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●詩、小説●
2024-09-13 00:11:39バーチャル学校vol2 16
作 林柚希
ドワーフ族のツリー村に戻って、いよいよお別れの時が来た。
リーブスとメープルが村の側に立ち、それ以外の一同が村の出入口に立った。
「あなた方のおかげで、元の時代に戻れます。ありがとう。」リーブスが言った。
「私達だけじゃ、オークの総頭なんてうち滅ぼせなかったでしょう。ありがとう。」メープルも言った。
「君たちもいたから、できたんだよ。」僕が言った。
「私はあなた方の事はずっと忘れない。ありがとうね。」ケーが瞳を潤ませて言った。
「ケーちゃん、私達、お友達よね?」メープルが言った。
「そうだよ、友達だよ!」ケーはひとしずく、涙を落した。
「僕達も友達だよな!」リーブスもなんだか泣きそうだ。
「もちろん!」僕も涙声になってきた。
「僕達はこの冒険を生涯忘れないよ。」ワンダリング先生だ。
「私も忘れない。どうも、ありがとう。」お母さんだ。
「ずっと忘れない。君たちも、この村も。」お父さんは、穏やかに言った。
「ありがとう。」皆で言い合った。
ずっと話していたかった。もっと色んな話をしたかったな。
「さ、僕達は去ることにしよう。」ワンダリング先生が促した。
「さようなら。」皆で最後の挨拶をすると、一同は、最初に入った、学校の森の大きな木の前に、テレポートした。
そこには、白いオーブを着た魔法協会の人が、数人立っていた。
「ケー、しっかり。」僕の胸で泣いているケーを励ますように言った。
「うん、そうだね。ごめんね。」ケーが謝るなんてびっくりだ。…、でも今回の件に関しては、あたりまえなのかな。
「さ、皆さん、保存の魔法を解いてください。」お父さんだ。
「お願いします、皆さん。」ワンダリング先生も言った。
「わかりましたよ。」魔法協会の人々が呪文を唱え終わると、キィン、と空間を軋ませる音がした。すると。
(さようなら!)リーブスとメープルの心の通信だ!
(さようなら!)僕も言った。
(さようなら!メープル、リーブス。)ケーも言った。涙声だった。
キィン、と言う音がしなくなると、魔法協会の人々が「終わりましたよ。」と宣言のように厳かに言った。
ケー、僕、お父さん、お母さんは、ワンダリング先生と別れて、魔法協会の人々にテレポートで家に送ってもらったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
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バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
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バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
ドワーフ族のツリー村に戻って、いよいよお別れの時が来た。
リーブスとメープルが村の側に立ち、それ以外の一同が村の出入口に立った。
「あなた方のおかげで、元の時代に戻れます。ありがとう。」リーブスが言った。
「私達だけじゃ、オークの総頭なんてうち滅ぼせなかったでしょう。ありがとう。」メープルも言った。
「君たちもいたから、できたんだよ。」僕が言った。
「私はあなた方の事はずっと忘れない。ありがとうね。」ケーが瞳を潤ませて言った。
「ケーちゃん、私達、お友達よね?」メープルが言った。
「そうだよ、友達だよ!」ケーはひとしずく、涙を落した。
「僕達も友達だよな!」リーブスもなんだか泣きそうだ。
「もちろん!」僕も涙声になってきた。
「僕達はこの冒険を生涯忘れないよ。」ワンダリング先生だ。
「私も忘れない。どうも、ありがとう。」お母さんだ。
「ずっと忘れない。君たちも、この村も。」お父さんは、穏やかに言った。
「ありがとう。」皆で言い合った。
ずっと話していたかった。もっと色んな話をしたかったな。
「さ、僕達は去ることにしよう。」ワンダリング先生が促した。
「さようなら。」皆で最後の挨拶をすると、一同は、最初に入った、学校の森の大きな木の前に、テレポートした。
そこには、白いオーブを着た魔法協会の人が、数人立っていた。
「ケー、しっかり。」僕の胸で泣いているケーを励ますように言った。
「うん、そうだね。ごめんね。」ケーが謝るなんてびっくりだ。…、でも今回の件に関しては、あたりまえなのかな。
「さ、皆さん、保存の魔法を解いてください。」お父さんだ。
「お願いします、皆さん。」ワンダリング先生も言った。
「わかりましたよ。」魔法協会の人々が呪文を唱え終わると、キィン、と空間を軋ませる音がした。すると。
(さようなら!)リーブスとメープルの心の通信だ!
(さようなら!)僕も言った。
(さようなら!メープル、リーブス。)ケーも言った。涙声だった。
キィン、と言う音がしなくなると、魔法協会の人々が「終わりましたよ。」と宣言のように厳かに言った。
ケー、僕、お父さん、お母さんは、ワンダリング先生と別れて、魔法協会の人々にテレポートで家に送ってもらったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
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バーチャル学校vol2-06
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バーチャル学校vol2-07
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バーチャル学校vol2-08
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バーチャル学校vol2-09
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バーチャル学校vol2-10
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バーチャル学校vol2-11
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バーチャル学校vol2-12
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バーチャル学校vol2-13
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バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
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バーチャル学校vol2 15
作 林柚希
「皆さん!方角が狂っています!」メープルが叫んだ。
「なんだって!」ワンダリング先生が叫んだ。
「コンパスの針がぐるぐる廻っているんです。」メープルが信じられない思いで言ったようだった。
「コンパス、ナゾヒツヨウナカロウ。」奴の声だ。
メープルを見ていた一同は、「マエニイルゾ。」という奴の声に一斉に見た。
奴は小賢しい老人の姿をしていた。
「究極奥義!」奴はこまごまと呪文を唱えると、モクモクと煙に包まれた。
その煙が晴れると、一同、ギョッとした。
「僕だ。」「私だ。」男性陣も女性陣も一斉に言い出して、一同「えっ。」と驚いたようだ。
「いや、奴は私の姿をしているんだよ」ワンダリング先生だ。
「え?僕の姿をしていますよ。」僕が驚いて言った。
いや、私の姿、いや、僕の姿とみんな言い出して驚いている。
「ソウダ。君の姿をしているんだよ。ワハハ。」声だけしゃがれた老人のままだった。
そうか、それぞれ自分の姿をしているんだな、と僕は思った。僕には、奴の姿は僕にしか見えなかったのだった。
皆、ちらっとそれぞれを見て「奴をどうしようか?」と目くばせをしたが、いい案が浮かばない。
リーブスがあの小さな刃物の武器を投げ、僕は火球を顔面に当ててやった。
すると「ギャッ。」と僕の顔で苦悶の表情を浮かべているが平気なようだ。
「おかしい。」リーブスが言いだした。
「刃物が頭に刺さったままなんだけど、なんだか鏡に投げたみたいだよ。」リーブスが言った。
奴はギクッとしたようだ。
「大火球を投げてくれ。」お父さんが叫んだ。
僕、お父さん、お母さん、ワンダリング先生で大火球を投げつけた!
すると、ビシッと僕の姿に亀裂が入り、その欠片がバラバラと落ちていった。
「なるほど。」ケーが言った。
「奴は、四方に鏡を張ったんだね。」ケーが続けて言った。
「大丈夫。ここまできたら、絶対勝てる。私にはわかります。」ケーは自信たっぷりに言った。
「ソウ、オマエノチカラガホシカッタヨ。」奴はからくりがバレても物おじせずに言った。
「ソノ、ヨチノチカラ。ワシニクレ。」奴はケーをねめつけて言った。
「キャー。」ケーは気持ち悪そうな顔をして叫んだ。
「させるか!」僕は続けた。
「何が目的だ。言ってみろ。」僕もねめつけてやった。
「ワシラノ、ショウライのタメダ。ソイツヲヨコセ。」奴は言いのけた。
「お前なんかに絶対渡さない!」僕は、ある呪文を唱えた。
「ワシニ、カテルカナ。」ワハハと笑って奴も呪文を唱えた。
奴は、勝った!と、いう顔をしていたが途端に苦しみだした。
僕は、反射呪文を唱えていた。
奴は、オカシイ、シノジュモンヲ、トナエテ、ヤッタノニ、と言っていた。
皆、納得したようだ。
奴は自分の首を自分で絞めたのだ。
「ギャアアアアー。」奴は長く叫ぶとドサッと倒れた。
ポンッと煙が立った。そこには、凄くガリガリで歳を取ったオークの姿をしていた。
少し近づいたリーブスが、思わず言った。
「奴は、あれ?オークの総頭だ。」
「驚いた。校長はオークの頭だったの?」僕も独り言のように言った。
「ソウダ。ワシハ、オークのソウガシラダ。」ゴボッと青い血を吐いて続けた。
「ワシハ、タイコノムカシノ、オークダ。ジカンノマホウジュツヲ、エトクシテ、ゲンダイにヤッテキタ、ソンザイダ。」奴は更に続けた。
「ワシハ、トクシュナテシタガ、ホシカッタ。ダカラ、トクシュナ、ガッコウヲ、ツクッタ。」ワシハ、と続けようとしたが、ワンダリング先生がとどめを刺した。
ギャ、と短く叫んで死んでいった。
「お前の世迷言なぞ、訊きたくはない。」ワンダリング先生が重く言った。
「そうだな。」お父さんも頷いた。
「良かった。トゥルー、ありがと。」ケーはちょっと赤くなって言った。
「もう、クサいセリフ吐いて。しょうがないな。」ケーは嬉しそうだ。
「そう?クサかった?」僕も頭をかきつつ言った。
「そうだよ。もう、言わせないで。」ケーがなんだか可愛い。
「私、やっとホッとしたわ。」お母さんだ。
「やっと帰れるね、リーブス。」メープルだ。
「そうだね、メープル。」リーブスも、ホッとしたようだった。
「君たちを送ってから、保存の魔法を解いてもらうか。」ワンダリング先生も大安心したようだ。
奴の姿は消えてなくなり、僕たち一同は、テレポートでツリー村まで戻ったのだった。
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「皆さん!方角が狂っています!」メープルが叫んだ。
「なんだって!」ワンダリング先生が叫んだ。
「コンパスの針がぐるぐる廻っているんです。」メープルが信じられない思いで言ったようだった。
「コンパス、ナゾヒツヨウナカロウ。」奴の声だ。
メープルを見ていた一同は、「マエニイルゾ。」という奴の声に一斉に見た。
奴は小賢しい老人の姿をしていた。
「究極奥義!」奴はこまごまと呪文を唱えると、モクモクと煙に包まれた。
その煙が晴れると、一同、ギョッとした。
「僕だ。」「私だ。」男性陣も女性陣も一斉に言い出して、一同「えっ。」と驚いたようだ。
「いや、奴は私の姿をしているんだよ」ワンダリング先生だ。
「え?僕の姿をしていますよ。」僕が驚いて言った。
いや、私の姿、いや、僕の姿とみんな言い出して驚いている。
「ソウダ。君の姿をしているんだよ。ワハハ。」声だけしゃがれた老人のままだった。
そうか、それぞれ自分の姿をしているんだな、と僕は思った。僕には、奴の姿は僕にしか見えなかったのだった。
皆、ちらっとそれぞれを見て「奴をどうしようか?」と目くばせをしたが、いい案が浮かばない。
リーブスがあの小さな刃物の武器を投げ、僕は火球を顔面に当ててやった。
すると「ギャッ。」と僕の顔で苦悶の表情を浮かべているが平気なようだ。
「おかしい。」リーブスが言いだした。
「刃物が頭に刺さったままなんだけど、なんだか鏡に投げたみたいだよ。」リーブスが言った。
奴はギクッとしたようだ。
「大火球を投げてくれ。」お父さんが叫んだ。
僕、お父さん、お母さん、ワンダリング先生で大火球を投げつけた!
すると、ビシッと僕の姿に亀裂が入り、その欠片がバラバラと落ちていった。
「なるほど。」ケーが言った。
「奴は、四方に鏡を張ったんだね。」ケーが続けて言った。
「大丈夫。ここまできたら、絶対勝てる。私にはわかります。」ケーは自信たっぷりに言った。
「ソウ、オマエノチカラガホシカッタヨ。」奴はからくりがバレても物おじせずに言った。
「ソノ、ヨチノチカラ。ワシニクレ。」奴はケーをねめつけて言った。
「キャー。」ケーは気持ち悪そうな顔をして叫んだ。
「させるか!」僕は続けた。
「何が目的だ。言ってみろ。」僕もねめつけてやった。
「ワシラノ、ショウライのタメダ。ソイツヲヨコセ。」奴は言いのけた。
「お前なんかに絶対渡さない!」僕は、ある呪文を唱えた。
「ワシニ、カテルカナ。」ワハハと笑って奴も呪文を唱えた。
奴は、勝った!と、いう顔をしていたが途端に苦しみだした。
僕は、反射呪文を唱えていた。
奴は、オカシイ、シノジュモンヲ、トナエテ、ヤッタノニ、と言っていた。
皆、納得したようだ。
奴は自分の首を自分で絞めたのだ。
「ギャアアアアー。」奴は長く叫ぶとドサッと倒れた。
ポンッと煙が立った。そこには、凄くガリガリで歳を取ったオークの姿をしていた。
少し近づいたリーブスが、思わず言った。
「奴は、あれ?オークの総頭だ。」
「驚いた。校長はオークの頭だったの?」僕も独り言のように言った。
「ソウダ。ワシハ、オークのソウガシラダ。」ゴボッと青い血を吐いて続けた。
「ワシハ、タイコノムカシノ、オークダ。ジカンノマホウジュツヲ、エトクシテ、ゲンダイにヤッテキタ、ソンザイダ。」奴は更に続けた。
「ワシハ、トクシュナテシタガ、ホシカッタ。ダカラ、トクシュナ、ガッコウヲ、ツクッタ。」ワシハ、と続けようとしたが、ワンダリング先生がとどめを刺した。
ギャ、と短く叫んで死んでいった。
「お前の世迷言なぞ、訊きたくはない。」ワンダリング先生が重く言った。
「そうだな。」お父さんも頷いた。
「良かった。トゥルー、ありがと。」ケーはちょっと赤くなって言った。
「もう、クサいセリフ吐いて。しょうがないな。」ケーは嬉しそうだ。
「そう?クサかった?」僕も頭をかきつつ言った。
「そうだよ。もう、言わせないで。」ケーがなんだか可愛い。
「私、やっとホッとしたわ。」お母さんだ。
「やっと帰れるね、リーブス。」メープルだ。
「そうだね、メープル。」リーブスも、ホッとしたようだった。
「君たちを送ってから、保存の魔法を解いてもらうか。」ワンダリング先生も大安心したようだ。
奴の姿は消えてなくなり、僕たち一同は、テレポートでツリー村まで戻ったのだった。
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バーチャル学校vol2 14
作 林柚希
シュン、と空間全体に音がした。
「皆さん、またワープしたようです。」僕はまた驚いて皆に注意を飛ばした。
地図を見ていると、僕達の立ち位置が飛んでいるのだ。入口付近から北に進んでいたのに、西に位置していたり、今度は真東にいるのだ。特に小部屋に入ると、ワープ現象が起きるようだった。小部屋に入るときは勇気が必要だった。
小部屋のドアを開けると、リーブスは安全を確認して「大丈夫です。」と後ろに声をかけて進んだ。
「カア、カア。」大きなカラスに襲われた時もあった。その時は、リーブス、メープル、ケー以外の魔法使い達で火球の魔法で撃退した。リーブスは小さな刃物を投げつけたりしていた。それは、東方の国の武器だそうだ。
もう、小一時間経過しただろうか。
「休憩にしませんか、皆さん!」メープルが後ろに振り向いて叫んだ。
「そうしましょう!」一番後ろのワンダリング先生が前に聞こえるように叫んだ。
そこは、四方10メートルほどの見晴らしの良い場所だった。お父さんがそこを少しづつ歩き回って、罠の確認をした。
リーブスが燃えの良いマキを出して、お母さんが呪文を唱えて炎をつけた。
「時間が経つのが早いね~。」ケーは腕時計を見て言った。
リーブスとメープルがケーの腕時計を物珍しそうに見ている。
「お茶にしますよ。」お母さんとメープルとケーでお茶を配った。
「これはね、東方の国のお茶ですよ。」メープルが言いそえた。
「ありがとう。」お父さんと僕とリーブスとワンダリング先生はお礼を言った。
「いただきます。」ケーが予めクッキーを配った。クッキーは動物の形をしていた。
「地図はどうだい?トゥルー。」お父さんが質問してきた。
「ところどころ埋まって半分ほどだと思うよ、お父さん。」僕は答えた。
「まだ半分もあるの~?」ケーは根を上げたいそうだ。
「まだまだ、僕は余裕ありますよ。」ワンダリング先生だ。
「私も疲れちゃいましたよ。」メープルも帰りたそうだ。
「あら、私はやっと迷宮に慣れてきましたよ。」お母さんだ。
「僕はオークの気配を感じて緊張してて…。」リーブスは戦々恐々と言った風情だ。
「まぁなんとかなるさ。」お父さんは落ち着いている。
「奴をそのままにはできないよ!」僕は大きな声で言った。奴とは校長の事だ。
「そうだな。まぁ落ち着きなさい。」お父さんがたしなめた。
「そうだ、地図をちょっと見せなさい。」お父さんが僕に言った。
「いいけど、どうしたの、お父さん。」僕は地図を渡しながら言った。
「いいから。…、なるほど、こうなっているのか。」お父さんは続けた。
「あとほとんど真北の方角だけ真っ白じゃないか。そう言いなさい、トゥルー。」
「そうだね、お父さん。」僕は地図を返してもらうともう一度見た。
あちこちの端ばかり見ていたが、お父さんの言う真北の一角だけが真っ白だ。
「その真北の一角を目地しましょう!皆さん。」僕はハッキリそう言うと地図を順番に見せた。
了解、と一同納得したようだった。
お茶を飲み終えた後、道具を片づけて、また迷宮探索に出たのだった。
真北にいる校長に向かって。
それから30分後。
「ぎゃー!あんなにいる!。」やっと最後の一角にたどり着いたと思ったら、オークが50人はいるんじゃないかという大群が後ろを追いかけてきた。
「どうしよう。」女性陣は皆、怖がって足がすくんでいるみたいだ。
僕とお父さんも正直なんの魔法を言ったらいいか、わからない。頭が空回りするばかりだ。
「僕に任せて。」ワンダリング先生だ。
先生は、ばっと両腕を振り上げると、こう唱えた。「十戒!」
すると、左右に地面がごごごごと地鳴りとともに割れて、亀裂を作った。オークはそこに皆落っこちていったようだった。
「すごーい!」僕は思わずパチパチと拍手してしまった。
「すごいですね、ワンダリングさん。」リーブスが言った。
「先生、凄いね!」ケーも凄く驚いている。
「あなた、大丈夫ですの?」お母さんは、目をつぶっていたので、現状をまだ見ていない。
「大丈夫だよ、ワンダリング君が凄い魔法をかけたよ。」お父さんが優しく言った。
「僕の究極魔法の1つだよ。」ワンダリング先生は凄く誇らしげだ。
「凄いですね。」メープルも目をまん丸にしている。
僕は、思わずどんな魔法なら今使えるだろうかと、今まで勉強してきた魔法に思いをめぐ
らした。
「リーブス、メープル。聞いてほしいことがあるんだ。」ワンダリング先生だ。
「君達ドワーフ族の将来なんだけどね。」ワンダリング先生は続けた。
「聞いちゃいけないんですよね。」リーブスが答えた。
「わかってます。」メープルも言った。
「いや、やはり伝えようと思ってね。」ワンダリング先生は優しく言った。
「僕達の世界では、ドワーフ族はいないんだ。」一生懸命考えながら、先生は言う。
「伝承では、オークに滅ぼされたとあるんだよ。」先生は思い出しながら言っている。
「そんな…。」メープルが青ざめて言った。
「だけどね、今オークを滅ぼしちゃったんじゃないかな、僕が。」先生はエヘン、と咳をすると元気づけるように言った。
「恐らく歴史は変わってしまったように思うんだ。」更に先生は続けた。
「だから、この一件が片付いたら、皆頑張って生き抜いてほしい。」先生が言った。
「僕達、未来の人間の願いだよ。」お父さんだ。
「僕達、また会えたらいいな。」僕は希望を言った。
「…、そうですね。」メープルは嬉しそうに言った。
「僕達、元の世界に戻ったら、頑張ります。」リーブスが拳に力を込めて言った。
その時。
「ワハハハハハ。ヨクゾヤッタナ。ミトメヨウ。ハイッテキナサイ。」奴だ。
また皆に緊張が走る。
ドドド、と音がしたので、皆キョロキョロしていると、後ろの壁の一角が下がって、入口になった。
「入ってみるか。」お父さんはマイペースだな。
「行くぞ。」僕は気合を入れた。
皆、それぞれ気持ちの入れ直しをすると、その入口の確認をお父さんがして、安全を確認した上で入って行ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
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バーチャル学校vol2-15
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バーチャル学校vol2-16
シュン、と空間全体に音がした。
「皆さん、またワープしたようです。」僕はまた驚いて皆に注意を飛ばした。
地図を見ていると、僕達の立ち位置が飛んでいるのだ。入口付近から北に進んでいたのに、西に位置していたり、今度は真東にいるのだ。特に小部屋に入ると、ワープ現象が起きるようだった。小部屋に入るときは勇気が必要だった。
小部屋のドアを開けると、リーブスは安全を確認して「大丈夫です。」と後ろに声をかけて進んだ。
「カア、カア。」大きなカラスに襲われた時もあった。その時は、リーブス、メープル、ケー以外の魔法使い達で火球の魔法で撃退した。リーブスは小さな刃物を投げつけたりしていた。それは、東方の国の武器だそうだ。
もう、小一時間経過しただろうか。
「休憩にしませんか、皆さん!」メープルが後ろに振り向いて叫んだ。
「そうしましょう!」一番後ろのワンダリング先生が前に聞こえるように叫んだ。
そこは、四方10メートルほどの見晴らしの良い場所だった。お父さんがそこを少しづつ歩き回って、罠の確認をした。
リーブスが燃えの良いマキを出して、お母さんが呪文を唱えて炎をつけた。
「時間が経つのが早いね~。」ケーは腕時計を見て言った。
リーブスとメープルがケーの腕時計を物珍しそうに見ている。
「お茶にしますよ。」お母さんとメープルとケーでお茶を配った。
「これはね、東方の国のお茶ですよ。」メープルが言いそえた。
「ありがとう。」お父さんと僕とリーブスとワンダリング先生はお礼を言った。
「いただきます。」ケーが予めクッキーを配った。クッキーは動物の形をしていた。
「地図はどうだい?トゥルー。」お父さんが質問してきた。
「ところどころ埋まって半分ほどだと思うよ、お父さん。」僕は答えた。
「まだ半分もあるの~?」ケーは根を上げたいそうだ。
「まだまだ、僕は余裕ありますよ。」ワンダリング先生だ。
「私も疲れちゃいましたよ。」メープルも帰りたそうだ。
「あら、私はやっと迷宮に慣れてきましたよ。」お母さんだ。
「僕はオークの気配を感じて緊張してて…。」リーブスは戦々恐々と言った風情だ。
「まぁなんとかなるさ。」お父さんは落ち着いている。
「奴をそのままにはできないよ!」僕は大きな声で言った。奴とは校長の事だ。
「そうだな。まぁ落ち着きなさい。」お父さんがたしなめた。
「そうだ、地図をちょっと見せなさい。」お父さんが僕に言った。
「いいけど、どうしたの、お父さん。」僕は地図を渡しながら言った。
「いいから。…、なるほど、こうなっているのか。」お父さんは続けた。
「あとほとんど真北の方角だけ真っ白じゃないか。そう言いなさい、トゥルー。」
「そうだね、お父さん。」僕は地図を返してもらうともう一度見た。
あちこちの端ばかり見ていたが、お父さんの言う真北の一角だけが真っ白だ。
「その真北の一角を目地しましょう!皆さん。」僕はハッキリそう言うと地図を順番に見せた。
了解、と一同納得したようだった。
お茶を飲み終えた後、道具を片づけて、また迷宮探索に出たのだった。
真北にいる校長に向かって。
それから30分後。
「ぎゃー!あんなにいる!。」やっと最後の一角にたどり着いたと思ったら、オークが50人はいるんじゃないかという大群が後ろを追いかけてきた。
「どうしよう。」女性陣は皆、怖がって足がすくんでいるみたいだ。
僕とお父さんも正直なんの魔法を言ったらいいか、わからない。頭が空回りするばかりだ。
「僕に任せて。」ワンダリング先生だ。
先生は、ばっと両腕を振り上げると、こう唱えた。「十戒!」
すると、左右に地面がごごごごと地鳴りとともに割れて、亀裂を作った。オークはそこに皆落っこちていったようだった。
「すごーい!」僕は思わずパチパチと拍手してしまった。
「すごいですね、ワンダリングさん。」リーブスが言った。
「先生、凄いね!」ケーも凄く驚いている。
「あなた、大丈夫ですの?」お母さんは、目をつぶっていたので、現状をまだ見ていない。
「大丈夫だよ、ワンダリング君が凄い魔法をかけたよ。」お父さんが優しく言った。
「僕の究極魔法の1つだよ。」ワンダリング先生は凄く誇らしげだ。
「凄いですね。」メープルも目をまん丸にしている。
僕は、思わずどんな魔法なら今使えるだろうかと、今まで勉強してきた魔法に思いをめぐ
らした。
「リーブス、メープル。聞いてほしいことがあるんだ。」ワンダリング先生だ。
「君達ドワーフ族の将来なんだけどね。」ワンダリング先生は続けた。
「聞いちゃいけないんですよね。」リーブスが答えた。
「わかってます。」メープルも言った。
「いや、やはり伝えようと思ってね。」ワンダリング先生は優しく言った。
「僕達の世界では、ドワーフ族はいないんだ。」一生懸命考えながら、先生は言う。
「伝承では、オークに滅ぼされたとあるんだよ。」先生は思い出しながら言っている。
「そんな…。」メープルが青ざめて言った。
「だけどね、今オークを滅ぼしちゃったんじゃないかな、僕が。」先生はエヘン、と咳をすると元気づけるように言った。
「恐らく歴史は変わってしまったように思うんだ。」更に先生は続けた。
「だから、この一件が片付いたら、皆頑張って生き抜いてほしい。」先生が言った。
「僕達、未来の人間の願いだよ。」お父さんだ。
「僕達、また会えたらいいな。」僕は希望を言った。
「…、そうですね。」メープルは嬉しそうに言った。
「僕達、元の世界に戻ったら、頑張ります。」リーブスが拳に力を込めて言った。
その時。
「ワハハハハハ。ヨクゾヤッタナ。ミトメヨウ。ハイッテキナサイ。」奴だ。
また皆に緊張が走る。
ドドド、と音がしたので、皆キョロキョロしていると、後ろの壁の一角が下がって、入口になった。
「入ってみるか。」お父さんはマイペースだな。
「行くぞ。」僕は気合を入れた。
皆、それぞれ気持ちの入れ直しをすると、その入口の確認をお父さんがして、安全を確認した上で入って行ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
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バーチャル学校vol2-02
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バーチャル学校vol2-03
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バーチャル学校vol2-10
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バーチャル学校vol2-14
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バーチャル学校vol2-15
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バーチャル学校vol2-16
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バーチャル学校vol2 13
作 林柚希
地図は、結局一人一つ持つようにした。万が一のためだ。
昼ご飯を一同でごちそうになり、その後、村のはずれから、以前に僕とケー、リーブス、メープルで出発した地点から、皆で地底迷宮探検に出ることにした。
しんがりは、リーブス。とメープル。次に僕とケー。その後がお父さんとお母さん。最後にワンダリング先生の順にすることにした。光源をそれぞれ出して、出発。
そして、まず東西に伸びる道のT字路にさしかかった。以前は右(東)に出ると先は崩落現場に出くわしたのだった。まず、そこまで行ってみることにした。崩落現場につくと、なんと板とロープで階段が設けられており、右の壁の穴から川の向こう側へ通ることに成功した。
「リーブス。ここ結構大変だったでしょ。」僕が感心して言った。
「そうだね。村人総出だったからできたよ。」リーブスも嬉しそうだ。
「先へ急ぎましょ。」お母さんだ。
川の向こう側へ全員渡ったところで、一度焚火を設けて、それぞれ地図を見入った。
地図では、北へ道が続いており、もう一度分岐点に差し掛かるようだった。Y字路のようだが、右へ行くと迷宮、左へ行くと、洞窟の出入口のようだった。
お母さんから、今朝焼きたてのマフィンを配って、皆で食べた。小腹が満ちた所でまた出発した。
Y字路だ。迷わず右へ進んだ。そして数分洞窟を進むといきなり広い場所へ出た。
いよいよ迷宮の入口だ。僕はごくっと唾を飲み込んだ。
しんがりのリーブスとメープルが一歩、進もうとしたら笑い声が聞こえてきた。
「ワハハハハ。ヨウコソ、地下迷宮ヘ。ドウゾ、ハイッテクレ。」皆に緊張が走った。
校長だ。絶対そうだ、と僕は思った。
「言われなくても、入るさ!」僕は叫んだ。皆、そうだそうだと言った。
すると、ギィ、という音ととも地下迷宮の入口が開いた。
「ケー大丈夫?」僕は隣にいるケーに小声で訊いた。
「うん、大丈夫。これだけいるんだもん、元気だよ!」ケーは案外落ち着いているようだ。
お父さんも後ろでお母さんと話しているようだ。
一番後ろのワンダリング先生が「先を急いでくれ!」と言ってきた。
「わかりました。」しんがりのリーブスがくるっと後ろを向いて応えた。
入口の門をくぐると、そこは正四角形の大きなタイルを敷いている、迷宮のようだった。
お父さんは、止まってくれ、と言うとみんなで集まり輪を作った。お母さんが羊皮紙を出して、お父さんが呪文を唱えた。すると迷宮の入口が手書きで書かれたかのように写し出された!自動マッピング機能だ。自動マッピングとは、移動した分だけ、自動的に地図に迷宮の内容が、写し出される機能の事だった。
「メープルちゃん、君はコンパスを見ながら歩いてくれるかい?」ワンダリング先生が言った。
「はい、わかりました。…、えとコンパスどこだったかしら?」メープルは、リュックに手を突っ込んで、コンパスを出した。
「トゥルー、この地図を持っていてくれ。」お父さんから、この自動マッピングする地図を渡された。
「何かあったら皆に教えてくれ。」お父さんは続けて言った。
「わかったよ。お父さん。これ凄いね。」僕は感心して言った。
「いやなに。これくらい、どうってことないよ。」父さんは照れているようだ。
「あなた、先を急ぎましょ。」お母さんだ。
「ちょっと待ってくれ。あとな、トゥルー、なるべく周りを見てくれ。そうすると4メートル先くらいまで見た先は自動マッピングされるから。」お父さんは付け加えて言った。
「了解、お父さん。」僕は早速四方を見た。
すると、入口の四方が自動マッピングされた。
「便利だけど、いちいち見るの大変かも。」僕は感想を言ってしまった。
「あなた、私がもう少し魔法をかけなおすわね。」お母さんは地図に呪文を唱えた。
「トゥルー、ちょっと2歩ほど歩いてみてくれる?でも、四方を見なくていいから。」
「わかった」僕一人だけ、2歩、歩いて地図を見た。
「なるほど、前だけ見ていても、四方が自動マッピングされるね。」僕は2歩正確に戻って皆に見せた。
「便利ねー。」メープルが感心して言った。
「先輩、あとこれ持ってもらえますか?」ワンダリング先生が水晶をお父さんに渡した。
「水晶にしては軽いな。」お父さんは感想をもらした。
「軽量化の魔法をかけてありますから。」ワンダリング先生はちょっと自慢げに言った。
「その水晶には罠などの仕掛けが表示されるようにしてあります。ただ持っている者の周辺4メートルまでしかわかりませんが。」ワンダリング先生が言った。すごいな、ワンダリング先生も、と僕は思った。
「お。早速だがまっすぐ進んだ方がよさそうだ。周囲は落ちる罠があるようだぞ。」お父さんの注意が飛んだ。お母さんが小石をそっと拾って、近くの左右に投げてみた。なんと、その小石と一緒にタイルが外れて落ちてしまった。
「ほんとだー。」僕は驚いた。早速自動マッピングで、罠も写されたように表示された。
「びっくりだね。」ケーも、それから皆も驚いたようだった。
一同、迷宮に入るまでの隊列を組むと、少しづつ進んでいったのだった。
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しんがりは、リーブス。とメープル。次に僕とケー。その後がお父さんとお母さん。最後にワンダリング先生の順にすることにした。光源をそれぞれ出して、出発。
そして、まず東西に伸びる道のT字路にさしかかった。以前は右(東)に出ると先は崩落現場に出くわしたのだった。まず、そこまで行ってみることにした。崩落現場につくと、なんと板とロープで階段が設けられており、右の壁の穴から川の向こう側へ通ることに成功した。
「リーブス。ここ結構大変だったでしょ。」僕が感心して言った。
「そうだね。村人総出だったからできたよ。」リーブスも嬉しそうだ。
「先へ急ぎましょ。」お母さんだ。
川の向こう側へ全員渡ったところで、一度焚火を設けて、それぞれ地図を見入った。
地図では、北へ道が続いており、もう一度分岐点に差し掛かるようだった。Y字路のようだが、右へ行くと迷宮、左へ行くと、洞窟の出入口のようだった。
お母さんから、今朝焼きたてのマフィンを配って、皆で食べた。小腹が満ちた所でまた出発した。
Y字路だ。迷わず右へ進んだ。そして数分洞窟を進むといきなり広い場所へ出た。
いよいよ迷宮の入口だ。僕はごくっと唾を飲み込んだ。
しんがりのリーブスとメープルが一歩、進もうとしたら笑い声が聞こえてきた。
「ワハハハハ。ヨウコソ、地下迷宮ヘ。ドウゾ、ハイッテクレ。」皆に緊張が走った。
校長だ。絶対そうだ、と僕は思った。
「言われなくても、入るさ!」僕は叫んだ。皆、そうだそうだと言った。
すると、ギィ、という音ととも地下迷宮の入口が開いた。
「ケー大丈夫?」僕は隣にいるケーに小声で訊いた。
「うん、大丈夫。これだけいるんだもん、元気だよ!」ケーは案外落ち着いているようだ。
お父さんも後ろでお母さんと話しているようだ。
一番後ろのワンダリング先生が「先を急いでくれ!」と言ってきた。
「わかりました。」しんがりのリーブスがくるっと後ろを向いて応えた。
入口の門をくぐると、そこは正四角形の大きなタイルを敷いている、迷宮のようだった。
お父さんは、止まってくれ、と言うとみんなで集まり輪を作った。お母さんが羊皮紙を出して、お父さんが呪文を唱えた。すると迷宮の入口が手書きで書かれたかのように写し出された!自動マッピング機能だ。自動マッピングとは、移動した分だけ、自動的に地図に迷宮の内容が、写し出される機能の事だった。
「メープルちゃん、君はコンパスを見ながら歩いてくれるかい?」ワンダリング先生が言った。
「はい、わかりました。…、えとコンパスどこだったかしら?」メープルは、リュックに手を突っ込んで、コンパスを出した。
「トゥルー、この地図を持っていてくれ。」お父さんから、この自動マッピングする地図を渡された。
「何かあったら皆に教えてくれ。」お父さんは続けて言った。
「わかったよ。お父さん。これ凄いね。」僕は感心して言った。
「いやなに。これくらい、どうってことないよ。」父さんは照れているようだ。
「あなた、先を急ぎましょ。」お母さんだ。
「ちょっと待ってくれ。あとな、トゥルー、なるべく周りを見てくれ。そうすると4メートル先くらいまで見た先は自動マッピングされるから。」お父さんは付け加えて言った。
「了解、お父さん。」僕は早速四方を見た。
すると、入口の四方が自動マッピングされた。
「便利だけど、いちいち見るの大変かも。」僕は感想を言ってしまった。
「あなた、私がもう少し魔法をかけなおすわね。」お母さんは地図に呪文を唱えた。
「トゥルー、ちょっと2歩ほど歩いてみてくれる?でも、四方を見なくていいから。」
「わかった」僕一人だけ、2歩、歩いて地図を見た。
「なるほど、前だけ見ていても、四方が自動マッピングされるね。」僕は2歩正確に戻って皆に見せた。
「便利ねー。」メープルが感心して言った。
「先輩、あとこれ持ってもらえますか?」ワンダリング先生が水晶をお父さんに渡した。
「水晶にしては軽いな。」お父さんは感想をもらした。
「軽量化の魔法をかけてありますから。」ワンダリング先生はちょっと自慢げに言った。
「その水晶には罠などの仕掛けが表示されるようにしてあります。ただ持っている者の周辺4メートルまでしかわかりませんが。」ワンダリング先生が言った。すごいな、ワンダリング先生も、と僕は思った。
「お。早速だがまっすぐ進んだ方がよさそうだ。周囲は落ちる罠があるようだぞ。」お父さんの注意が飛んだ。お母さんが小石をそっと拾って、近くの左右に投げてみた。なんと、その小石と一緒にタイルが外れて落ちてしまった。
「ほんとだー。」僕は驚いた。早速自動マッピングで、罠も写されたように表示された。
「びっくりだね。」ケーも、それから皆も驚いたようだった。
一同、迷宮に入るまでの隊列を組むと、少しづつ進んでいったのだった。
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バーチャル学校vol2 12
作 林柚希
日曜日の朝だ。昨日、ワンダリング先生から、会議の終わった後、「これ、役に立つよ。」と渡された本は『上級魔法使いへの道』と書かれたものだった。
急いで読んだけれど、その後爆睡していて身についたかどうかよくわからない。
「おはよー。」ケーだ。可愛いパジャマ姿だ。
「おはよう。」僕はちょっと目を瞠って、でもちょっと恥ずかしくなって目を伏せた。
「朝ごはん何かなぁ。」ケーはお腹が空いているようで、僕の思惑など考えていないようだ。
「うちはいつもトーストだけど。ケーがいるから、お母さんは頑張るかもね。」僕は考えながら言った。
「そうなんだ。楽しみだね。」ニッコリ笑って、ケーは言った。
「ケーちゃん、トゥルー、ご飯にするわよ!」お母さんだ。
「はーい。」2人で返事すると、それぞれ着替えに戻った。」
さて、食事の後、僕とケーは紅茶を、お母さんはハーブティー、お父さんはコーヒーを飲みながら、思い思いにくつろいでいた。
ケーによると、ワンダリング先生から予知に関する本をまた渡されたそうだ。僕も本を渡された話をすると、興味深げに聞いていた。
それから、探検に必要な道具などの話をひとしきり話して、それぞれ部屋に戻り地下探検の準備に入った。
皆で学校のグラウンドの先の、森の出入口へテレポートしたら、ワンダリング先生が待っていた。
「おはよう。皆さん。」ワンダリング先生が片手をあげて言った。
「おはようございます。」これは、僕とケー。
「おはよう。」これはお父さんだ。
「おはよう。いい日よりですね。」これはお母さん。僕は、なんだか遠足気分だなぁと、思った。
「じゃ、行きましょうか。」ワンダリング先生が言った。
「トゥルーにケーちゃん。案内してくれ。」お父さんが言った。
「あなた、大丈夫かしらねぇ?」お母さんはちょっと不安になったのだろうか。
「大丈夫ですよ、トゥルーのお母さん。」お父さんが返事する前にケーが言った。
「大丈夫さ。」お父さんはゆっくりと言った。何か別のことも考えているようだと、僕は思った。
歩き出して、しばらくすると、僕とケーが落ちた大きな木に行き当たった。
「あ、あった。」僕が言った。
「トゥルー、ここだよね。」ケーが言った。
「そうだね。行こう、皆。」僕が言った。
そして、木をぐるっと回って虚を見つけるとロープを出して、虚の中に皆降りて行った。
そして、それぞれ光源を点けると、僕とケーが先頭に立ち、お父さんとお母さんが中、最後尾にワンダリング先生が立つ形で歩き出した。
「あ、そうそう。」ワンダリング先生が後ろから声をかけてきた。
「保存の呪文は、もうかけ終えたそうです。」
「そうか。」お父さんが短く答えた。
「奴を存分にぶちのめそう!」僕がしんがりになって叫ぶと、皆「おう!」と答えた。
意気揚々と歩いた。
しばらく進むと、あの、ドワーフ族のツリー村に到着した。
(リーブス、メープル。)僕が心の通信を開始した。
お父さんとお母さん、ワンダリング先生は魔法陣を張った。
(トゥルー!)リーブスが応えた。
(来たね。迎えに行くから村の入口で待っててね。)メープルだ。
「すごいわね~」これはお母さんだ。
「不思議なことに、光源があるんですね~。」ワンダリング先生が感心して言った。
「不思議な場所だね。」お父さんも興味深げに見ているようだ。
そして、待っている間に村の入り口にリーブスとメープルに会って、僕とケーで再会を喜び合った。それから、ワンダリング先生にリーブスとメープルを紹介した。
その後。ツリー村の巨木にある中くらいのサイズの家に皆を招いてもらって、テーブルを囲み会議を始めた。
「地下探検の会議を始めたいと思います。」ごほん、と咳を一つしてワンダリング先生が言った。
「まず、地下探検の情報が一つでもほしいです。リーブス君。」お父さんが言った。
「なんですか?」リーブスは一応用意してあるものがテーブルに載っている。
「この地下迷宮の地図があるってトゥルーから訊いたんだけどね。あるかい?」お父さんがわかっているが一応訊いた。
「はい。皆さんと別れた後、村人総出で会議を開き、地下探検はある程度しました。これがそうです。」と言って、テーブルの中央に地図を広げた。
地図には、僕とケー、リーブス、メープルと探検した地図に、もう少し書き加えてあった。
皆で覗くと北東の辿りつけなかった、もう一つの洞窟出入口に差し掛かる分岐点のもう一つの道、迷宮への道の周辺が書かれていた!
「…、だけど。」ケーが言いかけたけど、そうなんだよ。僕もそう思った。迷宮の中が真っ白だった。
「迷宮はさすがに行けませんでしたか?」お母さんが言った。
「そうだなんですよ。迷宮の出入り口にはオークが控えていまして。私達じゃ近づくことも出来なかったんです。」メープルがすまなそうに言った。
「それじゃ、仕方ないですよ。」ワンダリング先生が言った。
「トゥルーから訊いたんだけど、この村はお金か物々交換なんだってね。」お父さんが言った。
「この地図はどう物々交換するかい?」お父さんが続けて言った。
「いや、この地図のコピーは必要枚数、皆さんに差し上げます。」リーブスは言った。
「迷宮とオーク族が無くなるのであれば、これくらい当然ですよ。」リーブスは嬉しそうに言った。
「それから、迷宮に関する情報は何かあるかい?」ワンダリング先生が言った。
「いや、それが全くわからなくて。」またもやリーブスはすまなそうに答えた。
「迷宮は出入口が1つしかないのです。」メープルが言った。
「だから覗き込むようなことはできなかったのね?」お母さんだ。
「そうなんです。もっと情報を集められればよかったのですけれどね。」メープルが言った。
「わかりました。」ワンダリング先生は、仕方なさそうに言った。
「では、こちら側が知っている情報を整理しようと思います。」ワンダリング先生は、特にリーブスとメープルに聞いてほしいと続けた。
「まず、僕たちの世界と君たちの地底世界は時間と言うか時代がそもそも違います。」ワンダリング先生は2人を心配しながら言った。
「えっ!?」リーブスとメープルは同時に驚いた。
「どういうことですか?」リーブスが訊いた。
「この地底の上の世界にある、学校の校長の仲間が、時間の魔法をかけたのですよ。」ワンダリング先生は苦々しく言った。
「時間の魔法、ですか。」メープルは驚き過ぎて口に手を当てている。
「そうです。…、つまり僕たちの世界は、あなた方地底世界の未来にあたります。」ワンダリング先生は言いづらそうに言った。
「君達は未来の人なのかい?」リーブスも驚きを隠せないようだ。
「そうだよ。でも君達は、未来の話を訊かないでほしいんだ。」ワンダリング先生は言った。
「どうしてですか?知りたいじゃないですか。」メープルは当然のように言った。
「私たちが今後どうなるか、知っちゃいけないんですか?」メープルはちょっと怒りたいようだ。
「個人的な未来ならいいんだよ、訊いても。だけど、種族の未来の話は…。」ワンダリング先生もさすがに言葉を濁していた。
「僕達の種族の未来…。」リーブスは悪い予感がするのか、顔を渋面にしている。
「話はここまで。…君達にはすまないね。情報提供してもらっているのに。」お父さんが、話を切り上げるように、それでも優しく言った。
「はい。…、いえ、私達も協力してもらっている身ですから。そうだよね?リーブス。」メープルが苦しそうに言った。
「…、そうだね。メープル。」リーブスも仕方なさそうに言った。
「さて、他に情報提供できる存在はいますか?」周りの空気を払拭するように、ワンダリング先生が言った。
「いえ、僕達からはもうないです。」リーブスが答えた。
「僕達の側もない。そうですよね、先輩。」ワンダリング先生も言った。
「そうだね、今のところない、かな。」お父さんも頷いた。
「じゃ、これで、会議を終了したいと思います。」ワンダリング先生が言った。
この後、それぞれにお茶を提供してもらい、あたたかな会話になった。
正直、僕はホッとした。彼らの将来は言えなかった。
そして、地底迷宮探検の準備をしたのだった。
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日曜日の朝だ。昨日、ワンダリング先生から、会議の終わった後、「これ、役に立つよ。」と渡された本は『上級魔法使いへの道』と書かれたものだった。
急いで読んだけれど、その後爆睡していて身についたかどうかよくわからない。
「おはよー。」ケーだ。可愛いパジャマ姿だ。
「おはよう。」僕はちょっと目を瞠って、でもちょっと恥ずかしくなって目を伏せた。
「朝ごはん何かなぁ。」ケーはお腹が空いているようで、僕の思惑など考えていないようだ。
「うちはいつもトーストだけど。ケーがいるから、お母さんは頑張るかもね。」僕は考えながら言った。
「そうなんだ。楽しみだね。」ニッコリ笑って、ケーは言った。
「ケーちゃん、トゥルー、ご飯にするわよ!」お母さんだ。
「はーい。」2人で返事すると、それぞれ着替えに戻った。」
さて、食事の後、僕とケーは紅茶を、お母さんはハーブティー、お父さんはコーヒーを飲みながら、思い思いにくつろいでいた。
ケーによると、ワンダリング先生から予知に関する本をまた渡されたそうだ。僕も本を渡された話をすると、興味深げに聞いていた。
それから、探検に必要な道具などの話をひとしきり話して、それぞれ部屋に戻り地下探検の準備に入った。
皆で学校のグラウンドの先の、森の出入口へテレポートしたら、ワンダリング先生が待っていた。
「おはよう。皆さん。」ワンダリング先生が片手をあげて言った。
「おはようございます。」これは、僕とケー。
「おはよう。」これはお父さんだ。
「おはよう。いい日よりですね。」これはお母さん。僕は、なんだか遠足気分だなぁと、思った。
「じゃ、行きましょうか。」ワンダリング先生が言った。
「トゥルーにケーちゃん。案内してくれ。」お父さんが言った。
「あなた、大丈夫かしらねぇ?」お母さんはちょっと不安になったのだろうか。
「大丈夫ですよ、トゥルーのお母さん。」お父さんが返事する前にケーが言った。
「大丈夫さ。」お父さんはゆっくりと言った。何か別のことも考えているようだと、僕は思った。
歩き出して、しばらくすると、僕とケーが落ちた大きな木に行き当たった。
「あ、あった。」僕が言った。
「トゥルー、ここだよね。」ケーが言った。
「そうだね。行こう、皆。」僕が言った。
そして、木をぐるっと回って虚を見つけるとロープを出して、虚の中に皆降りて行った。
そして、それぞれ光源を点けると、僕とケーが先頭に立ち、お父さんとお母さんが中、最後尾にワンダリング先生が立つ形で歩き出した。
「あ、そうそう。」ワンダリング先生が後ろから声をかけてきた。
「保存の呪文は、もうかけ終えたそうです。」
「そうか。」お父さんが短く答えた。
「奴を存分にぶちのめそう!」僕がしんがりになって叫ぶと、皆「おう!」と答えた。
意気揚々と歩いた。
しばらく進むと、あの、ドワーフ族のツリー村に到着した。
(リーブス、メープル。)僕が心の通信を開始した。
お父さんとお母さん、ワンダリング先生は魔法陣を張った。
(トゥルー!)リーブスが応えた。
(来たね。迎えに行くから村の入口で待っててね。)メープルだ。
「すごいわね~」これはお母さんだ。
「不思議なことに、光源があるんですね~。」ワンダリング先生が感心して言った。
「不思議な場所だね。」お父さんも興味深げに見ているようだ。
そして、待っている間に村の入り口にリーブスとメープルに会って、僕とケーで再会を喜び合った。それから、ワンダリング先生にリーブスとメープルを紹介した。
その後。ツリー村の巨木にある中くらいのサイズの家に皆を招いてもらって、テーブルを囲み会議を始めた。
「地下探検の会議を始めたいと思います。」ごほん、と咳を一つしてワンダリング先生が言った。
「まず、地下探検の情報が一つでもほしいです。リーブス君。」お父さんが言った。
「なんですか?」リーブスは一応用意してあるものがテーブルに載っている。
「この地下迷宮の地図があるってトゥルーから訊いたんだけどね。あるかい?」お父さんがわかっているが一応訊いた。
「はい。皆さんと別れた後、村人総出で会議を開き、地下探検はある程度しました。これがそうです。」と言って、テーブルの中央に地図を広げた。
地図には、僕とケー、リーブス、メープルと探検した地図に、もう少し書き加えてあった。
皆で覗くと北東の辿りつけなかった、もう一つの洞窟出入口に差し掛かる分岐点のもう一つの道、迷宮への道の周辺が書かれていた!
「…、だけど。」ケーが言いかけたけど、そうなんだよ。僕もそう思った。迷宮の中が真っ白だった。
「迷宮はさすがに行けませんでしたか?」お母さんが言った。
「そうだなんですよ。迷宮の出入り口にはオークが控えていまして。私達じゃ近づくことも出来なかったんです。」メープルがすまなそうに言った。
「それじゃ、仕方ないですよ。」ワンダリング先生が言った。
「トゥルーから訊いたんだけど、この村はお金か物々交換なんだってね。」お父さんが言った。
「この地図はどう物々交換するかい?」お父さんが続けて言った。
「いや、この地図のコピーは必要枚数、皆さんに差し上げます。」リーブスは言った。
「迷宮とオーク族が無くなるのであれば、これくらい当然ですよ。」リーブスは嬉しそうに言った。
「それから、迷宮に関する情報は何かあるかい?」ワンダリング先生が言った。
「いや、それが全くわからなくて。」またもやリーブスはすまなそうに答えた。
「迷宮は出入口が1つしかないのです。」メープルが言った。
「だから覗き込むようなことはできなかったのね?」お母さんだ。
「そうなんです。もっと情報を集められればよかったのですけれどね。」メープルが言った。
「わかりました。」ワンダリング先生は、仕方なさそうに言った。
「では、こちら側が知っている情報を整理しようと思います。」ワンダリング先生は、特にリーブスとメープルに聞いてほしいと続けた。
「まず、僕たちの世界と君たちの地底世界は時間と言うか時代がそもそも違います。」ワンダリング先生は2人を心配しながら言った。
「えっ!?」リーブスとメープルは同時に驚いた。
「どういうことですか?」リーブスが訊いた。
「この地底の上の世界にある、学校の校長の仲間が、時間の魔法をかけたのですよ。」ワンダリング先生は苦々しく言った。
「時間の魔法、ですか。」メープルは驚き過ぎて口に手を当てている。
「そうです。…、つまり僕たちの世界は、あなた方地底世界の未来にあたります。」ワンダリング先生は言いづらそうに言った。
「君達は未来の人なのかい?」リーブスも驚きを隠せないようだ。
「そうだよ。でも君達は、未来の話を訊かないでほしいんだ。」ワンダリング先生は言った。
「どうしてですか?知りたいじゃないですか。」メープルは当然のように言った。
「私たちが今後どうなるか、知っちゃいけないんですか?」メープルはちょっと怒りたいようだ。
「個人的な未来ならいいんだよ、訊いても。だけど、種族の未来の話は…。」ワンダリング先生もさすがに言葉を濁していた。
「僕達の種族の未来…。」リーブスは悪い予感がするのか、顔を渋面にしている。
「話はここまで。…君達にはすまないね。情報提供してもらっているのに。」お父さんが、話を切り上げるように、それでも優しく言った。
「はい。…、いえ、私達も協力してもらっている身ですから。そうだよね?リーブス。」メープルが苦しそうに言った。
「…、そうだね。メープル。」リーブスも仕方なさそうに言った。
「さて、他に情報提供できる存在はいますか?」周りの空気を払拭するように、ワンダリング先生が言った。
「いえ、僕達からはもうないです。」リーブスが答えた。
「僕達の側もない。そうですよね、先輩。」ワンダリング先生も言った。
「そうだね、今のところない、かな。」お父さんも頷いた。
「じゃ、これで、会議を終了したいと思います。」ワンダリング先生が言った。
この後、それぞれにお茶を提供してもらい、あたたかな会話になった。
正直、僕はホッとした。彼らの将来は言えなかった。
そして、地底迷宮探検の準備をしたのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
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バーチャル学校vol2-06
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バーチャル学校vol2-10
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バーチャル学校vol2-14
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バーチャル学校vol2-15
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バーチャル学校vol2-16
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バーチャル学校vol2 11
作 林柚希
さて、トゥルーの家にて。
夕方過ぎになり、お父さんが帰ってきて、僕はさっきの『ケー誘拐未遂事件』をお母さんとケーを交えて話した。お父さんはかなり驚いていたけれど、傍らにケーがいることもあり、落ち着いて僕の話を聞いていた。そして、ワンダリング先生に連絡をして、お母さんから同じように事件の件を話すとすぐに行きます、と答えたそうだ。
夕飯は、僕、お父さんとお母さん、ケー、ワンダリング先生で一緒に摂ることにした。
その後、リビングでそれぞれくつろぎながら、僕から話し出した。もちろん、魔法陣を予め張って。もうケーをあんな目にあわせたくなかったのは、みんな一緒だ。
「ケーはもう大丈夫かい?」ちらっとケーを見る。
「もう大丈夫だって!」元気に、尻尾をフリフリしながら言った。もう、普段のケーだ。
「校長の話をしたいのだけどいいかい、皆?」お父さんだ。皆オッケーを出した。
「奴は宣戦布告してきた。そうだね、トゥルー。」お父さんが厳しい眼差しで言った。
「そうだよ。地下迷宮に来い、って言っていたよ、奴は。」僕は苦々しく言った。
「あなた。…ケーちゃんはこの際しばらく我が家にいてもらったらどうかしら?」心配した声音でお母さんは言った。
「私は、足手まといですか?」ケーはお母さんを見て言った。
「違うのよ。あなたに怖い思いをさせたくないのよ。実際、怖かったでしょう?」お母さんは気づかわしげに言った。
「…正直、怖かったです。でも!…このまま負けたくありません。」呟くように小さくケーは言った。ケーは、…無理しているだろうか?
「ケー。僕は…。」僕は言いかけたところで。
「トゥルー、私もついて行かせて。怖いけど…、でもトゥルーと一緒なら大丈夫。絶対に。」ケーは自分に言い聞かせるように言っている。…。僕は判断に迷う。
「この家にいるからと言って安全とは限りませんよ。先の三人の教師との魔法戦もあったでしょ?…、トゥルーと一緒に戦った方が却って安全ではないでしょうかね。」ワンダリング先生が静かに言った。
ケーは、安心したように頷いている。僕は決心した。
「ケー!僕と戦おうな!大丈夫、僕が守るよ。」僕はケーを安心させたくて元気づけるように言った。
「ありがとう!…、うん、トゥルーと一緒に戦う。うん。」何度も頷いてケーは言った。
ケーは頑張っている。ケーを守って、僕も頑張る。奴に負けるもんか!
「…、それでいいかい、ケーちゃん。」お父さんは優しい眼差しでケーに言った。
「はい。トゥルーのお父さん。」ケーと皆は視線を交錯させて話に集中した。
「校長の事なんだが。」お父さんが言いかけた時、ワンダリング先生が手をあげて続けた。
「話の続きは私にさせてください。校長、というか奴の一味は、学校の一角に時間の魔法ををかけたんです。」ワンダリング先生が言った。
「奴らは、学校の一角の広大な地下に時間を遡らせる魔法をかけたのです。」ワンダリング先生の話にお父さん以外の一同が驚いた。
「なんですって!?」お母さんだ。
「じゃ、ドワーフさん達がいたのって…。」ケーが驚いている。
「そうなの。かなり大昔の話なのよ。オークやドワーフがいたのはね。」お母さんは平静に戻りつつ言った。
「そうなんだ。じゃ、校長を倒したら、時間の魔法は解けちゃうの?」僕はワンダリング先生に訊いた。
「そうだね。だから、どうしようかと思っているのだけれどね。」頷きつつワンダリング先生は言った。
「では、こうしたらどうかな。」お父さんだ。
「予め、保存の魔法をかけたらどうかな。我々魔法協会のメンツで。」お父さんは考えながら言っていた。なるほど、と僕は感心した。
「それ、いい案ですね!先輩。」ワンダリング先生も頷いている。
ワンダリング先生は、昔、お父さんの働いている魔法協会の一員だったらしい。
「それなら大丈夫なんですか?」ケーは聞いて、ちょっと席外します、と言ってトイレに行った。
「大丈夫。」お父さんが頷いた。
「あなた、…、私はどうしましょうか?」お母さんだ。僕もお母さんはどうしたらいいか判断に迷うけど、好きにしたらいいと思った。
「明日は日曜日だし。うん、我々も一緒に行こう。」お父さんはお母さんに言った。
「…、そうだわね。行きます、私も。あなたがいるのなら。」お母さんは言った。
あ、ケーが戻ってきた。
「それなら、先発隊は、トゥルー、ケー、先輩、トゥルーのお母さん、僕ワンダリングのメンバーでいいですか?」ワンダリング先生が確かめるように言った。
「あ、それに加えて、ドワーフ族のリーブス君とメープルちゃんも加えたいのです。一応ですけどね。」僕が言った。ケーちゃんも頷いている。
「…、そうか、ドワーフ族と友人になれたんだったな。」ワンダリング先生は感心していった。
「昨日、地下迷宮で迷いそうになったのをリーブス君とメープルちゃんに助けてもらいました。」僕はなにやら嬉しかった。
「そうか。」お父さんは優しい目線を僕にも注いでいるようだ。
「私からも言わせてください。」ケーだ。
「席を外している間に、ちょっと予知占いをしてみましたが、絶対に上手くいくってでましたよ!」ケーは自信ありげに言った。
「それは、吉報だね。」お父さんが言った。皆もホッとしたようだった。
「じゃ、これで会議はお開きにしますか。」ワンダリング先生がこの場を仕切って言った。
そうだね、と一同納得して、この会議は終わったのだった。
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夕方過ぎになり、お父さんが帰ってきて、僕はさっきの『ケー誘拐未遂事件』をお母さんとケーを交えて話した。お父さんはかなり驚いていたけれど、傍らにケーがいることもあり、落ち着いて僕の話を聞いていた。そして、ワンダリング先生に連絡をして、お母さんから同じように事件の件を話すとすぐに行きます、と答えたそうだ。
夕飯は、僕、お父さんとお母さん、ケー、ワンダリング先生で一緒に摂ることにした。
その後、リビングでそれぞれくつろぎながら、僕から話し出した。もちろん、魔法陣を予め張って。もうケーをあんな目にあわせたくなかったのは、みんな一緒だ。
「ケーはもう大丈夫かい?」ちらっとケーを見る。
「もう大丈夫だって!」元気に、尻尾をフリフリしながら言った。もう、普段のケーだ。
「校長の話をしたいのだけどいいかい、皆?」お父さんだ。皆オッケーを出した。
「奴は宣戦布告してきた。そうだね、トゥルー。」お父さんが厳しい眼差しで言った。
「そうだよ。地下迷宮に来い、って言っていたよ、奴は。」僕は苦々しく言った。
「あなた。…ケーちゃんはこの際しばらく我が家にいてもらったらどうかしら?」心配した声音でお母さんは言った。
「私は、足手まといですか?」ケーはお母さんを見て言った。
「違うのよ。あなたに怖い思いをさせたくないのよ。実際、怖かったでしょう?」お母さんは気づかわしげに言った。
「…正直、怖かったです。でも!…このまま負けたくありません。」呟くように小さくケーは言った。ケーは、…無理しているだろうか?
「ケー。僕は…。」僕は言いかけたところで。
「トゥルー、私もついて行かせて。怖いけど…、でもトゥルーと一緒なら大丈夫。絶対に。」ケーは自分に言い聞かせるように言っている。…。僕は判断に迷う。
「この家にいるからと言って安全とは限りませんよ。先の三人の教師との魔法戦もあったでしょ?…、トゥルーと一緒に戦った方が却って安全ではないでしょうかね。」ワンダリング先生が静かに言った。
ケーは、安心したように頷いている。僕は決心した。
「ケー!僕と戦おうな!大丈夫、僕が守るよ。」僕はケーを安心させたくて元気づけるように言った。
「ありがとう!…、うん、トゥルーと一緒に戦う。うん。」何度も頷いてケーは言った。
ケーは頑張っている。ケーを守って、僕も頑張る。奴に負けるもんか!
「…、それでいいかい、ケーちゃん。」お父さんは優しい眼差しでケーに言った。
「はい。トゥルーのお父さん。」ケーと皆は視線を交錯させて話に集中した。
「校長の事なんだが。」お父さんが言いかけた時、ワンダリング先生が手をあげて続けた。
「話の続きは私にさせてください。校長、というか奴の一味は、学校の一角に時間の魔法ををかけたんです。」ワンダリング先生が言った。
「奴らは、学校の一角の広大な地下に時間を遡らせる魔法をかけたのです。」ワンダリング先生の話にお父さん以外の一同が驚いた。
「なんですって!?」お母さんだ。
「じゃ、ドワーフさん達がいたのって…。」ケーが驚いている。
「そうなの。かなり大昔の話なのよ。オークやドワーフがいたのはね。」お母さんは平静に戻りつつ言った。
「そうなんだ。じゃ、校長を倒したら、時間の魔法は解けちゃうの?」僕はワンダリング先生に訊いた。
「そうだね。だから、どうしようかと思っているのだけれどね。」頷きつつワンダリング先生は言った。
「では、こうしたらどうかな。」お父さんだ。
「予め、保存の魔法をかけたらどうかな。我々魔法協会のメンツで。」お父さんは考えながら言っていた。なるほど、と僕は感心した。
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ワンダリング先生は、昔、お父さんの働いている魔法協会の一員だったらしい。
「それなら大丈夫なんですか?」ケーは聞いて、ちょっと席外します、と言ってトイレに行った。
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「…、そうだわね。行きます、私も。あなたがいるのなら。」お母さんは言った。
あ、ケーが戻ってきた。
「それなら、先発隊は、トゥルー、ケー、先輩、トゥルーのお母さん、僕ワンダリングのメンバーでいいですか?」ワンダリング先生が確かめるように言った。
「あ、それに加えて、ドワーフ族のリーブス君とメープルちゃんも加えたいのです。一応ですけどね。」僕が言った。ケーちゃんも頷いている。
「…、そうか、ドワーフ族と友人になれたんだったな。」ワンダリング先生は感心していった。
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「そうか。」お父さんは優しい目線を僕にも注いでいるようだ。
「私からも言わせてください。」ケーだ。
「席を外している間に、ちょっと予知占いをしてみましたが、絶対に上手くいくってでましたよ!」ケーは自信ありげに言った。
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バーチャル学校vol2 10
作 林柚希
次の日。僕は、土曜日のだったので、ラッキーとばかりにぐっすり眠った。
「おはよう。」それでも、まだ眠い目をこすって僕はお母さんに挨拶した。
「おはよう、って。もう昼前よ。」お母さんは呆れて言った。
「でも、昨日から深夜にかけて、僕さ…。」僕が言いかけたら、すかさず。
「ああ、もうわかったから。とりあえず顔を洗ってらっしゃい。」たたみかけるようにお母さんに言われた。
「はーい。」仕方なく、とたとたと洗面所に向かった。
お母さんはその間に、(僕にとっては)朝食の支度をしてくれた。
トーストに色んなペーストをしてサラダと一緒に食べる。ミルクもついていた。
最近のお気に入りは、りんごバターだ。親戚が送ってくれたらしい。
トーストにりんごバターを塗るとバターの風味と優しいりんごの甘味がする。
「お母さん。今日ねワンダリング先生呼べないかな。」僕はトーストをかじりながら言った。
「そうね。私たちも情報収集していたから。呼んでみるわね。」だけど、と続けてお母さん言った。「先生も休みでしょうから。来るかわからないわよ。」
「ん。了解。」僕は、ミルクを飲み干すと、「ごちそうさま。」と言って自室に戻った。
ばたん。
自室で、自分の椅子に座ると昨日の冒険を思い出す。正直あんな目に合うとは思わなかったな。リーブスとメープルという今考えると、ドワーフなんて物語の種族の人と知り合うなんてすごいよな~。…、あと、なんだっけ?
(トゥルー?…聞こえる?)心の通信だ。
(聞こえてるよ?おはよう、ケー。)僕は言った。
(おはよう、って昼過ぎだよ、もう。)ケーもお母さんのように言った。
(呆れてる?だって昨日大変だったでしょ~。)僕は弁明したくなった。
(ま、いいから。)ケーはたしなめた。
(それでね、昨日のおさらいなんだけどね。)僕が言った。
(そうそう、私は親にそんなに怒られることなかったよ。)一応ね、とケーは言った。
(あ、良かったよ。ちょっぴり心配だったからさ。)僕は昨日のことを思い出しながら言った。
(本題に入るけどね、…校長のことでしょ?)ケーは言った。
(そうだよ、忘れるところだった。奴、どこにいるんだろう?)僕は謎だらけだ。
(ワタシハ、ココニイル!)謎のしゃがれ声だ!
(誰だ!)僕とケーは同時に言った。
(キャー!!)ケーが叫んだ!
「トゥルー!」すぐにドアが開いて、お母さんが入ってきた。
僕は、ビクーっとした。
「お、お母さん?」
「すぐテレポートするわよ!」お母さんが近づいて、僕の腕を取った。
お母さんは呪文を唱え、一緒にテレポートした。
そこは、様々な女の子らしい小物の置いてある部屋だった。
そうだ、ケーの部屋じゃないか!何度か、遊びに行ったことがあった。
「ケー!、ケー!」僕は叫び倒した。
「トゥルー!」ケーがこちらに腕を伸ばしている。片方の腕は、暗闇に吸い込まれ、ごつい腕に引っ張られている。
「トゥルー、たすけ、て。」ケーも必死だ。
僕は火球の呪文をその邪悪な腕に向かって言った。
ひゅう、っと音がして火球が邪悪な腕に当たった!思わずその腕は、ケーを離した。
「トゥルー!」思わずケーは僕の胸に飛び込んできた。
「大丈夫か、ケー!」僕はケーの顔を見ようと首を下の方にひねった。
「だ、大丈夫。」ケーはガクガクブルブルと身体を震わせている。
「死滅せよ。」お母さんは呪文を唱えると、その邪悪な腕は、ぎゃあっと叫んで消滅したようだった。
「フフフ。オマエタチヲ、ミツケタゾ。地下迷宮デマッテイル。」ハハハハハ。と笑い声が部屋中に響き、暗闇と一緒に消えた。
「お前なんか、怖くないぞ!」僕は思わず言っていた。行ってやろうじゃないか!
「トゥルー、怖かった…。」ケーは青ざめていた。
「ケーちゃん、ウチにいらっしゃい。トゥルーと一緒に守るから、安心してね。」お母さんは、優しい声で言うと周囲を見回して、思わず座り込んでいた。
時間が少し経ち、ケーが落ち着くと、ケーは荷物の準備をして、一緒にテレポートで僕の家に来た。
ケーの家族は外出中だったので、書置きのメモを残しておいたのだった。
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次の日。僕は、土曜日のだったので、ラッキーとばかりにぐっすり眠った。
「おはよう。」それでも、まだ眠い目をこすって僕はお母さんに挨拶した。
「おはよう、って。もう昼前よ。」お母さんは呆れて言った。
「でも、昨日から深夜にかけて、僕さ…。」僕が言いかけたら、すかさず。
「ああ、もうわかったから。とりあえず顔を洗ってらっしゃい。」たたみかけるようにお母さんに言われた。
「はーい。」仕方なく、とたとたと洗面所に向かった。
お母さんはその間に、(僕にとっては)朝食の支度をしてくれた。
トーストに色んなペーストをしてサラダと一緒に食べる。ミルクもついていた。
最近のお気に入りは、りんごバターだ。親戚が送ってくれたらしい。
トーストにりんごバターを塗るとバターの風味と優しいりんごの甘味がする。
「お母さん。今日ねワンダリング先生呼べないかな。」僕はトーストをかじりながら言った。
「そうね。私たちも情報収集していたから。呼んでみるわね。」だけど、と続けてお母さん言った。「先生も休みでしょうから。来るかわからないわよ。」
「ん。了解。」僕は、ミルクを飲み干すと、「ごちそうさま。」と言って自室に戻った。
ばたん。
自室で、自分の椅子に座ると昨日の冒険を思い出す。正直あんな目に合うとは思わなかったな。リーブスとメープルという今考えると、ドワーフなんて物語の種族の人と知り合うなんてすごいよな~。…、あと、なんだっけ?
(トゥルー?…聞こえる?)心の通信だ。
(聞こえてるよ?おはよう、ケー。)僕は言った。
(おはよう、って昼過ぎだよ、もう。)ケーもお母さんのように言った。
(呆れてる?だって昨日大変だったでしょ~。)僕は弁明したくなった。
(ま、いいから。)ケーはたしなめた。
(それでね、昨日のおさらいなんだけどね。)僕が言った。
(そうそう、私は親にそんなに怒られることなかったよ。)一応ね、とケーは言った。
(あ、良かったよ。ちょっぴり心配だったからさ。)僕は昨日のことを思い出しながら言った。
(本題に入るけどね、…校長のことでしょ?)ケーは言った。
(そうだよ、忘れるところだった。奴、どこにいるんだろう?)僕は謎だらけだ。
(ワタシハ、ココニイル!)謎のしゃがれ声だ!
(誰だ!)僕とケーは同時に言った。
(キャー!!)ケーが叫んだ!
「トゥルー!」すぐにドアが開いて、お母さんが入ってきた。
僕は、ビクーっとした。
「お、お母さん?」
「すぐテレポートするわよ!」お母さんが近づいて、僕の腕を取った。
お母さんは呪文を唱え、一緒にテレポートした。
そこは、様々な女の子らしい小物の置いてある部屋だった。
そうだ、ケーの部屋じゃないか!何度か、遊びに行ったことがあった。
「ケー!、ケー!」僕は叫び倒した。
「トゥルー!」ケーがこちらに腕を伸ばしている。片方の腕は、暗闇に吸い込まれ、ごつい腕に引っ張られている。
「トゥルー、たすけ、て。」ケーも必死だ。
僕は火球の呪文をその邪悪な腕に向かって言った。
ひゅう、っと音がして火球が邪悪な腕に当たった!思わずその腕は、ケーを離した。
「トゥルー!」思わずケーは僕の胸に飛び込んできた。
「大丈夫か、ケー!」僕はケーの顔を見ようと首を下の方にひねった。
「だ、大丈夫。」ケーはガクガクブルブルと身体を震わせている。
「死滅せよ。」お母さんは呪文を唱えると、その邪悪な腕は、ぎゃあっと叫んで消滅したようだった。
「フフフ。オマエタチヲ、ミツケタゾ。地下迷宮デマッテイル。」ハハハハハ。と笑い声が部屋中に響き、暗闇と一緒に消えた。
「お前なんか、怖くないぞ!」僕は思わず言っていた。行ってやろうじゃないか!
「トゥルー、怖かった…。」ケーは青ざめていた。
「ケーちゃん、ウチにいらっしゃい。トゥルーと一緒に守るから、安心してね。」お母さんは、優しい声で言うと周囲を見回して、思わず座り込んでいた。
時間が少し経ち、ケーが落ち着くと、ケーは荷物の準備をして、一緒にテレポートで僕の家に来た。
ケーの家族は外出中だったので、書置きのメモを残しておいたのだった。
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バーチャル学校vol2 09
作 林柚希
「校長を逮捕したはずなのに、逃げたって…?」僕もケーも驚いている。
「そうなのよ、さっきワンダリング先生に訊いたんだけどね。」お母さんが言を継いだ。
「半年前の地震でね、校長は逃げ出したって話なのよ。」困った、と言う顔をしてお母さんは言った。
「あの…?」リーブスが話に入りづらそうに言った。
「校長ってどんな人なんですか?」
「あと私たちもう帰りたいんですけど、ダメですか?」今度はメープルが言った。
「校長はね、闇協会の魔法使い、って噂の人物でもあるの。」お母さんが言った。
「それでね、君たちにも協力をお願いしたいのだけどね。」お父さんは意を決したように言った。
「オークが半年前、校長も半年前に逃げ出している。これは何を意味しているのか知りたいんだよ。だからね、地底の迷宮を調べるのを手伝ってほしいんだ。」
「あなた…。」お母さんは、また心配している。
「それなら、村人に会議を開いて、皆総出で調べた方がいいですよね?」メープルが言う。
「そうですね。」お父さんが頷いた。
「それなら、やはり、一度私たちは村へ帰らせてください。皆で相談しなくちゃならないし。」
「それもそうだね、わかった。皆で送ろう。」お父さんは言った。
ケーは、話の途中で両親に会い、名残惜しそうに帰っていった。
森の中の大きな木は、割と簡単に見つかった。
「リーブス、メープルありがとうね。」僕はリーブスとメープルに握手した。
「でも、また地底の村に来るんだろ?」リーブスはなにやら楽しそうだ。
「それは…。もうちょっと親と話さなくちゃね。」僕は複雑な心境だった。
「大丈夫、たぶんそうなるわよ。」お母さんだ。「ちょっと心配だけどね。」と付け加えた。
「我々も地底の調査に乗り出すと思う。」お父さんは言った。
「大丈夫だよ。」これは僕に対して言った。
「じゃ、私たちも帰りますので。お世話になりました。」メープルは、ペコっとお辞儀をした。
「トゥルーそれから、ケーちゃんともまた会おうな。」リーブスの言葉が、木の虚の下から聞こえてくる。
「わかった、その時また、頼むな!」僕は虚に向かって大声で言った。
「了解!じゃあね!」片手をあげたリーブスと「またね。」ニコっと微笑んでいるメープルが小さく見え、だんだんと遠のいていった。
「さぁ、帰ろうか。」お父さんが言った。
すると、ぎゅっと抱きしめられて、「心配したのよー、まさか命からがら逃げてきたなんて。びっくりしたわよ!」お母さんは、ずっと思っていてくれてたんだ。
「お母さん、痛い。」やっと放してもらうと、また「これ以上心配かけないでちょうだい。」と言われてしまった。ちぇ。
でも、お母さんに抱きしめられてホッとしたのだった。
やっと現実に返ってきた、という気持ちが怒涛のようにあふれてきた。
僕は、もう思い出と化した数々の出来事から振り払うように、頭を振って言った。
「帰ろうよ、我が家に。」
少し両親はおやと驚いた様子だった。
ちょっとカッコつけだったかな。
学校に戻ると、先生に挨拶して、家に戻ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
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バーチャル学校vol2-03
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バーチャル学校vol2-16
「校長を逮捕したはずなのに、逃げたって…?」僕もケーも驚いている。
「そうなのよ、さっきワンダリング先生に訊いたんだけどね。」お母さんが言を継いだ。
「半年前の地震でね、校長は逃げ出したって話なのよ。」困った、と言う顔をしてお母さんは言った。
「あの…?」リーブスが話に入りづらそうに言った。
「校長ってどんな人なんですか?」
「あと私たちもう帰りたいんですけど、ダメですか?」今度はメープルが言った。
「校長はね、闇協会の魔法使い、って噂の人物でもあるの。」お母さんが言った。
「それでね、君たちにも協力をお願いしたいのだけどね。」お父さんは意を決したように言った。
「オークが半年前、校長も半年前に逃げ出している。これは何を意味しているのか知りたいんだよ。だからね、地底の迷宮を調べるのを手伝ってほしいんだ。」
「あなた…。」お母さんは、また心配している。
「それなら、村人に会議を開いて、皆総出で調べた方がいいですよね?」メープルが言う。
「そうですね。」お父さんが頷いた。
「それなら、やはり、一度私たちは村へ帰らせてください。皆で相談しなくちゃならないし。」
「それもそうだね、わかった。皆で送ろう。」お父さんは言った。
ケーは、話の途中で両親に会い、名残惜しそうに帰っていった。
森の中の大きな木は、割と簡単に見つかった。
「リーブス、メープルありがとうね。」僕はリーブスとメープルに握手した。
「でも、また地底の村に来るんだろ?」リーブスはなにやら楽しそうだ。
「それは…。もうちょっと親と話さなくちゃね。」僕は複雑な心境だった。
「大丈夫、たぶんそうなるわよ。」お母さんだ。「ちょっと心配だけどね。」と付け加えた。
「我々も地底の調査に乗り出すと思う。」お父さんは言った。
「大丈夫だよ。」これは僕に対して言った。
「じゃ、私たちも帰りますので。お世話になりました。」メープルは、ペコっとお辞儀をした。
「トゥルーそれから、ケーちゃんともまた会おうな。」リーブスの言葉が、木の虚の下から聞こえてくる。
「わかった、その時また、頼むな!」僕は虚に向かって大声で言った。
「了解!じゃあね!」片手をあげたリーブスと「またね。」ニコっと微笑んでいるメープルが小さく見え、だんだんと遠のいていった。
「さぁ、帰ろうか。」お父さんが言った。
すると、ぎゅっと抱きしめられて、「心配したのよー、まさか命からがら逃げてきたなんて。びっくりしたわよ!」お母さんは、ずっと思っていてくれてたんだ。
「お母さん、痛い。」やっと放してもらうと、また「これ以上心配かけないでちょうだい。」と言われてしまった。ちぇ。
でも、お母さんに抱きしめられてホッとしたのだった。
やっと現実に返ってきた、という気持ちが怒涛のようにあふれてきた。
僕は、もう思い出と化した数々の出来事から振り払うように、頭を振って言った。
「帰ろうよ、我が家に。」
少し両親はおやと驚いた様子だった。
ちょっとカッコつけだったかな。
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バーチャル学校vol2 08
作 林柚希
僕とケー、リーブス、メープルは、南東のそもそも初めに落ちた大きな木を目指して歩き始めた。だけど、外はもう暗くて、何時頃かわからない。
歩き始めてしばらくすると、学校に出てしまった。
すると心の通信が聞こえてきた。
(トゥルー、ケーちゃん。いないわねぇ、あなた。)お母さんだ。
(そうだな、どこへ行ったんだろう。)お父さんだ。
(トゥルーだよ、お父さんお母さん。)
(え?、トゥルー?無事なの?どこ?)お母さんの心配げな声だ。
(心配かけてごめんなさい、お母さん。お父さんも一緒?)僕は思わず謝っていた。
(そうだぞ。何時かわかるか?もう真夜中を過ぎているぞ。)お父さんはちょっと怒っているようだ。
(ごめんなさい、お父さん。実をいうと僕も戻ったばかりで、よくわかってなくって。)僕はさっきまでの冒険を思い出して時間がそんなに経っているのかと、驚いた。
(ちょっと失礼します。)リーブスだ。
(君は…。誰だい?)驚いたお父さんは思わず尋ねた。
(ドワーフのリーブスと申します。彼、トゥルー君は地底の迷宮に迷い込んで、脱出するのに時間がかかってしまったんです。そんなに責めないでください。)リーブスはやんわりと言ってくれた。
(地底の迷宮…。そんなところ、どこに…?)お母さんは疑問だらけのようだ。
(お母さん、ケーです。私が学校の森のはずれにある大きな木に行こうって誘ったんです。そうしたら、木の虚から落っこちてしまって。)ケーもどう言っていいか、わからず、といった風情だ。
(まぁ、そんなところに。)お母さんは驚いたようだ。
(まずは、会おう。いまからそっちへ行くから待っていなさい。)お父さんだ。
すぐに、ふっと僕の両親はテレポートしてきた。ケーとリーブス、メープルは驚いたようだ。
「初めまして、トゥルー君の親御さん。」リーブスとメープルはペコっとお辞儀した。
「僕がリーブスです。」リーブスがもう一度お辞儀した。
「私はメープルです。よろしく。」メープルもお辞儀した。
「夜遅くなってすみません、ケーです。」ケーは謝った。
「お父さんお母さん。ごめんなさい。だけど悪いことしていたわけじゃないんだ。」僕は精一杯言った。
「ああ、わかったよ。」お父さんは僕の顔を見てホッとしたようだった。
「だけど、心の通信が通じない場所とは思わなかったよ。」苦笑いしている。
「ところであなた方、ドワーフさんなんですって?」お母さんは疑問を一つ一つ吟味しているようだ。
「そうです、トゥルー君のお母さん。私たちは地底の迷宮の横に村があるんです。」メープルが説明した。
「そこに僕たちは戻らなくちゃならないんです。だけど。」リーブスが困った顔をして言った。
「オークがいたので村に通じる別の入口を探していたところなんです。」申し訳なさそうな顔をしている。
「オークですって!?」両親で声がそろった。
「オークが追っかけてきたんだけど、なんとか逃げてきたんだ。」僕は正直に言って、チロっと両親を見た。
「だから、この2人を別の出入口まで送って行ってから帰りたいんだけどダメかな?」恐る恐る言ってみた。
「オークと戦うなんて無理ですから。」ケーも言った。
「そうか…。オークが。」お父さんも何やら考え事のようだ。
「次の日、と言うわけにはいかないの?」お母さんも考えつつ言っている。
「私たちドワーフは、基本的に森から出られないんです。」リーブスが苦しそうに言う。
「この場所もちょっと私達には苦手でして。」メープルもちょっと苦しそうだ。
場所を移して学校のグラウンドから、森の出入り口付近で話すことにした。
「リーブスとメープルに訊きたいのだけどね。」お父さんだ。
「オークはいつから存在するんだい?」お父さんの話を聞いて僕も疑問に思った。なんだろ、それって。
「オークは、昔からではなく、約半年前から出現して、村人総出で会議を開いたりしていました。」リーブスの説明に僕とケーは驚いている。半年前…。
「半年前からか…。符合するな。」お父さんは目線がきつくなる。
「あなた…。まさか。」お母さんは何かを思い出して驚いているようだ。
「オークがどうしたんですの?」メープルが訊いた。
「トゥルーの学校の先生がね、ある噂が持ち上がっていて、ってさっき聞いたばかりなんだ。」でも、お父さんはまさか、と言う顔をしている。
「お父さん、はぐらかさないで教えて。噂ってなに?」僕が訊いた。
「それが、逮捕したはずの校長が逃げたって、聞いてな。」お父さんは言葉にしたくなかったような顔をしている。
一同、シーンと静まり返る中でリーブスとメープルだけが「いつ帰れるかしらねぇ。」とこっそり話していた。
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バーチャル学校vol2-16
僕とケー、リーブス、メープルは、南東のそもそも初めに落ちた大きな木を目指して歩き始めた。だけど、外はもう暗くて、何時頃かわからない。
歩き始めてしばらくすると、学校に出てしまった。
すると心の通信が聞こえてきた。
(トゥルー、ケーちゃん。いないわねぇ、あなた。)お母さんだ。
(そうだな、どこへ行ったんだろう。)お父さんだ。
(トゥルーだよ、お父さんお母さん。)
(え?、トゥルー?無事なの?どこ?)お母さんの心配げな声だ。
(心配かけてごめんなさい、お母さん。お父さんも一緒?)僕は思わず謝っていた。
(そうだぞ。何時かわかるか?もう真夜中を過ぎているぞ。)お父さんはちょっと怒っているようだ。
(ごめんなさい、お父さん。実をいうと僕も戻ったばかりで、よくわかってなくって。)僕はさっきまでの冒険を思い出して時間がそんなに経っているのかと、驚いた。
(ちょっと失礼します。)リーブスだ。
(君は…。誰だい?)驚いたお父さんは思わず尋ねた。
(ドワーフのリーブスと申します。彼、トゥルー君は地底の迷宮に迷い込んで、脱出するのに時間がかかってしまったんです。そんなに責めないでください。)リーブスはやんわりと言ってくれた。
(地底の迷宮…。そんなところ、どこに…?)お母さんは疑問だらけのようだ。
(お母さん、ケーです。私が学校の森のはずれにある大きな木に行こうって誘ったんです。そうしたら、木の虚から落っこちてしまって。)ケーもどう言っていいか、わからず、といった風情だ。
(まぁ、そんなところに。)お母さんは驚いたようだ。
(まずは、会おう。いまからそっちへ行くから待っていなさい。)お父さんだ。
すぐに、ふっと僕の両親はテレポートしてきた。ケーとリーブス、メープルは驚いたようだ。
「初めまして、トゥルー君の親御さん。」リーブスとメープルはペコっとお辞儀した。
「僕がリーブスです。」リーブスがもう一度お辞儀した。
「私はメープルです。よろしく。」メープルもお辞儀した。
「夜遅くなってすみません、ケーです。」ケーは謝った。
「お父さんお母さん。ごめんなさい。だけど悪いことしていたわけじゃないんだ。」僕は精一杯言った。
「ああ、わかったよ。」お父さんは僕の顔を見てホッとしたようだった。
「だけど、心の通信が通じない場所とは思わなかったよ。」苦笑いしている。
「ところであなた方、ドワーフさんなんですって?」お母さんは疑問を一つ一つ吟味しているようだ。
「そうです、トゥルー君のお母さん。私たちは地底の迷宮の横に村があるんです。」メープルが説明した。
「そこに僕たちは戻らなくちゃならないんです。だけど。」リーブスが困った顔をして言った。
「オークがいたので村に通じる別の入口を探していたところなんです。」申し訳なさそうな顔をしている。
「オークですって!?」両親で声がそろった。
「オークが追っかけてきたんだけど、なんとか逃げてきたんだ。」僕は正直に言って、チロっと両親を見た。
「だから、この2人を別の出入口まで送って行ってから帰りたいんだけどダメかな?」恐る恐る言ってみた。
「オークと戦うなんて無理ですから。」ケーも言った。
「そうか…。オークが。」お父さんも何やら考え事のようだ。
「次の日、と言うわけにはいかないの?」お母さんも考えつつ言っている。
「私たちドワーフは、基本的に森から出られないんです。」リーブスが苦しそうに言う。
「この場所もちょっと私達には苦手でして。」メープルもちょっと苦しそうだ。
場所を移して学校のグラウンドから、森の出入り口付近で話すことにした。
「リーブスとメープルに訊きたいのだけどね。」お父さんだ。
「オークはいつから存在するんだい?」お父さんの話を聞いて僕も疑問に思った。なんだろ、それって。
「オークは、昔からではなく、約半年前から出現して、村人総出で会議を開いたりしていました。」リーブスの説明に僕とケーは驚いている。半年前…。
「半年前からか…。符合するな。」お父さんは目線がきつくなる。
「あなた…。まさか。」お母さんは何かを思い出して驚いているようだ。
「オークがどうしたんですの?」メープルが訊いた。
「トゥルーの学校の先生がね、ある噂が持ち上がっていて、ってさっき聞いたばかりなんだ。」でも、お父さんはまさか、と言う顔をしている。
「お父さん、はぐらかさないで教えて。噂ってなに?」僕が訊いた。
「それが、逮捕したはずの校長が逃げたって、聞いてな。」お父さんは言葉にしたくなかったような顔をしている。
一同、シーンと静まり返る中でリーブスとメープルだけが「いつ帰れるかしらねぇ。」とこっそり話していた。
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バーチャル学校vol2 07
作 林柚希
森の中を進む。森は地底なはずなのにポワっと明るくて洞窟の時ほどの閉塞感はあまりなかった。たまに鳥の鳴き声もする。そのうち小川が流れている所に出た。
(もうオークはいないかな。)と僕。
(話し声はしないようだから大丈夫よ。)メープルだ。
(じゃ、普通の話し方に切り替えよう。)ケーが多少疲れた様子で言っている。
「地図を見ようか。」リーブスが言いながら地図を広げた。
地図の川は、オークの村より東で、北から南に向かって流れていて、途中で東と南に分かれている。
「でも、この小川まで地図には載っていないよね?」ケーが地図を見ながら言う。
「そうだわねぇ。」メープルが困ったように頷いている。
「とりあえず、小川を遡ってみようよ。」僕が励ますように元気に言った。
「遡れば、きっと大きな川に出られるよ。」リーブスも僕の意図が分かったようだ。
「そうだね。」ケーが言い、メープルも「それなら大丈夫そうね。」と頷いた。
休憩がてら、メープルがガサゴソ出して、皆に配った。
「これはキッシュって言うのよ。食べてみてね。」すかさず、はむっと口にする。
生クリームと卵でできた家庭料理で、パイ生地やタルトの生地にベーコンや、野菜、チーズやクリームを加えるというものだそうだ。
「旨い!」僕が叫んだ。
「もっと食べたい。」リーブスが言った。
「これ、作るの難しそうだね。」ケーは感心している。
「もっとあるけど、取っとくわね。」メープルはニコニコだ。
皆、「そんな~。」と不満気だがまだどのくらいかかるかわからない。仕方ないな。
さて、休憩も終わって、小川を遡ってみることにした。
小川が大きな本流と思われる川に繋がって、ちょっとホッとした。
だが、本流の対岸になにやら建物の密集地がある。
隠れてから、地図を見るとオークの村だった。
ふーっと息をついた一同は、心の通信を始めた。
(危なかったね。)ため息をつきながらメープルが言った。
(捕まったらどうなっていたやら。)リーブスもキツイ目線をオークの村に向けて言う。
(もうちょっとしたら洞窟への道に出そうだね。)地図を見ながら僕が言った。
(これでたどり着きそうだから、キッシュ食べようか。)ケーがホッとして言った。
皆で森の奥で洞窟への道を見つけると、休憩しながら、またキッシュを食べた。
休憩が終わると洞窟への道を辿り始めた。洞窟への道は暗く、たまにコウモリが飛んでいた。
森が途切れ、また暗い洞窟の道が続いている。
洞窟への道は、暗かったが、ランタンやたいまつがあったし、遠くの方に1点、光が見え始めた。
すると、
「まて~!」ガサガサした大声にキャキャ、キーキーとコウモリが逃げ飛んでいるようだ。
こちらへだんだん近づいてくる!
「まずい。逃げよう!」リーブスが走り出しながら言った。
「光の方へ行こう!」僕が言った。
「トゥルー、テレポート使って!」ケーが大声で叫ぶ。
「了解!」僕は1人後ろを振り向き立ち止まった。
遠くの方に大柄の男が2人(オークだ!)こちらへたいまつを持ってやってくる。
「テレポート!」念じて言うと、1人の男がふっと消え、もう1人の足元に現れた。
男たちは、たいまつを落とし、もつれて転がって止まった。
僕は急いで振り向き、皆に言った。
「今のうちだ、急ごう!」
洞窟の1点だった光は、やがて大きな光となり、洞窟は唐突に終わった。
洞窟の向こうは、林になっていた。僕とケーは、現実の僕たちの世界にたどり着いた。
けれど、リーブスやメープルはどうしよう?
「リーブス、それからメープル。ここまでありがとうね。」ケーはお礼を言った。
「いいんだよ、それは。」リーブスは、照れ臭そうに言った。
「それはいいのよ。だけどね。」メープルはつづけた。
「これから私たち2人はどうしたらいいのかしら?」メープルは困った顔をして言った。
「とりあえず」僕は急いで頭をフル回転させながら言った。
「ここから南東に、僕たちが落っこちた大きな木があるから、そこまで送ろうか、ケー。」
「そうだね。」ケーも大丈夫そうだ。
「それなら助かるわ。」メープルは安堵したようだ。
「僕たちまでお世話になるとは、思わなかったよ。」リーブスが申し訳なさそうに言った。
「いいんだよ、リーブス。そうだよね、トゥルー?」ケーが言った。
「そうだね。」僕は短く言うと、南東のケーと落っこちた大きな木を目指して歩き出した。
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バーチャル学校vol2-01
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バーチャル学校vol2-16
森の中を進む。森は地底なはずなのにポワっと明るくて洞窟の時ほどの閉塞感はあまりなかった。たまに鳥の鳴き声もする。そのうち小川が流れている所に出た。
(もうオークはいないかな。)と僕。
(話し声はしないようだから大丈夫よ。)メープルだ。
(じゃ、普通の話し方に切り替えよう。)ケーが多少疲れた様子で言っている。
「地図を見ようか。」リーブスが言いながら地図を広げた。
地図の川は、オークの村より東で、北から南に向かって流れていて、途中で東と南に分かれている。
「でも、この小川まで地図には載っていないよね?」ケーが地図を見ながら言う。
「そうだわねぇ。」メープルが困ったように頷いている。
「とりあえず、小川を遡ってみようよ。」僕が励ますように元気に言った。
「遡れば、きっと大きな川に出られるよ。」リーブスも僕の意図が分かったようだ。
「そうだね。」ケーが言い、メープルも「それなら大丈夫そうね。」と頷いた。
休憩がてら、メープルがガサゴソ出して、皆に配った。
「これはキッシュって言うのよ。食べてみてね。」すかさず、はむっと口にする。
生クリームと卵でできた家庭料理で、パイ生地やタルトの生地にベーコンや、野菜、チーズやクリームを加えるというものだそうだ。
「旨い!」僕が叫んだ。
「もっと食べたい。」リーブスが言った。
「これ、作るの難しそうだね。」ケーは感心している。
「もっとあるけど、取っとくわね。」メープルはニコニコだ。
皆、「そんな~。」と不満気だがまだどのくらいかかるかわからない。仕方ないな。
さて、休憩も終わって、小川を遡ってみることにした。
小川が大きな本流と思われる川に繋がって、ちょっとホッとした。
だが、本流の対岸になにやら建物の密集地がある。
隠れてから、地図を見るとオークの村だった。
ふーっと息をついた一同は、心の通信を始めた。
(危なかったね。)ため息をつきながらメープルが言った。
(捕まったらどうなっていたやら。)リーブスもキツイ目線をオークの村に向けて言う。
(もうちょっとしたら洞窟への道に出そうだね。)地図を見ながら僕が言った。
(これでたどり着きそうだから、キッシュ食べようか。)ケーがホッとして言った。
皆で森の奥で洞窟への道を見つけると、休憩しながら、またキッシュを食べた。
休憩が終わると洞窟への道を辿り始めた。洞窟への道は暗く、たまにコウモリが飛んでいた。
森が途切れ、また暗い洞窟の道が続いている。
洞窟への道は、暗かったが、ランタンやたいまつがあったし、遠くの方に1点、光が見え始めた。
すると、
「まて~!」ガサガサした大声にキャキャ、キーキーとコウモリが逃げ飛んでいるようだ。
こちらへだんだん近づいてくる!
「まずい。逃げよう!」リーブスが走り出しながら言った。
「光の方へ行こう!」僕が言った。
「トゥルー、テレポート使って!」ケーが大声で叫ぶ。
「了解!」僕は1人後ろを振り向き立ち止まった。
遠くの方に大柄の男が2人(オークだ!)こちらへたいまつを持ってやってくる。
「テレポート!」念じて言うと、1人の男がふっと消え、もう1人の足元に現れた。
男たちは、たいまつを落とし、もつれて転がって止まった。
僕は急いで振り向き、皆に言った。
「今のうちだ、急ごう!」
洞窟の1点だった光は、やがて大きな光となり、洞窟は唐突に終わった。
洞窟の向こうは、林になっていた。僕とケーは、現実の僕たちの世界にたどり着いた。
けれど、リーブスやメープルはどうしよう?
「リーブス、それからメープル。ここまでありがとうね。」ケーはお礼を言った。
「いいんだよ、それは。」リーブスは、照れ臭そうに言った。
「それはいいのよ。だけどね。」メープルはつづけた。
「これから私たち2人はどうしたらいいのかしら?」メープルは困った顔をして言った。
「とりあえず」僕は急いで頭をフル回転させながら言った。
「ここから南東に、僕たちが落っこちた大きな木があるから、そこまで送ろうか、ケー。」
「そうだね。」ケーも大丈夫そうだ。
「それなら助かるわ。」メープルは安堵したようだ。
「僕たちまでお世話になるとは、思わなかったよ。」リーブスが申し訳なさそうに言った。
「いいんだよ、リーブス。そうだよね、トゥルー?」ケーが言った。
「そうだね。」僕は短く言うと、南東のケーと落っこちた大きな木を目指して歩き出した。
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バーチャル学校vol2 06
作 林柚希
ガタン、という音で、僕は気が付いた。
どうやら、眠りのキノコで眠ってしまったらしい。でも、辺りが変だ、気づいたら拘束されているのか動くことができない。よく見ると、隣でケーが眠っている。スースー眠る姿に思わず可愛いなぁ、と思ってしまった。
(ケーに心の通信送るよ。起きて、起きて。)
ケーはなかなか目覚めない。
どうしようかと考えていると、逆の隣からツンツン突かれた。誰だろうと思ったら。
(君は魔法使いかい?僕はリーブスだけど。)
(僕はトゥルーだよ。確かにそうだけど君たちも魔法使いなのかい?)
(魔法使いじゃないけど、心の通信はできるんだよ。)
(ちなみに、私、メープルも目覚めているよ。)
(そうか。ケーが爆睡中で、呼びかけているんだけど目覚めなくて。)
(そうなのね。あ、縄を切るね。)メープルが言うとプツッと何かの切れる音がして、僕の身体は自由になった。
(ありがとう。ケーの縄も切ってくれるかい?)
(そうだね、僕が縄を切るよ。)リーブスが言うと、またプッツリと縄の切れる音がしてケーも自由になった。でも目覚める気配がない。
(僕たちはどうしたの?この状況解るかな、リーブス?)
(オークに取っ捕まったんだよ。盗み聞きしていたんだけどね。)
(それで?)と僕。
(どうやらオークはハーブを口にしていたから、眠りのキノコの匂いをかがずに済んだようだ。)
(そんなハーブあるんだね。それで?)
(僕たちはロープでグルグル巻きにされて、この荷物と一緒に荷台で運ばれている途中のようなんだ。)
どうりで、さっきからガラゴロと音がうるさいし、ガタゴト揺れていて目を開けると目の上に藁が敷いてあってうっすらしか外が見えない。
(これからどうしようか?)僕は心の通信で尋ねる。
(ケーちゃんが起きたら、全員で脱出しよう。)リーブスが力強く言った。
(荷物はそのままあるから、ケーちゃんを起こしてくれる?)メープルも言った。
ケーに小声で呼びかけると、ケーはうっすら目を開けた!
(ケー!起きた?)僕が心の通信で呼びかける。指を口に当てて話さないでと合図を送って。
(う、うん、こっちでいいの?)ケーはまだ状況がわからないようだ。
(そう。僕たちは捕まっちゃったんだ。)
3人でいままでの状況を言うと、ケーは大体のみ込めたようだった。
(で、どうするの?これから。)ケーが尋ねた。
(もちろん脱出するんだよ。)と僕。
(大丈夫、チャンスはあるよ。)リーブスが言った。
(皆、眠ったフリして。)メープルが慌てて言った。
ガタン。揺れていた荷台は止まり、気配が2人近づくとガサっと藁をはねあげた。
「まだ眠っているようだな。」片方がガサガサ声で話した。
「おめでたい奴らだ。」もう片方もガサガサ声で聞き取りづらかった。
「ちょっと休憩するか。こいつら寝ているから逃げられないだろ?。」
「そうだな。」
気配は遠のいていった。
(あれはオークだよ。)リーブスが苦々しげに言った。
(あれが?聞き取りづらい声だね~。)ケーが言った。
(さ、今のうちに脱出しましょ。)メープルが急いで言った。
僕が思いきって藁を横にずらすと、少し頭を出して、周囲の様子を見た。
荷台から20メートル程離れたあたりに焚火を起こして、何かを食っていた。
反対側からの景色には誰も見張っていない。
(こっちからの景色には誰もいなかったよ。今がチャンスだよ!)
僕が言うと3人とも深く頷いて脱出したのだった。
荷台は道なりに進んでいたようで、道から外れて、すぐに草むらと森の中に入る。
一同ホッとして、オークを改めて観察したのだった。
オークは3人ほどで焚火を囲み、肉?を食っている様子だった。
「これからどうしようか?」ケーが言った。
すかさず、しっ。口に指をあて、リーブスが心の通信で言った。
(オークは耳がいい。まだ気を付けた方がいいよ。)
(了解。)ケーが答えた。
(でも、この先はどう進んだらいいのかしら?)メープルが言った。
僕は地図とコンパスを見ながら、言った。
(川のせせらぎが聞こえるから、川へ出ようよ。川は地図にあるから、遠回りだけど行けると思うよ。)
(そうね。だけどさっきみたいに、また眠りのキノコなんてないよねぇ?)メープルが心配げな顔をして言った。
(それは大丈夫…と思う。とりあえず川へ出れば、地図のどこか多分わかるから。)と僕。
(それにしても、何もなくてよかったよね?)ケーがため息交じりに言った。
(そうだね。…げっ。)とリーブス。
(地図を見てくれよ。もう少し行くと、オークの村があるよ。)リーブスは鳥肌が立つようだ。
(危なかったな。)と僕。
(そうだね。)一同ホッとした。
ちょっとの休憩の後、そろそろと移動して、川のせせらぎを頼りに森の中を進んでいった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
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バーチャル学校vol2-05
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バーチャル学校vol2-06
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物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
ガタン、という音で、僕は気が付いた。
どうやら、眠りのキノコで眠ってしまったらしい。でも、辺りが変だ、気づいたら拘束されているのか動くことができない。よく見ると、隣でケーが眠っている。スースー眠る姿に思わず可愛いなぁ、と思ってしまった。
(ケーに心の通信送るよ。起きて、起きて。)
ケーはなかなか目覚めない。
どうしようかと考えていると、逆の隣からツンツン突かれた。誰だろうと思ったら。
(君は魔法使いかい?僕はリーブスだけど。)
(僕はトゥルーだよ。確かにそうだけど君たちも魔法使いなのかい?)
(魔法使いじゃないけど、心の通信はできるんだよ。)
(ちなみに、私、メープルも目覚めているよ。)
(そうか。ケーが爆睡中で、呼びかけているんだけど目覚めなくて。)
(そうなのね。あ、縄を切るね。)メープルが言うとプツッと何かの切れる音がして、僕の身体は自由になった。
(ありがとう。ケーの縄も切ってくれるかい?)
(そうだね、僕が縄を切るよ。)リーブスが言うと、またプッツリと縄の切れる音がしてケーも自由になった。でも目覚める気配がない。
(僕たちはどうしたの?この状況解るかな、リーブス?)
(オークに取っ捕まったんだよ。盗み聞きしていたんだけどね。)
(それで?)と僕。
(どうやらオークはハーブを口にしていたから、眠りのキノコの匂いをかがずに済んだようだ。)
(そんなハーブあるんだね。それで?)
(僕たちはロープでグルグル巻きにされて、この荷物と一緒に荷台で運ばれている途中のようなんだ。)
どうりで、さっきからガラゴロと音がうるさいし、ガタゴト揺れていて目を開けると目の上に藁が敷いてあってうっすらしか外が見えない。
(これからどうしようか?)僕は心の通信で尋ねる。
(ケーちゃんが起きたら、全員で脱出しよう。)リーブスが力強く言った。
(荷物はそのままあるから、ケーちゃんを起こしてくれる?)メープルも言った。
ケーに小声で呼びかけると、ケーはうっすら目を開けた!
(ケー!起きた?)僕が心の通信で呼びかける。指を口に当てて話さないでと合図を送って。
(う、うん、こっちでいいの?)ケーはまだ状況がわからないようだ。
(そう。僕たちは捕まっちゃったんだ。)
3人でいままでの状況を言うと、ケーは大体のみ込めたようだった。
(で、どうするの?これから。)ケーが尋ねた。
(もちろん脱出するんだよ。)と僕。
(大丈夫、チャンスはあるよ。)リーブスが言った。
(皆、眠ったフリして。)メープルが慌てて言った。
ガタン。揺れていた荷台は止まり、気配が2人近づくとガサっと藁をはねあげた。
「まだ眠っているようだな。」片方がガサガサ声で話した。
「おめでたい奴らだ。」もう片方もガサガサ声で聞き取りづらかった。
「ちょっと休憩するか。こいつら寝ているから逃げられないだろ?。」
「そうだな。」
気配は遠のいていった。
(あれはオークだよ。)リーブスが苦々しげに言った。
(あれが?聞き取りづらい声だね~。)ケーが言った。
(さ、今のうちに脱出しましょ。)メープルが急いで言った。
僕が思いきって藁を横にずらすと、少し頭を出して、周囲の様子を見た。
荷台から20メートル程離れたあたりに焚火を起こして、何かを食っていた。
反対側からの景色には誰も見張っていない。
(こっちからの景色には誰もいなかったよ。今がチャンスだよ!)
僕が言うと3人とも深く頷いて脱出したのだった。
荷台は道なりに進んでいたようで、道から外れて、すぐに草むらと森の中に入る。
一同ホッとして、オークを改めて観察したのだった。
オークは3人ほどで焚火を囲み、肉?を食っている様子だった。
「これからどうしようか?」ケーが言った。
すかさず、しっ。口に指をあて、リーブスが心の通信で言った。
(オークは耳がいい。まだ気を付けた方がいいよ。)
(了解。)ケーが答えた。
(でも、この先はどう進んだらいいのかしら?)メープルが言った。
僕は地図とコンパスを見ながら、言った。
(川のせせらぎが聞こえるから、川へ出ようよ。川は地図にあるから、遠回りだけど行けると思うよ。)
(そうね。だけどさっきみたいに、また眠りのキノコなんてないよねぇ?)メープルが心配げな顔をして言った。
(それは大丈夫…と思う。とりあえず川へ出れば、地図のどこか多分わかるから。)と僕。
(それにしても、何もなくてよかったよね?)ケーがため息交じりに言った。
(そうだね。…げっ。)とリーブス。
(地図を見てくれよ。もう少し行くと、オークの村があるよ。)リーブスは鳥肌が立つようだ。
(危なかったな。)と僕。
(そうだね。)一同ホッとした。
ちょっとの休憩の後、そろそろと移動して、川のせせらぎを頼りに森の中を進んでいった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
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バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
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バーチャル学校vol2 05
作 林柚希
いよいよツリー村をあとにする。もう、必要なものはないだろうか。
僕は考え込むが、ええい、もうぶっつけ本番だ。
「ケー、忘れ物はないかい?」それでも、ケーには確認を取る、ケーは大丈夫と返事をした。
リーブスとメープルも一緒だ。リーブスはたいまつを、メープルはランタンを持っているので、先はそこそこ明るい。それでも、4,5メートル先になるともう真っ暗だ。
ツリー村を離れると明かりを灯しているといっても、真っ暗闇に包まれ、心もとない。
だけど、このメンバーなら大丈夫。…という、自信がある。
歩いて数分経つと、最初の分岐点についた。歩いてきた道から先は東西に分かれている。いわゆるT字路だ。
分かれる道のど真ん中に明かりを集めると、地図を広げる。
やはり、左に続く西への道は、不思議と森に繋がっている。ここは、右に続く東への道を辿らなきゃいけなさそうだ。
「右の道へ行こう。」リーブスが言った。
「そうだね。」3人が頷いた。
右の道は、段々と坂になっていて下っているようだ。そして地図を見ると一本道だけど、くるっと逆時計回りに廻って今度は北に向かっているようだ。そうそう、コンパスも持ってきていた。
ところどころ、天井からピチョン、ピチョンと水の滴り落る音が遠くから聞こえる。
その、水の落ちる音が徐々に近づいて、目の前になった時、一同「うっ。」と呻いた。
北に延びる道の左右から土砂が流れ、右の穴からは川が見えている。左の穴からは、大きな水たまりが見えていて、水の落ちる音は、そこから聞こえるようだ。
僕は思わず「リーブス、どうしようか?」と訊いてしまった。
この場所で、皆休憩を取ることにして、明かりをまた中央に集め、地図を広げる。
「地図にこんな場所はないね。」リーブスはため息をついた。
不安になった僕はケーに訊いた。
「ケー、僕たちが無事に迷宮を出られるかどうか予知してくれないかな。」
「わかった。そうだね、安心するもんね。」ケーは頷くと予知を暗がりに行って始めた。
数分経って、戻ってきたケーは、ちょっと複雑そうな顔をしていた。
「どうだった、予知は?」僕が訊いた。
「無事に通り抜けられる、と出たよ。」ケーの言葉に、一同、ため息が漏れる。
「だけど…。」ケーは言葉を濁す。
「だけど、何?」皆、予測がつかないので思わず尋ねる。
「既知の存在に阻まれる、って出たんだよ。」ケーは吐き出すように言った。
「既知の存在?」僕は、訳が分からない。
「あなた方の知り合いに阻まれるの?」メープルが不思議そうに言う。
「おかしいよねぇ。」リーブスが言う。
僕はよく考えた末、既知の存在はともかく、目の前の道をどう突破するか考えた。
「とりあえず、この道をどう通り抜けるか考えようよ。」と僕。
「そうだね、土砂の道を歩くのは危険だと思う。他の道を行こうよ。皆の意見は?」とリーブス。
3人とも「賛成。」だった。崩落の場所は地図へ書き加えた。
地図をよく見ると、ここから手前の分岐点に、洞窟の出入り口に通じる道があったので、そちらまで、一旦戻ったのだった。
さっきのT字路だ。
一同、今度は左(西)に進むことにした。
西へ進むと、話し声が遠くから聞こえてくる。
ささやき声で「どうする?進む?」とケーが言ってくる。皆進むべし、と歩いて行った。
そこは、巨大な洞穴の中に、不思議な森があり、霧がかかっていて先が見えなかったのだった。
地図を見ると「不思議の森」と書かれていて、立ち入らない方が良い、と注意書きさえあった。だが、ここを通り過ぎないと、洞穴の出入り口に辿りつけない。
一同で話し合った末、遠回りだけど森の端をなるべく通って、森を横断することにした。
光がないはずなのに、不思議とたいまつやランタンが無くともふんわりと森を見ることができる。動物の気配もある。水のせせらぎも聞こえていて、ここが地底なのを忘れそうだ。
「不思議な場所ねぇ。」メープルが、辺りを見ながら言った。
くんくん。僕は、何か不思議な香りがするのを感知した。
「何か変わった香りがしない?」ケーも気がついたようだ。
段々と香りがきつくなり、むせそうだ。
ゴホ、と咳込むとリーブスは地図を見て、しまった、という顔をした。
「ここは眠りのキノコが群生…」そのままバタっと倒れてしまった。
残り3人ともバタバタと眠りに落ちていった。
鳥がバタバタと飛びすさり、誰かの足音がガサガサと草むらから聞こえていた。
この作品は、どこにも投稿していません。
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バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
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いよいよツリー村をあとにする。もう、必要なものはないだろうか。
僕は考え込むが、ええい、もうぶっつけ本番だ。
「ケー、忘れ物はないかい?」それでも、ケーには確認を取る、ケーは大丈夫と返事をした。
リーブスとメープルも一緒だ。リーブスはたいまつを、メープルはランタンを持っているので、先はそこそこ明るい。それでも、4,5メートル先になるともう真っ暗だ。
ツリー村を離れると明かりを灯しているといっても、真っ暗闇に包まれ、心もとない。
だけど、このメンバーなら大丈夫。…という、自信がある。
歩いて数分経つと、最初の分岐点についた。歩いてきた道から先は東西に分かれている。いわゆるT字路だ。
分かれる道のど真ん中に明かりを集めると、地図を広げる。
やはり、左に続く西への道は、不思議と森に繋がっている。ここは、右に続く東への道を辿らなきゃいけなさそうだ。
「右の道へ行こう。」リーブスが言った。
「そうだね。」3人が頷いた。
右の道は、段々と坂になっていて下っているようだ。そして地図を見ると一本道だけど、くるっと逆時計回りに廻って今度は北に向かっているようだ。そうそう、コンパスも持ってきていた。
ところどころ、天井からピチョン、ピチョンと水の滴り落る音が遠くから聞こえる。
その、水の落ちる音が徐々に近づいて、目の前になった時、一同「うっ。」と呻いた。
北に延びる道の左右から土砂が流れ、右の穴からは川が見えている。左の穴からは、大きな水たまりが見えていて、水の落ちる音は、そこから聞こえるようだ。
僕は思わず「リーブス、どうしようか?」と訊いてしまった。
この場所で、皆休憩を取ることにして、明かりをまた中央に集め、地図を広げる。
「地図にこんな場所はないね。」リーブスはため息をついた。
不安になった僕はケーに訊いた。
「ケー、僕たちが無事に迷宮を出られるかどうか予知してくれないかな。」
「わかった。そうだね、安心するもんね。」ケーは頷くと予知を暗がりに行って始めた。
数分経って、戻ってきたケーは、ちょっと複雑そうな顔をしていた。
「どうだった、予知は?」僕が訊いた。
「無事に通り抜けられる、と出たよ。」ケーの言葉に、一同、ため息が漏れる。
「だけど…。」ケーは言葉を濁す。
「だけど、何?」皆、予測がつかないので思わず尋ねる。
「既知の存在に阻まれる、って出たんだよ。」ケーは吐き出すように言った。
「既知の存在?」僕は、訳が分からない。
「あなた方の知り合いに阻まれるの?」メープルが不思議そうに言う。
「おかしいよねぇ。」リーブスが言う。
僕はよく考えた末、既知の存在はともかく、目の前の道をどう突破するか考えた。
「とりあえず、この道をどう通り抜けるか考えようよ。」と僕。
「そうだね、土砂の道を歩くのは危険だと思う。他の道を行こうよ。皆の意見は?」とリーブス。
3人とも「賛成。」だった。崩落の場所は地図へ書き加えた。
地図をよく見ると、ここから手前の分岐点に、洞窟の出入り口に通じる道があったので、そちらまで、一旦戻ったのだった。
さっきのT字路だ。
一同、今度は左(西)に進むことにした。
西へ進むと、話し声が遠くから聞こえてくる。
ささやき声で「どうする?進む?」とケーが言ってくる。皆進むべし、と歩いて行った。
そこは、巨大な洞穴の中に、不思議な森があり、霧がかかっていて先が見えなかったのだった。
地図を見ると「不思議の森」と書かれていて、立ち入らない方が良い、と注意書きさえあった。だが、ここを通り過ぎないと、洞穴の出入り口に辿りつけない。
一同で話し合った末、遠回りだけど森の端をなるべく通って、森を横断することにした。
光がないはずなのに、不思議とたいまつやランタンが無くともふんわりと森を見ることができる。動物の気配もある。水のせせらぎも聞こえていて、ここが地底なのを忘れそうだ。
「不思議な場所ねぇ。」メープルが、辺りを見ながら言った。
くんくん。僕は、何か不思議な香りがするのを感知した。
「何か変わった香りがしない?」ケーも気がついたようだ。
段々と香りがきつくなり、むせそうだ。
ゴホ、と咳込むとリーブスは地図を見て、しまった、という顔をした。
「ここは眠りのキノコが群生…」そのままバタっと倒れてしまった。
残り3人ともバタバタと眠りに落ちていった。
鳥がバタバタと飛びすさり、誰かの足音がガサガサと草むらから聞こえていた。
この作品は、どこにも投稿していません。
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