と書かれていた。
「なんだここ。大仰だなぁ。」ジョンは呆れたようだ。
「まぁ、ここで最後だよ。皆、心してかかろう!」僕が言った。
皆、おう!と掛け声を出すと、それぞれ緊張の面持ちで中に入っていった。
「ガハハハ!マッテイタゾ!」中央の豪奢な椅子に座った2メートルぐらいの長身の男が言い放った。
「念のため聞くぞ。お前は誰だ。」ケーが言った。
「オレカ!オレハポセイドンモドキサマだ。」そう言うと無駄にガハハと笑っている。
傍らにあるヤツよりも更に長い槍を持つとポセイドンモドキは言った。
「ジャ、タタカッテヤロウ!」
まず僕は、ジョンとアメリアに魔法バリアの呪文を唱えた。
同時にケーが木のステッキを3回振るった。小さな火球が3つ出て、どれもポセイドンモドキに当たった。
「イタイゾ!」ポセイドンモドキは、そう言うと、ジョンとアメリアと剣と槍で交えて戦いだした。
どうやら、長い槍は、近くに寄られると戦いづらいらしい。
剣での傷がポセイドンモドキにだんだん増えていく。奴は、血が流れて始めていた。
奴が、自分の血でコケた時、皆がチャンスだと思った。
ジョンが剣で刺そうとした時、ボンッと音がして、灰色の煙がポセイドンモドキの周囲に出た。
「皆、一旦離れて!」ケーが注意の声をあげた。
煙が無くなり、ポセイドンモドキに目を向けるとそこには…、アメリアがいた。
「アメリア!?」皆が驚いていると、一人だけ「私!?」と言った存在がいた。
そう、アメリアだった。
この場には、アメリアが二人いるのだ。
片方は、ジョンの後方にいて剣を構えているアメリア。そう、こっちが普段のアメリアだろう。もう一人のアメリアは、ポセイドンモドキのいた辺りにいる。そのアメリアは、ポセイドンモドキの格好ではなく、剣を構え驚いているアメリアと同じ格好をしている。
「そう、私もアメリアよ。」口からの血を拭いながら、嬉しそうに言うアメリアは、どこか妖艶だ。なんだか違う。
「違う!!私こそが本当のアメリアよ!」剣を構えたアメリアがキツい目線でもう一人のアメリアに向かって言った。
「違うわよ。私こそが、アメリアよ。」にっこりと微笑むアメリアは、なんだかいつものアメリアのようで困る。僕は正直言ってどうやってこの難局を乗り越えたらいいのかわからない。
「お前に訊く。小さい頃のあだ名を言ってみろ!」ジョンは、剣をアメリア、そうポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアに向かって言った。
「え…。そ、そんなの忘れちゃったわよ。」アメリアは焦っていたが、小さく肩をすくめて言った。
「私は言えるわよ。」剣を構えたアメリアは、私は大食らいと言われてたわ、と答えた。
すると、ポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアは、「私も言おうと思ったわよ。」と独り言を言った。
すると「えいっ。」ケーは何回か、木のステッキを振るうと、小さな火球がアメリアに当たった。
「ギャッ。」またボンッ、と音がして灰色の煙が出て、煙が無くなるとそこには、血を流しているポセイドンモドキがいた。
すかさず、「最後だっ!」とジョンが剣をふるった。僕も大火球をジョンに当たらないようにポセイドンモドキの腹を狙った。
「ギャーーーーーーー!」ポセイドンモドキは、ジョンの剣で片腕を失い槍を落として、僕の大火球で腹に穴が開いた。
「クッソ。」ポセイドンモドキは、何かを呟いている。
「やぁっ!」アメリアが渾身の力でポセイドンモドキの胸を刺した!
グサッと音がして、ポセイドンモドキの長い咆哮を聞いていた。
「お前、卑怯な手を使いやがって。」僕はそう言うとポセイドンモドキを見下ろしていた。
「そうよ、なんで私の姿になったのよ!」アメリアが言った。
「オマエ…、ニナッタラ、ユダンスルダロウト…オモッタ。」ポセイドンモドキは切れ切れにそう言った。
「それはそうだけど、でも無駄だったわね!」ケーが力強く言い放った。
「ソウダナ…。」ポセイドンモドキは、もう何も見ていないようだ。
「そうそう、お前は闇協会をしっているのかい?」僕は思い出して慌てて言った。
「オレハ…ヤミキョウカイノ…イチインダ。ハントをヒロゲルタメニ…ココニキタ。」ポセイドンモドキは、もう死にそうだ。
「お前が、この辺りを閉鎖しているんだろう?」ジョンが訊いた。
「オレガ…シネバ…ヘイサハ…トカレルダロウ。」最後の方は小声であまり聞き取れない。
「最後に、なんでそのポセイドンモドキなんて名前なの?」ケーが訊いた。
「ポセイドンニ…アコガレタンダ。」ポセイドンモドキは、もう答えられないようだ。
ポセイドンモドキに最後に引導を渡したのは、ジョンだった。
ポンッと音がして、そこには死んだトカゲがいた。
それと同時に、バリバリと音がして、その後に空間が軋むキインという音に耳を塞いでいたけれど、音が止むとどうやらこの建物は崩れそうになっていたので、皆慌てて脱出したのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-13
物語の最後は、こちらになります。
バーチャル学校vol3-14
「ヒィ!」もう皆、ゼィハァ、ゼィハァしている。
奴らは、どうやらあらかじめ知っていたらしく、紫色の赤ちゃんのようなのがやたらと襲ってくる。
「もう、いなくなった?」ケーが息を整えながら言った。
「いなくなったんじゃないか?」僕とジョンがやはり肩で息をしながら言った。
ケーは戦闘要員ではないので、アチコチ逃げ回りながらだったので、それで疲れてしまったらしい。
「おっ、そうだ!」僕は、ちょっと息を吸い込み、ブツブツと小声で木の端くれに呪文を唱えると、それをケーに渡した。
「なぁに?これ。」ケーは不思議そうに僕に訊いてきた。
「この木は、魔法のステッキだよ。」僕はちょっと偉そうにエヘンと咳き込むと言った。
「約2時間、このステッキが使えるよ。小さな火球が出るから、逃げ回るだけよりいいかと思って。」僕は言い放ってからカチンとこなきゃいいけどと、心配しながら言った。
「ちょっと試してもいい?」ケーはしげしげとその木の端くれを見ながら言った。
「いいよ。」僕は答えた。
「えい。」ケーが木のステッキを側の出口に向かって大きくゆっくり振るった。ボンっ小さな火球が出て出口に当たり、そこに隠れていた奴らが、キーと言いながら逃げていった。
「凄いね、これ。」ケーは降り過ぎないように気をつけ持ち直しながら言った。
「まぁね。」と僕が言うと、ケーは「ありがとう。」となんだか嬉しそうに言った。
「私にもないんですか?」アメリアも言ってきた。
「いや、君は戦闘要員だから大丈夫でしょう?」僕は軽く言うと、アメリアは私も欲しかったという顔をして、そう、とだけ言った。
建物の中に入り、すでに1時間だろうか。奴らは間断なく襲ってくる。が、僕達も負けていない。必死で少しづつ行軍していた。
そして、次の入口には「ポセイドンモドキ様の部屋」と書かれていた。
「なんだここ。大仰だなぁ。」ジョンは呆れたようだ。
「まぁ、ここで最後だよ。皆、心してかかろう!」僕が言った。
皆、おう!と掛け声を出すと、それぞれ緊張の面持ちで中に入っていった。
「ガハハハ!マッテイタゾ!」中央の豪奢な椅子に座った2メートルぐらいの長身の男が言い放った。
「念のため聞くぞ。お前は誰だ。」ケーが言った。
「オレカ!オレハポセイドンモドキサマだ。」そう言うと無駄にガハハと笑っている。
傍らにあるヤツよりも更に長い槍を持つとポセイドンモドキは言った。
「ジャ、タタカッテヤロウ!」
まず僕は、ジョンとアメリアに魔法バリアの呪文を唱えた。
同時にケーが木のステッキを3回振るった。小さな火球が3つ出て、どれもポセイドンモドキに当たった。
「イタイゾ!」ポセイドンモドキは、そう言うと、ジョンとアメリアと剣と槍で交えて戦いだした。
どうやら、長い槍は、近くに寄られると戦いづらいらしい。
剣での傷がポセイドンモドキにだんだん増えていく。奴は、血が流れて始めていた。
奴が、自分の血でコケた時、皆がチャンスだと思った。
ジョンが剣で刺そうとした時、ボンッと音がして、灰色の煙がポセイドンモドキの周囲に出た。
「皆、一旦離れて!」ケーが注意の声をあげた。
煙が無くなり、ポセイドンモドキに目を向けるとそこには…、アメリアがいた。
「アメリア!?」皆が驚いていると、一人だけ「私!?」と言った存在がいた。
そう、アメリアだった。
この場には、アメリアが二人いるのだ。
片方は、ジョンの後方にいて剣を構えているアメリア。そう、こっちが普段のアメリアだろう。もう一人のアメリアは、ポセイドンモドキのいた辺りにいる。そのアメリアは、ポセイドンモドキの格好ではなく、剣を構え驚いているアメリアと同じ格好をしている。
「そう、私もアメリアよ。」口からの血を拭いながら、嬉しそうに言うアメリアは、どこか妖艶だ。なんだか違う。
「違う!!私こそが本当のアメリアよ!」剣を構えたアメリアがキツい目線でもう一人のアメリアに向かって言った。
「違うわよ。私こそが、アメリアよ。」にっこりと微笑むアメリアは、なんだかいつものアメリアのようで困る。僕は正直言ってどうやってこの難局を乗り越えたらいいのかわからない。
「お前に訊く。小さい頃のあだ名を言ってみろ!」ジョンは、剣をアメリア、そうポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアに向かって言った。
「え…。そ、そんなの忘れちゃったわよ。」アメリアは焦っていたが、小さく肩をすくめて言った。
「私は言えるわよ。」剣を構えたアメリアは、私は大食らいと言われてたわ、と答えた。
すると、ポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアは、「私も言おうと思ったわよ。」と独り言を言った。
すると「えいっ。」ケーは何回か、木のステッキを振るうと、小さな火球がアメリアに当たった。
「ギャッ。」またボンッ、と音がして灰色の煙が出て、煙が無くなるとそこには、血を流しているポセイドンモドキがいた。
すかさず、「最後だっ!」とジョンが剣をふるった。僕も大火球をジョンに当たらないようにポセイドンモドキの腹を狙った。
「ギャーーーーーーー!」ポセイドンモドキは、ジョンの剣で片腕を失い槍を落として、僕の大火球で腹に穴が開いた。
「クッソ。」ポセイドンモドキは、何かを呟いている。
「やぁっ!」アメリアが渾身の力でポセイドンモドキの胸を刺した!
グサッと音がして、ポセイドンモドキの長い咆哮を聞いていた。
「お前、卑怯な手を使いやがって。」僕はそう言うとポセイドンモドキを見下ろしていた。
「そうよ、なんで私の姿になったのよ!」アメリアが言った。
「オマエ…、ニナッタラ、ユダンスルダロウト…オモッタ。」ポセイドンモドキは切れ切れにそう言った。
「それはそうだけど、でも無駄だったわね!」ケーが力強く言い放った。
「ソウダナ…。」ポセイドンモドキは、もう何も見ていないようだ。
「そうそう、お前は闇協会をしっているのかい?」僕は思い出して慌てて言った。
「オレハ…ヤミキョウカイノ…イチインダ。ハントをヒロゲルタメニ…ココニキタ。」ポセイドンモドキは、もう死にそうだ。
「お前が、この辺りを閉鎖しているんだろう?」ジョンが訊いた。
「オレガ…シネバ…ヘイサハ…トカレルダロウ。」最後の方は小声であまり聞き取れない。
「最後に、なんでそのポセイドンモドキなんて名前なの?」ケーが訊いた。
「ポセイドンニ…アコガレタンダ。」ポセイドンモドキは、もう答えられないようだ。
ポセイドンモドキに最後に引導を渡したのは、ジョンだった。
ポンッと音がして、そこには死んだトカゲがいた。
それと同時に、バリバリと音がして、その後に空間が軋むキインという音に耳を塞いでいたけれど、音が止むとどうやらこの建物は崩れそうになっていたので、皆慌てて脱出したのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
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