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●詩、小説●
2024-09-02 14:30:13バーチャル学校vol2 05
作 林柚希
いよいよツリー村をあとにする。もう、必要なものはないだろうか。
僕は考え込むが、ええい、もうぶっつけ本番だ。
「ケー、忘れ物はないかい?」それでも、ケーには確認を取る、ケーは大丈夫と返事をした。
リーブスとメープルも一緒だ。リーブスはたいまつを、メープルはランタンを持っているので、先はそこそこ明るい。それでも、4,5メートル先になるともう真っ暗だ。
ツリー村を離れると明かりを灯しているといっても、真っ暗闇に包まれ、心もとない。
だけど、このメンバーなら大丈夫。…という、自信がある。
歩いて数分経つと、最初の分岐点についた。歩いてきた道から先は東西に分かれている。いわゆるT字路だ。
分かれる道のど真ん中に明かりを集めると、地図を広げる。
やはり、左に続く西への道は、不思議と森に繋がっている。ここは、右に続く東への道を辿らなきゃいけなさそうだ。
「右の道へ行こう。」リーブスが言った。
「そうだね。」3人が頷いた。
右の道は、段々と坂になっていて下っているようだ。そして地図を見ると一本道だけど、くるっと逆時計回りに廻って今度は北に向かっているようだ。そうそう、コンパスも持ってきていた。
ところどころ、天井からピチョン、ピチョンと水の滴り落る音が遠くから聞こえる。
その、水の落ちる音が徐々に近づいて、目の前になった時、一同「うっ。」と呻いた。
北に延びる道の左右から土砂が流れ、右の穴からは川が見えている。左の穴からは、大きな水たまりが見えていて、水の落ちる音は、そこから聞こえるようだ。
僕は思わず「リーブス、どうしようか?」と訊いてしまった。
この場所で、皆休憩を取ることにして、明かりをまた中央に集め、地図を広げる。
「地図にこんな場所はないね。」リーブスはため息をついた。
不安になった僕はケーに訊いた。
「ケー、僕たちが無事に迷宮を出られるかどうか予知してくれないかな。」
「わかった。そうだね、安心するもんね。」ケーは頷くと予知を暗がりに行って始めた。
数分経って、戻ってきたケーは、ちょっと複雑そうな顔をしていた。
「どうだった、予知は?」僕が訊いた。
「無事に通り抜けられる、と出たよ。」ケーの言葉に、一同、ため息が漏れる。
「だけど…。」ケーは言葉を濁す。
「だけど、何?」皆、予測がつかないので思わず尋ねる。
「既知の存在に阻まれる、って出たんだよ。」ケーは吐き出すように言った。
「既知の存在?」僕は、訳が分からない。
「あなた方の知り合いに阻まれるの?」メープルが不思議そうに言う。
「おかしいよねぇ。」リーブスが言う。
僕はよく考えた末、既知の存在はともかく、目の前の道をどう突破するか考えた。
「とりあえず、この道をどう通り抜けるか考えようよ。」と僕。
「そうだね、土砂の道を歩くのは危険だと思う。他の道を行こうよ。皆の意見は?」とリーブス。
3人とも「賛成。」だった。崩落の場所は地図へ書き加えた。
地図をよく見ると、ここから手前の分岐点に、洞窟の出入り口に通じる道があったので、そちらまで、一旦戻ったのだった。
さっきのT字路だ。
一同、今度は左(西)に進むことにした。
西へ進むと、話し声が遠くから聞こえてくる。
ささやき声で「どうする?進む?」とケーが言ってくる。皆進むべし、と歩いて行った。
そこは、巨大な洞穴の中に、不思議な森があり、霧がかかっていて先が見えなかったのだった。
地図を見ると「不思議の森」と書かれていて、立ち入らない方が良い、と注意書きさえあった。だが、ここを通り過ぎないと、洞穴の出入り口に辿りつけない。
一同で話し合った末、遠回りだけど森の端をなるべく通って、森を横断することにした。
光がないはずなのに、不思議とたいまつやランタンが無くともふんわりと森を見ることができる。動物の気配もある。水のせせらぎも聞こえていて、ここが地底なのを忘れそうだ。
「不思議な場所ねぇ。」メープルが、辺りを見ながら言った。
くんくん。僕は、何か不思議な香りがするのを感知した。
「何か変わった香りがしない?」ケーも気がついたようだ。
段々と香りがきつくなり、むせそうだ。
ゴホ、と咳込むとリーブスは地図を見て、しまった、という顔をした。
「ここは眠りのキノコが群生…」そのままバタっと倒れてしまった。
残り3人ともバタバタと眠りに落ちていった。
鳥がバタバタと飛びすさり、誰かの足音がガサガサと草むらから聞こえていた。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
いよいよツリー村をあとにする。もう、必要なものはないだろうか。
僕は考え込むが、ええい、もうぶっつけ本番だ。
「ケー、忘れ物はないかい?」それでも、ケーには確認を取る、ケーは大丈夫と返事をした。
リーブスとメープルも一緒だ。リーブスはたいまつを、メープルはランタンを持っているので、先はそこそこ明るい。それでも、4,5メートル先になるともう真っ暗だ。
ツリー村を離れると明かりを灯しているといっても、真っ暗闇に包まれ、心もとない。
だけど、このメンバーなら大丈夫。…という、自信がある。
歩いて数分経つと、最初の分岐点についた。歩いてきた道から先は東西に分かれている。いわゆるT字路だ。
分かれる道のど真ん中に明かりを集めると、地図を広げる。
やはり、左に続く西への道は、不思議と森に繋がっている。ここは、右に続く東への道を辿らなきゃいけなさそうだ。
「右の道へ行こう。」リーブスが言った。
「そうだね。」3人が頷いた。
右の道は、段々と坂になっていて下っているようだ。そして地図を見ると一本道だけど、くるっと逆時計回りに廻って今度は北に向かっているようだ。そうそう、コンパスも持ってきていた。
ところどころ、天井からピチョン、ピチョンと水の滴り落る音が遠くから聞こえる。
その、水の落ちる音が徐々に近づいて、目の前になった時、一同「うっ。」と呻いた。
北に延びる道の左右から土砂が流れ、右の穴からは川が見えている。左の穴からは、大きな水たまりが見えていて、水の落ちる音は、そこから聞こえるようだ。
僕は思わず「リーブス、どうしようか?」と訊いてしまった。
この場所で、皆休憩を取ることにして、明かりをまた中央に集め、地図を広げる。
「地図にこんな場所はないね。」リーブスはため息をついた。
不安になった僕はケーに訊いた。
「ケー、僕たちが無事に迷宮を出られるかどうか予知してくれないかな。」
「わかった。そうだね、安心するもんね。」ケーは頷くと予知を暗がりに行って始めた。
数分経って、戻ってきたケーは、ちょっと複雑そうな顔をしていた。
「どうだった、予知は?」僕が訊いた。
「無事に通り抜けられる、と出たよ。」ケーの言葉に、一同、ため息が漏れる。
「だけど…。」ケーは言葉を濁す。
「だけど、何?」皆、予測がつかないので思わず尋ねる。
「既知の存在に阻まれる、って出たんだよ。」ケーは吐き出すように言った。
「既知の存在?」僕は、訳が分からない。
「あなた方の知り合いに阻まれるの?」メープルが不思議そうに言う。
「おかしいよねぇ。」リーブスが言う。
僕はよく考えた末、既知の存在はともかく、目の前の道をどう突破するか考えた。
「とりあえず、この道をどう通り抜けるか考えようよ。」と僕。
「そうだね、土砂の道を歩くのは危険だと思う。他の道を行こうよ。皆の意見は?」とリーブス。
3人とも「賛成。」だった。崩落の場所は地図へ書き加えた。
地図をよく見ると、ここから手前の分岐点に、洞窟の出入り口に通じる道があったので、そちらまで、一旦戻ったのだった。
さっきのT字路だ。
一同、今度は左(西)に進むことにした。
西へ進むと、話し声が遠くから聞こえてくる。
ささやき声で「どうする?進む?」とケーが言ってくる。皆進むべし、と歩いて行った。
そこは、巨大な洞穴の中に、不思議な森があり、霧がかかっていて先が見えなかったのだった。
地図を見ると「不思議の森」と書かれていて、立ち入らない方が良い、と注意書きさえあった。だが、ここを通り過ぎないと、洞穴の出入り口に辿りつけない。
一同で話し合った末、遠回りだけど森の端をなるべく通って、森を横断することにした。
光がないはずなのに、不思議とたいまつやランタンが無くともふんわりと森を見ることができる。動物の気配もある。水のせせらぎも聞こえていて、ここが地底なのを忘れそうだ。
「不思議な場所ねぇ。」メープルが、辺りを見ながら言った。
くんくん。僕は、何か不思議な香りがするのを感知した。
「何か変わった香りがしない?」ケーも気がついたようだ。
段々と香りがきつくなり、むせそうだ。
ゴホ、と咳込むとリーブスは地図を見て、しまった、という顔をした。
「ここは眠りのキノコが群生…」そのままバタっと倒れてしまった。
残り3人ともバタバタと眠りに落ちていった。
鳥がバタバタと飛びすさり、誰かの足音がガサガサと草むらから聞こえていた。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
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バーチャル学校vol2-07
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バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
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物語の終りは、こちらになります。
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