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●詩、小説●
2024-09-03 01:52:30バーチャル学校vol2 06
作 林柚希
ガタン、という音で、僕は気が付いた。
どうやら、眠りのキノコで眠ってしまったらしい。でも、辺りが変だ、気づいたら拘束されているのか動くことができない。よく見ると、隣でケーが眠っている。スースー眠る姿に思わず可愛いなぁ、と思ってしまった。
(ケーに心の通信送るよ。起きて、起きて。)
ケーはなかなか目覚めない。
どうしようかと考えていると、逆の隣からツンツン突かれた。誰だろうと思ったら。
(君は魔法使いかい?僕はリーブスだけど。)
(僕はトゥルーだよ。確かにそうだけど君たちも魔法使いなのかい?)
(魔法使いじゃないけど、心の通信はできるんだよ。)
(ちなみに、私、メープルも目覚めているよ。)
(そうか。ケーが爆睡中で、呼びかけているんだけど目覚めなくて。)
(そうなのね。あ、縄を切るね。)メープルが言うとプツッと何かの切れる音がして、僕の身体は自由になった。
(ありがとう。ケーの縄も切ってくれるかい?)
(そうだね、僕が縄を切るよ。)リーブスが言うと、またプッツリと縄の切れる音がしてケーも自由になった。でも目覚める気配がない。
(僕たちはどうしたの?この状況解るかな、リーブス?)
(オークに取っ捕まったんだよ。盗み聞きしていたんだけどね。)
(それで?)と僕。
(どうやらオークはハーブを口にしていたから、眠りのキノコの匂いをかがずに済んだようだ。)
(そんなハーブあるんだね。それで?)
(僕たちはロープでグルグル巻きにされて、この荷物と一緒に荷台で運ばれている途中のようなんだ。)
どうりで、さっきからガラゴロと音がうるさいし、ガタゴト揺れていて目を開けると目の上に藁が敷いてあってうっすらしか外が見えない。
(これからどうしようか?)僕は心の通信で尋ねる。
(ケーちゃんが起きたら、全員で脱出しよう。)リーブスが力強く言った。
(荷物はそのままあるから、ケーちゃんを起こしてくれる?)メープルも言った。
ケーに小声で呼びかけると、ケーはうっすら目を開けた!
(ケー!起きた?)僕が心の通信で呼びかける。指を口に当てて話さないでと合図を送って。
(う、うん、こっちでいいの?)ケーはまだ状況がわからないようだ。
(そう。僕たちは捕まっちゃったんだ。)
3人でいままでの状況を言うと、ケーは大体のみ込めたようだった。
(で、どうするの?これから。)ケーが尋ねた。
(もちろん脱出するんだよ。)と僕。
(大丈夫、チャンスはあるよ。)リーブスが言った。
(皆、眠ったフリして。)メープルが慌てて言った。
ガタン。揺れていた荷台は止まり、気配が2人近づくとガサっと藁をはねあげた。
「まだ眠っているようだな。」片方がガサガサ声で話した。
「おめでたい奴らだ。」もう片方もガサガサ声で聞き取りづらかった。
「ちょっと休憩するか。こいつら寝ているから逃げられないだろ?。」
「そうだな。」
気配は遠のいていった。
(あれはオークだよ。)リーブスが苦々しげに言った。
(あれが?聞き取りづらい声だね~。)ケーが言った。
(さ、今のうちに脱出しましょ。)メープルが急いで言った。
僕が思いきって藁を横にずらすと、少し頭を出して、周囲の様子を見た。
荷台から20メートル程離れたあたりに焚火を起こして、何かを食っていた。
反対側からの景色には誰も見張っていない。
(こっちからの景色には誰もいなかったよ。今がチャンスだよ!)
僕が言うと3人とも深く頷いて脱出したのだった。
荷台は道なりに進んでいたようで、道から外れて、すぐに草むらと森の中に入る。
一同ホッとして、オークを改めて観察したのだった。
オークは3人ほどで焚火を囲み、肉?を食っている様子だった。
「これからどうしようか?」ケーが言った。
すかさず、しっ。口に指をあて、リーブスが心の通信で言った。
(オークは耳がいい。まだ気を付けた方がいいよ。)
(了解。)ケーが答えた。
(でも、この先はどう進んだらいいのかしら?)メープルが言った。
僕は地図とコンパスを見ながら、言った。
(川のせせらぎが聞こえるから、川へ出ようよ。川は地図にあるから、遠回りだけど行けると思うよ。)
(そうね。だけどさっきみたいに、また眠りのキノコなんてないよねぇ?)メープルが心配げな顔をして言った。
(それは大丈夫…と思う。とりあえず川へ出れば、地図のどこか多分わかるから。)と僕。
(それにしても、何もなくてよかったよね?)ケーがため息交じりに言った。
(そうだね。…げっ。)とリーブス。
(地図を見てくれよ。もう少し行くと、オークの村があるよ。)リーブスは鳥肌が立つようだ。
(危なかったな。)と僕。
(そうだね。)一同ホッとした。
ちょっとの休憩の後、そろそろと移動して、川のせせらぎを頼りに森の中を進んでいった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
ガタン、という音で、僕は気が付いた。
どうやら、眠りのキノコで眠ってしまったらしい。でも、辺りが変だ、気づいたら拘束されているのか動くことができない。よく見ると、隣でケーが眠っている。スースー眠る姿に思わず可愛いなぁ、と思ってしまった。
(ケーに心の通信送るよ。起きて、起きて。)
ケーはなかなか目覚めない。
どうしようかと考えていると、逆の隣からツンツン突かれた。誰だろうと思ったら。
(君は魔法使いかい?僕はリーブスだけど。)
(僕はトゥルーだよ。確かにそうだけど君たちも魔法使いなのかい?)
(魔法使いじゃないけど、心の通信はできるんだよ。)
(ちなみに、私、メープルも目覚めているよ。)
(そうか。ケーが爆睡中で、呼びかけているんだけど目覚めなくて。)
(そうなのね。あ、縄を切るね。)メープルが言うとプツッと何かの切れる音がして、僕の身体は自由になった。
(ありがとう。ケーの縄も切ってくれるかい?)
(そうだね、僕が縄を切るよ。)リーブスが言うと、またプッツリと縄の切れる音がしてケーも自由になった。でも目覚める気配がない。
(僕たちはどうしたの?この状況解るかな、リーブス?)
(オークに取っ捕まったんだよ。盗み聞きしていたんだけどね。)
(それで?)と僕。
(どうやらオークはハーブを口にしていたから、眠りのキノコの匂いをかがずに済んだようだ。)
(そんなハーブあるんだね。それで?)
(僕たちはロープでグルグル巻きにされて、この荷物と一緒に荷台で運ばれている途中のようなんだ。)
どうりで、さっきからガラゴロと音がうるさいし、ガタゴト揺れていて目を開けると目の上に藁が敷いてあってうっすらしか外が見えない。
(これからどうしようか?)僕は心の通信で尋ねる。
(ケーちゃんが起きたら、全員で脱出しよう。)リーブスが力強く言った。
(荷物はそのままあるから、ケーちゃんを起こしてくれる?)メープルも言った。
ケーに小声で呼びかけると、ケーはうっすら目を開けた!
(ケー!起きた?)僕が心の通信で呼びかける。指を口に当てて話さないでと合図を送って。
(う、うん、こっちでいいの?)ケーはまだ状況がわからないようだ。
(そう。僕たちは捕まっちゃったんだ。)
3人でいままでの状況を言うと、ケーは大体のみ込めたようだった。
(で、どうするの?これから。)ケーが尋ねた。
(もちろん脱出するんだよ。)と僕。
(大丈夫、チャンスはあるよ。)リーブスが言った。
(皆、眠ったフリして。)メープルが慌てて言った。
ガタン。揺れていた荷台は止まり、気配が2人近づくとガサっと藁をはねあげた。
「まだ眠っているようだな。」片方がガサガサ声で話した。
「おめでたい奴らだ。」もう片方もガサガサ声で聞き取りづらかった。
「ちょっと休憩するか。こいつら寝ているから逃げられないだろ?。」
「そうだな。」
気配は遠のいていった。
(あれはオークだよ。)リーブスが苦々しげに言った。
(あれが?聞き取りづらい声だね~。)ケーが言った。
(さ、今のうちに脱出しましょ。)メープルが急いで言った。
僕が思いきって藁を横にずらすと、少し頭を出して、周囲の様子を見た。
荷台から20メートル程離れたあたりに焚火を起こして、何かを食っていた。
反対側からの景色には誰も見張っていない。
(こっちからの景色には誰もいなかったよ。今がチャンスだよ!)
僕が言うと3人とも深く頷いて脱出したのだった。
荷台は道なりに進んでいたようで、道から外れて、すぐに草むらと森の中に入る。
一同ホッとして、オークを改めて観察したのだった。
オークは3人ほどで焚火を囲み、肉?を食っている様子だった。
「これからどうしようか?」ケーが言った。
すかさず、しっ。口に指をあて、リーブスが心の通信で言った。
(オークは耳がいい。まだ気を付けた方がいいよ。)
(了解。)ケーが答えた。
(でも、この先はどう進んだらいいのかしら?)メープルが言った。
僕は地図とコンパスを見ながら、言った。
(川のせせらぎが聞こえるから、川へ出ようよ。川は地図にあるから、遠回りだけど行けると思うよ。)
(そうね。だけどさっきみたいに、また眠りのキノコなんてないよねぇ?)メープルが心配げな顔をして言った。
(それは大丈夫…と思う。とりあえず川へ出れば、地図のどこか多分わかるから。)と僕。
(それにしても、何もなくてよかったよね?)ケーがため息交じりに言った。
(そうだね。…げっ。)とリーブス。
(地図を見てくれよ。もう少し行くと、オークの村があるよ。)リーブスは鳥肌が立つようだ。
(危なかったな。)と僕。
(そうだね。)一同ホッとした。
ちょっとの休憩の後、そろそろと移動して、川のせせらぎを頼りに森の中を進んでいった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
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