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●詩、小説●

2024-12-28 05:29:18

バーチャル学校vol3 14

作 林柚希

建物の外に出ると、轟音と共に建物は崩れ落ちていったのだった。
「危なかったわねー。」ケーとアメリアが同時に言うと、にこっとお互い笑った。意外だな、二人は仲が悪いのかと思った。勇気を出して、そう言うと二人そろってそんなことないわよ、と言いあってまた笑った。
「そうそう、皆に報告があるんだけど。」アメリアが言い出したので、内心皆ドキッとした。
「なぁに?」何気なく、僕が訊くと、アメリアは言った。
「私にね、トカゲが憑りついていたみたい。」手のひらに、小さなトカゲの死体を皆に見せた。
ケーは、それを見てゲッといっていたけれど、ジョンは、それよりもかなり心配していたようだ。まぁ、僕はあまり関わらなくていいんだけど、ってスタンスだ。アメリアの熱視線に困っていたからだ。
「私はね、トゥルーに横恋慕していたけれど、それはトカゲのせいだったようよ。」アメリアが爆弾発言をした。
ケーが驚き、ジョンと僕ははホッとした。
「じゃ、今はどうなの?」ケーに恋バナをせっつかれて、アメリアは、今?今はジョンかな、と堂々と言い放った。
これには僕とジョンもビックリして、ジョンが「そんな話はコッソリしてよ。」とたしなめた。
「そうね。後でコッソリしましょ?」アメリアはジョンににっこり微笑むと、ジョンもまんざらでもなさそうだ。

海の民の村まで戻ってくると、ジョンとアメリアと名残惜しい最後の会話になった。
「今までありがとう。」僕が言った。
「今まで迷惑かけてごめんね。」アメリアはウインクして僕に言った。
「それは、僕にしてよ?」ジョンがアメリアに言った。
「そうね。」アメリアはジョンにもウインクした。
「あなたは、正直に言いなさいよ?」アメリアはケーにも言った。なんだろう、正直って?
「わかってる。あなたには脱帽だわ。」ケーがアメリアに言った。
「末永く仲良くね!」僕がアメリアとジョンに言った。ケーもそうそうと言った。
「私の予言は当たったかしら?」ケーはアメリアとジョンにウインクした。
「当たったようよ。」アメリアはちょっと恥ずかしそうに言った。
「ありがとう。」ジョンもケーと僕に言ってきた。あまり語らない奴だけどいい奴だと思った。
僕とジョンは手を組んで肩を叩き合った。
「じゃあな!」皆でさよならをした。

そうして、海の民の村を離れて、海を二人きりで歩いた。なんだか気まずい。なんでだろう。
「ねぇ!」ケーがまず口にした。ドキッとした。
「なに?」僕は何気ない調子をなるべくだして言った。
「アメリアのこと、どう思ったの?」ケーがじっとこちらを見つめている。
「アメリア?いい奴だけど、それだけだよ。」僕はなんだかドキドキしてきた。
「ほんとに、それだけ?」ケーはどうしちゃったんだろう。それは僕もだけど。
「うん、それだけ。じゃ、ジョンはどう思った?」僕もこのままじゃ悔しいので返してみる。
「ジョン?ああ、いい人だよね。それだけだよ。」ケーも思い出しながらにっこり言った。
「じゃさ、私のことどう思う?」ケーが言ってきた。僕は…。
「ケー?…だ、大好きだよ。うん。」僕はなぜだかうんうん頷いている。
「そうなの?私も大好き!」ケーは嬉しそうに、やはり頷いている。
「そ、そうなの?」僕は、ドキドキが大きくなってしょうがない。
「それでね?それは、友達としてなの?」ケーは今日は追及してくるなぁ。でも!
「ぼ、僕は、友達より踏み込んでいいのかい?」思わず質問してしまった。しまったなぁ。
「もう!質問してくるなんて!いいに決まってるでしょ!」ケーは思わずにじり寄って来た。するとそのはずみで木のステッキを振ってしまった。
きゃっ、というケーに驚いて、どうした!、と僕が思わず一歩踏み出たら。
僕のくちびるがケーのくちびるに出会ってしまった!
ぼ、僕のファーストキス…。柔らかいなぁ、ケーのくちびる。
びっくりしたけれど、僕はケーを抱きしめて、ちゃんとキスしなおしたのだった。

そして海から出て海岸にいると、そこは夕日が傾いた時間だった。
驚き続きで、そこには旅館のメアリーさんが出迎えに来ていた。
「メアリーさんですよね?」ケーが言った。
「そうですよ。二人ともよく頑張りましたね~。」メアリーは労うように言った。
「ありがとうございます。」二人とも、ペコリとメアリーにお辞儀をした。
「ポセイドンモドキはどうしたのかしら。」メアリーは答えはわかっているけど、という顔をして言った。
「見事にやっつけましたよ!」僕がメアリーに色々と報告をした。
「そうなの。それでね、閉鎖された空間でなくなったのよ。だからね、電話が通じたのよ!」とても嬉しそうにメアリーはまた言った。
「あなた方の学校からね、連絡が来たのよ。だからね、あなた方の名前を言って預かっていると、こう答えたの。」
「そうですか。僕達は学校に帰りますね。」僕は答えた。
「そうだね、また遊びに来てね。いつでも歓迎するから。」メアリーはにこにこしている。
「お世話になりました。」僕達は、メアリーにそう言うとお辞儀をもう一度した。そして、メアリーからもらった地図を頼りに学校に帰っていったのだった。



今回の作品は、「水の中の世界」に挑戦してみました。
その中で、主人公やヒロイン達に思春期の気持ちを乗せてみましたがいかがでしたでしょうか。
今回はなかなかの難産でした。
バーチャル学校のvol.1に比べたら私も登場人物達も成長できたかな~と思っております。
あなたが、最後まで通して読んで楽しめたのなら私は幸いです。
最後に、どうもありがとうございました。

林柚希



物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04

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バーチャル学校vol3-14
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2024-12-27 17:06:07

バーチャル学校vol3 13

作 林柚希

「ヒィ!」もう皆、ゼィハァ、ゼィハァしている。
奴らは、どうやらあらかじめ知っていたらしく、紫色の赤ちゃんのようなのがやたらと襲ってくる。
「もう、いなくなった?」ケーが息を整えながら言った。
「いなくなったんじゃないか?」僕とジョンがやはり肩で息をしながら言った。
ケーは戦闘要員ではないので、アチコチ逃げ回りながらだったので、それで疲れてしまったらしい。
「おっ、そうだ!」僕は、ちょっと息を吸い込み、ブツブツと小声で木の端くれに呪文を唱えると、それをケーに渡した。
「なぁに?これ。」ケーは不思議そうに僕に訊いてきた。
「この木は、魔法のステッキだよ。」僕はちょっと偉そうにエヘンと咳き込むと言った。
「約2時間、このステッキが使えるよ。小さな火球が出るから、逃げ回るだけよりいいかと思って。」僕は言い放ってからカチンとこなきゃいいけどと、心配しながら言った。
「ちょっと試してもいい?」ケーはしげしげとその木の端くれを見ながら言った。
「いいよ。」僕は答えた。
「えい。」ケーが木のステッキを側の出口に向かって大きくゆっくり振るった。ボンっ小さな火球が出て出口に当たり、そこに隠れていた奴らが、キーと言いながら逃げていった。
「凄いね、これ。」ケーは降り過ぎないように気をつけ持ち直しながら言った。
「まぁね。」と僕が言うと、ケーは「ありがとう。」となんだか嬉しそうに言った。
「私にもないんですか?」アメリアも言ってきた。
「いや、君は戦闘要員だから大丈夫でしょう?」僕は軽く言うと、アメリアは私も欲しかったという顔をして、そう、とだけ言った。

建物の中に入り、すでに1時間だろうか。奴らは間断なく襲ってくる。が、僕達も負けていない。必死で少しづつ行軍していた。
そして、次の入口には「ポセイドンモドキ様の部屋」と書かれていた。
「なんだここ。大仰だなぁ。」ジョンは呆れたようだ。
「まぁ、ここで最後だよ。皆、心してかかろう!」僕が言った。
皆、おう!と掛け声を出すと、それぞれ緊張の面持ちで中に入っていった。

「ガハハハ!マッテイタゾ!」中央の豪奢な椅子に座った2メートルぐらいの長身の男が言い放った。
「念のため聞くぞ。お前は誰だ。」ケーが言った。
「オレカ!オレハポセイドンモドキサマだ。」そう言うと無駄にガハハと笑っている。
傍らにあるヤツよりも更に長い槍を持つとポセイドンモドキは言った。
「ジャ、タタカッテヤロウ!」
まず僕は、ジョンとアメリアに魔法バリアの呪文を唱えた。
同時にケーが木のステッキを3回振るった。小さな火球が3つ出て、どれもポセイドンモドキに当たった。
「イタイゾ!」ポセイドンモドキは、そう言うと、ジョンとアメリアと剣と槍で交えて戦いだした。
どうやら、長い槍は、近くに寄られると戦いづらいらしい。
剣での傷がポセイドンモドキにだんだん増えていく。奴は、血が流れて始めていた。

奴が、自分の血でコケた時、皆がチャンスだと思った。
ジョンが剣で刺そうとした時、ボンッと音がして、灰色の煙がポセイドンモドキの周囲に出た。
「皆、一旦離れて!」ケーが注意の声をあげた。
煙が無くなり、ポセイドンモドキに目を向けるとそこには…、アメリアがいた。

「アメリア!?」皆が驚いていると、一人だけ「私!?」と言った存在がいた。
そう、アメリアだった。
この場には、アメリアが二人いるのだ。
片方は、ジョンの後方にいて剣を構えているアメリア。そう、こっちが普段のアメリアだろう。もう一人のアメリアは、ポセイドンモドキのいた辺りにいる。そのアメリアは、ポセイドンモドキの格好ではなく、剣を構え驚いているアメリアと同じ格好をしている。
「そう、私もアメリアよ。」口からの血を拭いながら、嬉しそうに言うアメリアは、どこか妖艶だ。なんだか違う。
「違う!!私こそが本当のアメリアよ!」剣を構えたアメリアがキツい目線でもう一人のアメリアに向かって言った。
「違うわよ。私こそが、アメリアよ。」にっこりと微笑むアメリアは、なんだかいつものアメリアのようで困る。僕は正直言ってどうやってこの難局を乗り越えたらいいのかわからない。
「お前に訊く。小さい頃のあだ名を言ってみろ!」ジョンは、剣をアメリア、そうポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアに向かって言った。
「え…。そ、そんなの忘れちゃったわよ。」アメリアは焦っていたが、小さく肩をすくめて言った。
「私は言えるわよ。」剣を構えたアメリアは、私は大食らいと言われてたわ、と答えた。
すると、ポセイドンモドキのいた辺りにいるアメリアは、「私も言おうと思ったわよ。」と独り言を言った。
すると「えいっ。」ケーは何回か、木のステッキを振るうと、小さな火球がアメリアに当たった。
「ギャッ。」またボンッ、と音がして灰色の煙が出て、煙が無くなるとそこには、血を流しているポセイドンモドキがいた。
すかさず、「最後だっ!」とジョンが剣をふるった。僕も大火球をジョンに当たらないようにポセイドンモドキの腹を狙った。
「ギャーーーーーーー!」ポセイドンモドキは、ジョンの剣で片腕を失い槍を落として、僕の大火球で腹に穴が開いた。
「クッソ。」ポセイドンモドキは、何かを呟いている。
「やぁっ!」アメリアが渾身の力でポセイドンモドキの胸を刺した!
グサッと音がして、ポセイドンモドキの長い咆哮を聞いていた。

「お前、卑怯な手を使いやがって。」僕はそう言うとポセイドンモドキを見下ろしていた。
「そうよ、なんで私の姿になったのよ!」アメリアが言った。
「オマエ…、ニナッタラ、ユダンスルダロウト…オモッタ。」ポセイドンモドキは切れ切れにそう言った。
「それはそうだけど、でも無駄だったわね!」ケーが力強く言い放った。
「ソウダナ…。」ポセイドンモドキは、もう何も見ていないようだ。
「そうそう、お前は闇協会をしっているのかい?」僕は思い出して慌てて言った。
「オレハ…ヤミキョウカイノ…イチインダ。ハントをヒロゲルタメニ…ココニキタ。」ポセイドンモドキは、もう死にそうだ。
「お前が、この辺りを閉鎖しているんだろう?」ジョンが訊いた。
「オレガ…シネバ…ヘイサハ…トカレルダロウ。」最後の方は小声であまり聞き取れない。
「最後に、なんでそのポセイドンモドキなんて名前なの?」ケーが訊いた。
「ポセイドンニ…アコガレタンダ。」ポセイドンモドキは、もう答えられないようだ。
ポセイドンモドキに最後に引導を渡したのは、ジョンだった。
ポンッと音がして、そこには死んだトカゲがいた。
それと同時に、バリバリと音がして、その後に空間が軋むキインという音に耳を塞いでいたけれど、音が止むとどうやらこの建物は崩れそうになっていたので、皆慌てて脱出したのだった。



この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

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バーチャル学校vol3-01

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2024-12-26 06:29:16

バーチャル学校vol3 12

作 林柚希

食事をする場所に案内された、僕とケーはちょっと驚いた。
とある一角にあるその場所だけ、空気があった。
岩の洞穴のその一角は、空気があり、岩のテーブルと椅子が置いてあった。
そこまでくると、なにやら体がもったりしていて重かった。
水に濡れていたせいだろう。
ケーもそんな事を言っていた。
そこに、ジョンとアメリアもやって来た。

他の海の民とも話しながら、ジョンとアメリアは食事の準備をしてくれた。
貝殻をお皿にして、様々な食事が運ばれた。
コップは人間の使うものと一緒だった。

皆で食べ始めると、ジョンが言い始めた。
「それで、勝算はあるのかい?」
「僕は勝てると思っているよ。」僕が言った。
「私も大丈夫だと思っているから。」ケーが言った。
ケーはアメリアをなんだか気にしているようだ。なぜだろう。
「ところで、二人とも海から上がって大丈夫なのかい?」僕が訊いた。
「ああ、大丈夫だよ。こういう時もあるんだよ、僕達は。」ジョンが言った。
「そうそう。」アメリアが同意した。

食事の最後に、小さなコップを4人の側に置かれた。
「私からです。景気づけに。乾杯!」アメリアが言った。
「絶対勝つぞ!おー!」僕が言ったら、残りの三人も「おー!」と言ってクイっと一気に飲んだ。
「わー。これお酒かい?」僕は驚いた。
「私もビックリしたよ。酔わないといいけど。」ケーも、驚いていた。
食事が終わり、また海の底に行かなくてはならなくなった。
僕は、僕とケーに魔法をかけ直した。
いよいよだ。

「危ない!」僕は、アメリアが足を踏み外してずるっと滑りそうになっていたのを助け起こした。
「大丈夫かい?」僕は、アメリアを気遣うように言った。
「あ。大丈夫、です。」なんだかボーっとしている。
「ほら、シャンとして!」ケーが無理やり引きはがすとアメリアは残念そうに、そうね、と言って立ち上がった。
「行くよ!アメリア。」ジョンが即した。

海の中の村をあとにして、すぐに『ポセイドンモドキ』に向かいたいところだけど、人魚さん達を人魚村に送らなくてはならなくて、護衛も兼ねて人魚村に行く事になった。
人魚さん達のおしゃべりも賑やかで、なるべく静かに行きたいのになぁ、と僕は思った。
ジョンとアメリアは慣れっこなのかニコニコしている。
ケーはやたらと、アメリアと僕を気にしているようだが。もう、気にし過ぎだって。
僕は、どっちかというと、人魚さんが胸の貝殻をいじっているとそっちが気になるんだけどなぁ。
あ、ケーから肘鉄食らった。そしてアメリアに足を踏んづけられた。ひどいなぁ、もう、踏んだり蹴ったりだよ。
ジョンからは、笑われるし。味方がいないじゃないか、もう!

そんなわけで、人魚村の近くにある「人魚村はこちら」という標識を目指しているけれど、なかなか見つからない。
そうしているうちに、標識を見つけた。
標識に近づいたら、奴らに遭遇した。
そう、学校で見た使い魔のような奴らだ。
紫色の赤ちゃんのようなのが槍を持って、キーキー言っている。
人魚さん達は、後ろに下がって成り行きを見守っている。

奴らは、4匹いる。
「やるぞ!」僕がしんがりだ。
僕は、火球の魔法を唱えて1匹に当てた。1匹は煙を吹いて消えた。
1匹は、フゥーっと紫色のものを吐いてきた。
「毒なら任せろ!」ジョンが、手元の蛸壺に、行け!、というと蛸壺にその毒が全て吸い込まれた。いいぞ!と僕は思った。
僕は、もう一度火球を三回唱えると、奴ら三匹に火球を当てた。
奴らはいなくなった。

「強いね、トゥルー!」アメリアは、トゥルーの頬にキスした。
「ああ!」ジョンが羨ましがって、ジョンもアメリアからキスをもらっていた。
ケーは、ビキッときていたけれど、トゥルーのせいじゃないから、とお疲れさん、と言ってくれた。
僕は、思いっきりホッとした。アメリア、ちょっと君は静かにしていてよ、まったくもう!、とは言えなかった。
「人魚村は、こっちです。」人魚さん達が先頭に立って、案内してくれた。

幾つもの人魚さん達のワナをかいくぐった。
というのも、人魚さん達が村を守るために設けたワナがあったからだった。
そして、人魚村の入口に来た時、おおいにホッとしたものだった。

人魚さん達全員から、僕、ケー、ジョン、アメリアに祝福のキスをもらった。
アメリアとケーは、キスは要らないと言ったけれど、縁起物でいいからと、無理やりもらっていた。
僕とジョンは、役得だな、とちょっと嬉しかった。
人魚さん達から、『ポセイドンモドキ』は近いから気をつけて、と言われて身が引き締まる思いだった。

別のワナの無い通り道を教わり、いよいよ『ポセイドンモドキ』討伐に向けて出発したのだった。



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2024-12-25 05:26:03

バーチャル学校vol3 11

作 林柚希

早く、『ポセイドンモドキ』をやっつけたかったけれど、情報は少しでも欲しかった。
とりあえず、海の民の村へ行く事にした。

海の民の村は、岩の中にあった。
岩の壁に、深く穴が穿たれていて、それぞれ家族で住んでいるそうだった。
海の民のジョンとアメリアは、村に着くと他の村人と話して、人魚のシャーロットとイルカが村の奥まで行ってしまった。
ジョンとアメリアがやってくると、くつろげる場所を用意したので来てほしい、と言われたのでついて行った。
多少なりとも、ケーは心配していたようだけれど。
「ケー、心配しなくても大丈夫だって。」僕は、そう元気づけた。

とある岩の穴に来ると、そこにはサンゴの椅子にコンブが敷き詰められていた。
見た目としては凄い配色だけれど、実際座ってみるとなかなか良かった。
僕とケーが長いサンゴの椅子に座り、サンゴ礁のテーブルの向かいに、やはりサンゴの椅子にジョンとアメリアが座った。

「それで、どうしようか?」僕は皆に呼びかけた。
「僕達も、『ポセイドンモドキ』退治に参加するよ。」ジョンが言った。
「私も参加するけれど、実際怖いわね。」アメリアがちょっと身を震わせて言った。
「私は、大丈夫だと思ってる。実は、予知の能力があるの。」ケーはぎこちないが笑顔を作って言った。
「僕も大丈夫だと思ってる。それで、少しでも情報が欲しいんだ。教えてくれるかい?」僕が皆の顔を見て言った。
「何を教えられるかな。何を聞きたい?」ジョンが言った。
「『ポセイドンモドキ』のことさ。いつからこの海にいるか知ってるかい?」僕が言った。
「約2,3か月前からよ。僕達は数千年の昔からいるんだけど、これまでは人間とあまり接点を持っていなかったんだよね。」アメリアが言った。
「そうなの。それでね、人間の住むセキレイ島の一部が閉鎖空間になっているようだけど、知ってる?」ケーが言った。
「セキレイ島の一部もそうなっているんだね。この村もその閉鎖空間に入っているんだよ。これを見てくれるかい?」ジョンが言った。
「何?」ケーも僕もそれからアメリアも身を乗り出して、サンゴ礁テーブルに乗せた地図を見た。
その地図には、『セキレイ島の海域』とあった。
「この地図の四角い一角が、閉鎖空間になっているんだ。この場所だよ。」ジョンが地図の一角を指して言った。
「なるほど。意外と狭いね。」僕は、すぐに辿りつけそうで安堵した。
「それがね、閉鎖空間が少しづつ広がっているようなのよ。」アメリアが言った。
「なんだって!?」僕もケーも驚いて言った。
「今回トゥルー君やケーさんと出会った時にね、地図を見ながら閉鎖空間を調べていたのよ。」アメリアが言った。
「僕はトゥルーって呼び捨てでいいよ。」僕はなんだかまどろしくて言い添えた。
「私もケーって呼び捨てでいいわよ。」ケーも同じ気持のようだ。
「そっか、早く退治しに行かなければいけないな。」僕はアセりを感じていた。
「他に知っていることはある?例えば『ポセイドンモドキ』本人のこととか。」ケーも焦っているようだ。
「いや、それが会った存在がいなくて、『ポセイドンモドキ』のことを知らないのよ。」アメリアが言った。
「じゃあさ、奴の城のことはどうかな?」僕が、意外と情報が少ないなと思いながら言った。
「城?」アメリアが訊いてきた。
「『ポセイドンモドキ』がわが城に来いって私達に言ってきたのよ。」ケーはいまいまし気に言った。
「『ポセイドンモドキ』の城らしき場所は一か所ある。この地図のこの場所。」地図を指してジョンが言った。
「この場所に文字通り城が建っているんだよ。海の中にこんな建物を建てて!って皆怒っていたんだ!」ジョンが言った。
「どんな城なの?」ケーが聞いてきた。
「中世のヨーロッパに建てたような城よ。小ぶりだけどね。」アメリアが言った。
「そこに行き着くのは大変なのかい?」僕が訊いた。
「いや、そんなことはないよ。大丈夫、すぐに行けるよ。」ジョンが言った。
「他に、なければ準備をしていきたいところだよね。」ケーは、僕やジョン達の方を見渡して言った。
「そうだね。僕たち実はお腹空いているんだけれど、何か用意してもらってもいいかい?」僕小さくグーグー鳴っているお腹の音を聞きながら言った。
「じゃ、ギブアンドテイクで何かしてもらうことはできるかい?」ジョンが言った。
うーん、地下探検の時みたいだと、僕もケーも思った。
「いいわよ、私が二人の近い未来を占うでどう?」ケーが言った。
「あ、それは貴重なことだ。それでいいよ。」ジョンが言った。アメリアも同意した。

まず、ケーとアメリアが席を立ち洞窟の端の方で二人で話している。
ケーは小声でアメリアに言っていたけれど、アメリアが「私が恋をするの?」と大声をだして驚いているようだ。
僕とジョンが慌てて「こっちまで聞こえているよ!」と言い、アメリアが恥ずかしそうにしていた。
もうって、仕方なさそうにケーが小声で話し終えると、二人は戻って来た。
アメリアは、凄く嬉しそうだ。ジョンも落ち着かなそうにしている。
ケーは次に、ジョンと一緒に席を立ち、洞窟の端に行った。
ケーはやはり小声で話していたけれど、ジョンは「僕に恋人が!?」と響き渡る声で言っていた。
しょうがないなぁ。「ジョン、聞こえてるよ!」僕が言った。アメリアは驚き過ぎているようだ。
ケーは、あなたもしょうがないわね、というのだけ聞こえてあとは、コソコソ話して終わった。
戻って来たジョンは、嬉し気にアメリアを見つめて、よしっ!と気合を入れているようだ。なるほど。

「じゃ、食事の準備と退治の準備をしよう。」ジョンが言ったのだった。



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2024-12-24 03:53:23

バーチャル学校vol3 10

作 林柚希

部屋に戻って、二人して出かける支度が終わると、ポケットにしまっていたこの島の地図を広げた。
現在地は、判然としないまでも、海に面している場所は何か所かある。
メアリーに話を聞いてみようと、部屋を出た。

メアリーに訊いたところによると、『ポセイドンモドキ』のいる場所に近そうなのが「潮騒ビーチ」と呼ばれる場所だ。
ケーと相談して、そこにいくことにした。
そして、そこまでの道を簡単な地図を書いてもらい、いよいよ出かけることにした。

旅館を出ると、そこは南北に分かれた道だ。
「こっちだよ、たぶん。」ケーだ。
その道を急ぐ。恐らく、猶予は1日だ。あまり迷ってはいられないだろう。
しばらくして「潮騒ビーチ」に辿り着いた。
「わぁ~。」二人して息をのんだ。
「潮騒ビーチ」は、キレイな砂浜だった。時折、海から風が吹いていて、静かに海が寄せる波の音が聞こえる。

数歩で立ち止まり、また周囲を見回す。
「何もないねぇ。」僕はなんとなくケーに話しかける。
「そうだね。」ケーは辺りを見回すとこう言った。
「私が探してみるよ。それでいい?」
僕は、いいよ、と言うとケーはペンダントを取り出して端を持つと呟いた。
「ポセイドンモドキのいる場所はどこ?」そう言うと、そうっと歩き出して、ペンダントの反応を見ているようだ。
ケーに言わせると、ダウジング、というらしい。

すると、ある箇所で、グルグルとペンダントが回りだした。
気のせいかと、別の場所を向くとペンダントはピタッと止まる。
さっきの場所に向き直ると、また回りだした。
「ここだね!」ケーは嬉しそうに言った。
そこは、まっさぐ先の遠くに小さな島が見える砂浜だった。

「ここから行こう!」僕は、ウキウキだ。
「でも、どうやって行こうか?船はないし。」ケーはお手上げと言わんばかりに両手を広げた。
「大丈夫。まかせて。」僕は、小さな三角形に折ったコピー用紙を、耳の後ろに貼り付けこう唱えた。
「水の中で呼吸できるようにする!」
すると、光が三角形のコピー用紙に集まり、ビチビチと音がした。
左右片方づつ付けると、ケーにも施した。
「面白いね~。」ケーもワクワクしてきたようだ。
「それとね。」僕は、まず自分自身に、濡れない魔法を唱えた。
そしてケーにも唱えた。
「ケー、海に入ってみようよ。」僕はそう言うと、海に入り始めた。
「そ、そうだね。」ケーはこのまま入るの大丈夫かな、と多少不安げなようだ。
そのまま入ると、しばらくして頭の先まで海の中になった。
でも、呼吸は楽だし、話すこともできた。

「ケー、いいかい?聞こえる?」ケーに振り返って僕が言った。
「聞こえるよ。了解。」ケーはこの不思議現象にビックリのようだ。
「とりあえず海の中の底を歩いてみようか。」僕は、もう慣れっこだ。
「そうだね。」ケーはまだ驚いているようだ。
そして、海の底に足を付けると陸上のように足を動かしてみた。
青く澄んだ水の底は、なかなかにキレイだ。
ケーを見ると、耳の後ろのエラから小さな泡が出ている?

「とりあえず、村を目指してみようか。」僕は、ケーを促した。
「そうだね。でも、こっちの方角であっているのかな。」ケーも決めかねているようだ。
予め、メアリーさんから聞き出した情報によると、『ポセイドンモドキ』と敵対している海の民、と呼ばれる存在がいるそうだ。
そして、その村が『ポセイドンモドキ』のいる場所にほど近い場所にあるそうだ。
二人だけで戦うには心細いし、もっと情報もほしい。
だから、海の民の村を目指してみることにしたのだった。

そこは、水の中の世界。
トゥルーと、ケーは、水の中を散歩するように歩いていた。
そこは、水の地の底。水がたゆたい、水藻が水に揺れている。
水の上の方は、魚が涼し気に泳ぎ回っている。
ここは、海の中。カラフルな魚たちが浅瀬で泳いでいたっけ。
トゥルーは、凄い世界にまた来たもんだ、と思った。

数分歩いて、ピュル、という音に二人とも気づいた。
「なんだろ?」僕はケーを見た。
「イルカかな?」ケーも疑問、という顔をしている。
「行ってみようよ。」僕が促すと、ケーも頷いてその方角へ歩き始めた。

そこには、イルカと数人の存在と、学校で見たあの使い魔のようなのが3匹いた。
「おーーい!」僕は思わず声をかけた。
「ピュル。」イルカが反応した。
「誰?」人魚?のような存在が答えた。
「オマエタチハ、ダレダ?」赤ちゃんが紫色しているような形だ。小さなヤリを持っている。
「こいつらとどうしたんですか?」ケーが答えた。
「いきなり襲ってきたんですよ!」もう一人の人間のような姿形だけど、頬や腕に鱗がある存在が答えた。
「襲ってきた?」僕が聞き返した。
「そうです。ポセイドンモドキの手下か?」別の一人が答えた。やはり、頬や腕に鱗がある。
「ソウダ。オマエタチハ、ホリョニシテヤル。」ニタついて気持ちが悪い。
ケーは僕の後ろに隠れると、なにやら水草を引っ張って抜いているようだ。何をしているんだろう。
僕は、魔法で火球を出すと手下にぶつけた。手下は、ギャッ、と言って消えた。
人魚は、さっきの二人の後ろに隠れている。
その二人は、長い槍でそれぞれ、手下に刺した。やはり、ギャッ、と言って消えた。

「そこの二人の人間さん、助かりました。」人魚が言った。
「いえ、いいんです。」僕はちょっと照れてしまった。
人魚の胸をまともに見ちゃった。まぁ貝殻で隠れていたけれど。
ケーはなんだか目をキッときつく僕を睨みつけて、足を思い切り踏んづけてきた。
「イタッ。何するんだよ~。」僕は痛がっていた。もうケーったら。
「ははは。大丈夫ですか?」彼は、海の民のジョン、と名乗った。
もう一人は同じく海の民で、アメリア、と名乗った。そう女性だった。
人魚は人魚族で、シャーロット、と名乗った。
僕とケーもそれぞれ名乗って、これまでの経緯を話したのだった。



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いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

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2024-12-23 13:21:28

バーチャル学校vol3 09

作 林柚希

「心の通信できたけど、さっきは驚いたよ。」僕は、一息つくとケーに言った。
「そうだね。私も驚いた。」ケーも、驚いた顔のままだ。
「ま、いっか。片付けようか、ケー。」僕はそう言うと、テーブルの上を片付け始めた。
「そうだね。」ケーは、落ち着いたらしく、ニコッとすると僕を手伝い始めた。
二人で、テーブルの上を片付け終わると、テーブルをはさんで布団を敷いた。
枕の上の位置に服を置くと、なんとなく布団に寝っ転がった。
すると、今日一日の疲れが出たのか、段々と眠くなってきた。
「ケー、眠れそう?」ケーに何気に訊いてみた。
「…、ん?何?トゥルー?」ケーも眠そうだ。
「いや、眠れそうならいいんだ。」僕はふぁ~、と大あくびをすると、オヤスミと言った。
ケーも、オヤスミを言うと、二人ともスヤスヤ眠り始めた。

チュンチュン。
割合と近くに、雀らしき鳴き声がする。
朝だ。…そうか、昨日は臨海学校で、夜に道に迷って…それで旅館に泊まったんだっけ。あ!

「ケー?ケー!」僕はケーはどこだっけと思い、呼びかけた。
「私はここにいるよ。」シャコシャコ音がすると思ったら、…なんだ、ケーは歯を磨いている。
「僕も歯を磨こうかな。」僕は安堵すると、起き上がり思い切り体を伸ばした。
ケーは、すっかり昨日の格好で歯を磨いている。なんだかスッキリしているなぁ。
僕も、旅館から支給されたアメニティグッズのうちの一つで、歯磨き粉と歯ブラシを取り出すと磨き始めた。
やっぱり、歯を磨くとスッキリしてくる。今日も頑張るぞ。
歯を磨き終わると、僕も着替えて、ケーとメアリーに会いに部屋を出た。

玄関側のフロントに行くと、メアリーに挨拶された。
「おはようございます。」
「おはようございます。」僕とケーが挨拶した。僕は朝食をどうしたらいいか聞くと、お食事処という場所があるので、そこへ行って欲しいと言われた。
もう開いているということだったので、案内板を見て、ケーとそちらへ行くことにした。

お食事処と風流な立札の横に入口がある。入ってみると、ぷぅんと朝ごはんのいい香りがする。他に香ばしい魚の香りもする。肉のいい香りもだ。
僕もケーと人の列に並んで様子を観察する。どうやら、AセットとBセットのどちらかを選ぶようだ。

「ケー、どっちにしよっか。」僕は断然、肉派だ。ケーは魚を選びそうだ。
「私は、Aセットかなぁ。トゥルーは?」ケーは、やっぱり魚を選んできた。
「僕は、Bセット。やっぱ肉食わなきゃ!」僕は、近づいてくる肉を楽しみにしている。
「そうだよね。だけど、私、最近太ったかなぁ。」ケーは何気に体重を気にしているようだ。
「大丈夫だよ。ケー痩せてるじゃん。肉食えば?」僕は、パッとケーを見るのを止めた。やっぱ胸を気にしちゃうのかな、僕。
「うーん。ま、いいや、あの魚、なかなか普通は食べられないよ?」ケーはそう言うと、Aセットを選び運ぶところだ。
「そうかなぁ、あの肉だって凄そうだよ。」僕はそう言うと、Bセットを選ぶと運び始めた。
二人で、窓際の開いた二人席を選ぶと、料理を置き席に着いた。
改めて料理を見る。ご飯は、小ぶりの丼で、他にお吸い物がついている。それから、お皿にローストして切った肉が5切れとお野菜が乗っている。他に香の物と書いてあったけど、要するにお漬物だ。あと小ぶりのガラスの器にサラダが入っている。ケーはと見ると、普通のお椀に白いご飯が乗って、お吸い物がある。お肉の代わりに見たことない魚が焼かれて長細い皿に乗っている。確かに旨そうだ。あとお漬物は一緒のようだ。

「いただきまーす。」二人して、箸を持つと食べ始めた。
最初に、ご飯を搔きこむ。ん、美味い!お吸い物も上品な味でなかなか良い。
お肉にソースを垂らして、ひと切れつまんで食べる。噛み応えが柔らかでソースと絡んでこれまた美味しい!
「美味しい!」僕は思わず言っていた。
「こっちも美味しいよ。」ケーもニコニコしている。
「こんな美味しいの食べられるとは思わなかったね。」僕も思わずニコニコだ。
「そうだよね。帰ったら羨ましがられるかな。」ケーは目をクリッと上を見て言う。
「そうだよ、きっと。自慢しちゃおうかな。」僕は思わずそう言った。
「ワンダリング先生に怒られるよ。」ケーはたしなめると、この後のこと考えなきゃね、と言った。
二人で朝食を食べ終わると、お食事処を後にした。

二人とも、歯を磨いている。そして磨き終わると話し始めた。
「トゥルー、お風呂はどうしようか?」ケーの浴衣姿、もうちょっと見たかったな。
「そうだね、着替えが無いでしょ?だから僕は止めておこうかな。」そうなんだよ、お風呂かぁ。僕は悩むなぁ。
「私は、服が一緒でも入ろうかな。」もうタオルとか準備している。
「そう?…ケーが入るなら、僕もお風呂入ろうかな。」
そう言うと、袋を貰い、タオルだけ持って待ち合わせの時間を決めると、それぞれ男湯、女湯に入った。

はぁ~、いい湯だったなぁ。
結局、髪も洗ってしまった。短髪だし、いいやと思ってしまった。ケーはどうしているかな。
「トゥルー!お待たせ。」ちょっとドキっとした。ケーから桃の香りがする。いい香りだなぁ。
「ケー、良い香りだね、それ桃の香り?」僕はドキドキを隠して訊いた。
「当たり!いい香りだね。トゥルーは柚子の香りかな?」ケーは頬が紅潮しているのか、ちょっと桃色だ。
「そうだよ。柚子も良い香りだよね。」僕はなんだか、また目のやり場に困ってあさっての方向を見ている。
二人して、ひとしきりしゃべると部屋に戻った。



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2024-12-22 02:38:14

バーチャル学校vol3 08

作 林柚希

メアリーから宿泊する為の部屋に案内された。
そこは、10畳プラス6畳ほどの部屋で、布団は2組畳まれて置かれていた。
「メアリーさん、ありがとう。」僕がお礼を言った。
「メアリーさん、着替えはどういたらいいですか?」ケーはなんだか言いずらそうに話した。
「ホホ、押し入れに入っているわよ。」上機嫌でメアリーは返答した。
その後、二人で押し入れを確かめると、浴衣が二組入っていた。
どうやら、二人用の宿泊部屋のようだった。

僕はトイレで、ケーは部屋で浴衣に着替えると、どちらともなく話し始めた。
「皆、心配しているだろうね。」僕は、肝試しの事はなるべく言わないでおきたいと思った。
「そうだよね、肝試しで失踪なんて、シャレにもならないよね。」ケーは早速行ったので、僕は仕方ないという顔をしてしまった。
「うん?そうだね。ところでね、魔法で連絡がつくかやってみようと思って。」僕は何もしないよりマシだと思って言った。
「トゥルー、できるの!?だって閉鎖空間だって言われたのに。」ケーは信じられない、といった顔をした。
「やってみなければ何とも言えないけれどね。」僕は、またヘタなウィンクをした。
「それでね。お願いしたいことがあるんだ。」僕は魔法の手順を言うとケーは感心しつつ頷いて聞いてくれた。

さて、しばらくして。
「メアリーさんからもらってきたよ。」ケーはコピー用紙とペンを数本、テーブルの上に置いた。
「サンクス。…それでね、さっき話した人形なんだけど…。」そう言うと、僕はケーにコピー用紙に書くよう促した。
「了解。どれどれ。」ケーは器用に、ワンダリング先生と、僕の父さん、母さんを書き始めた。
更に時間が経ち、ケーはワンダリング先生と、僕の父さん、母さんを書き終えた。
「上手いもんだね。感心するよ。」
僕は、もう一枚に簡単な魔法陣を描き、その上に切り抜いた3人を置いた。

集中するための呪文を唱えた後、僕はこう言った。
「人形に命じる。僕の担任であるワンダリング先生、それから僕の父さん、母さんに繋ぎなさい。」
すると、人形の真ん中にスポットライトが当たったようになり、シュンと空間を通り抜ける音がした。僕にはわかるぞ。
僕は集中すると魔法陣に両手を置くようにケーに言った。
(…。ワンダリング先生。聞こえますか?)僕は何度もワンダリング先生に心の通信を繋いでみた。

(ワンダリングだ。…誰だい?)ワンダリング先生は訝しんでいるようだ。
(僕、トゥルーです。ケーもいます。)僕はかなり安堵した。
(ケーです。私もいます。)ケーも急いでいった。ケーも話しかけられるようにしてある。
(君達!?どこにいるんだい?探したけれどどこにも見つからなかったぞ。)ワンダリング先生はかなり驚いているようだ。
(僕達は、とある旅館にいます。肝試しで迷ってしまって。)僕は、一生懸命に話した。
(そうなのか。旅館!?…今地図を見ているんだが)意を決してワンダリング先生は言った。
(この島に旅館なんてないそうだ。おかしいな。)
(そうですか。僕達は相変わらず島にいると思います。)僕は説明をどうしようかと悩んだ。
(この旅館の一帯は閉鎖空間になっているんだそうです。)ケーが説明してくれた。
(閉鎖空間だって?なんでまた!)ワンダリング先生はわけがわからないと言った風だ。
(闇協会の妖怪で『ポセイドンモドキ』というのがいて、そいつがこの一帯を閉鎖しているそうです。)ケーが説明を続けてくれた。
(閉鎖されているので、電話もインターネットも通じないんです。)僕も言った。
(それで、閉鎖空間か。やつらめ。)ワンダリング先生はちょっと怒っているようだ。
(それでまた闇協会なんですよ。)ケーが言った。
(…なるほど、また闇協会か。『ポセイドンモドキ』ね。聞いたことないな。)それでも、僕達が見つかってワンダリング先生はちょっと落ち着いたようだ。
(それで、お願いがあるんですけどね。僕の父さんと母さんにも通信を繋いでくれませんか?)僕が言った。
(大丈夫。黙って聞いているよ。そうですよね、先輩とトゥルー君のお母さん。)ワンダリング先生が真面目に言った。
(聞いているよ。トゥルー、心配したぞ。)僕の父さんだ。それでも、僕の声を聞いて安心したようだ。
(私も安心したわよ。旅館なんてお金はあるの?)僕の母さんはまだ心配しているようだ。
(それが、トゥルーのお母さん。『ポセイドンモドキ』をやっつけたら代金はいらないと言われたんです。)

(ちょっと横合いから失礼しますよ。私はメアリーという者でしてね。旅館の主をしています。)メアリーが入ってきた。
(メアリーさん。すみませんが、トゥルー君とケーさんをよろしくお願いします。)ワンダリング先生だ。
(わかりましたよ。私もね、この一帯の閉鎖空間をなんとかしてもらおうと思っているのでね。お代はいいんですよ。)
メアリーが嬉しそうに言った。
(息子とケーさんがお世話になります。)母さんだ。ちょっと溜飲が下がったと言った感じだ。
(今回二人がお世話になります。)父さんだ。父さんはきっとペコっとお辞儀をしているに違いない。
(大丈夫。二人ともしっかりしているようだから、私も安心していますよ。)メアリーはそう言った。
(それでは、私は下がりますから。でも聞いていますよ。)メアリーはそう言うと話さなくなった。

(それでね、私もお願いがあります。)ケーが言った。心なしか寂しそうだ。
(なんだい?)ワンダリング先生は、何でも言ってくれ、と続けて言った。
(私もお父さんとお母さんに私が無事だと伝えてほしいんです。)ケーは言った。
(そうだな。…ケーさんのお父さんとお母さんにも伝えるよ。)ワンダリング先生は、任せろと言った風だ。
(本当は直接話したいけれど、それは難しいですよね?)ケーは言わずにはおれなかったようだ。
(ケーさんのご両親には魔法の話はしていないんだよ。普通の人達でもあるしね。)ワンダリング先生は言った。
(そうですか。)ケーはがっかりしたようだ。
(まぁ、後で電話で話しておくから心配することはないよ。)ワンダリング先生は穏やかに言った。
(わかりました。)僕とケーは同時に言った。
(とりあえず、今日は旅館に泊まります。)僕は続けて言った。
(目下のところは『ポセイドンモドキ』ですけど、調べてもらってもいいですか?)
(わかった。調べておこう。がんばってくれ。)ワンダリング先生だ。
(ワハハ。ミツケタゾ!)ガサガサした甲高い声が響いた!

(誰だ!)僕は叫んだ。
(俺は『ポセイドンモドキ』ダ。ドウダ、ビックリシタカ。)ムダに偉そうなヤツだな。
(『ポセイドンモドキ』だって?)皆同時に叫んだ。一同、驚いている。
(ヘイサクウカンデ、ツウシンシテイルヤツがイルカラ、シラベテイタゾ)
(だからどうした。閉鎖を解け!)ワンダリング先生だ。こんな時頼もしい。
(イヤダネ。ドウシテモナラ、ワガシロにコイ!)ポセイドンモドキだ。なんだか気持ち悪い奴だな。
(それは、どこにあるんだ!乗り込んでやる!)城だって!?僕は急いで言った。
(シロハ、ウミノナカニ、カマエテイル。コレルカナ?)ワハハとおかしくもないのに笑っている。
(行ってやろうじゃないの!待ってなさいよ!)ケーはカチンとキタらしい。僕もだ。
(マッテイルゾ)そう言うと、ポセイドンモドキは、通信を切っていった。

(トゥルーにケーさん!がんばってくれ!)父さんだ。励ましてくれてる。
(トゥルーにケーちゃん。頑張ってね。)母さんだ、ホッとするなぁ。
(ワンダリング先生にトゥルーのお父さん、お母さん。ありがとうございます。)ケーは嬉しいそうに言った。
(ワンダリング先生、父さん、母さん。頑張るよ!)僕は締めに言った。
(それじゃ、オヤスミ。)こう言うとケー、ワンダリング先生、父さん、母さんの順に、おやすみなさい、と言って心の通信を切った。



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2024-12-22 02:22:29

バーチャル学校vol3 07

作 林柚希

思い切って旅館に入ってみる。
そこには、カウンターの窓口があり、気のいいおばあちゃん然とした風体の老人がこっくりこっくりと眠りそうになっていた。
「あの、ちょっといいですか?」ケーが思い切って口にする。
「はい?」おばあちゃんはやっと起きたようで、まだ寝ぼけまなこだ。
「僕達道に迷っちゃって。」意を決して僕も言った。
「この辺は1本道なのに、たまに迷う人がいるのよね。なんでしょうねぇ。」おばあちゃんは疑問でいっぱいという顔をしている。
「それで、私達もう疲れてて。一晩泊めてもらえないでしょうか。」ケーが言った。
「はぁ、一晩ねぇ。」おばあちゃんは、考え中のようだ。
「僕達、少しならお金も持っています。」思い切って僕も言った。
「よろしくお願いします。」僕もケーも一礼してお願いした。
「まぁ、いいですよ。最近、お客さんが来なくてね。」おばあちゃんが立ち上がった。
「ありがとうございます。」僕もケーもまたしてもシンクロした。
「もう旅館は鍵をかけますね。話は奥で聞きましょう。」奥から鍵を取りだすと、玄関まで行き鍵をかけた。

旅館の玄関から直ぐ近くの応接間で、話をすることになった。
「私は、メアリーと言います。よろしくね。」開口一番、おばあちゃんが言った。
「僕はトゥルーといいます。よろしく。」僕はもう一度一礼した。
「私はケイトです。ケーと呼んでください。」ケーも一礼した。

「あなた方は、まだ未成年ね?まぁ、座っていいわよ。」メアリーはソファを勧めるとメアリーも座った。
「はい、その通りです。」僕も座った。
「その通りですね。」ケーも座った。

「あなた方はどうしてここに来ることになったの?」メアリーは言った。
「はい。僕達は臨海学校でこの島にやってきました。」僕はここから言わなきゃと思った。
「それで、学校のレクリエーション活動で肝試しをしていて。」ケーも説明した。思い出したのか、心なしか青ざめている。
「それから、道に迷ってしまってここにやってきました。」僕も説明した。
(大丈夫だよ、ケー。)僕はできるだけ優しく心の通信で言った。
「そうなの。難儀していたのね。」メアリーは安心させるようにニッコリ微笑んでいった。
「あなた方は、未成年ですものね。お金を取るわけにはいかないわね。」メアリー自身が納得するように言った。
「その代わり、頼みたいことがあるの。受けてくれるかしら?」メアリーは、困ったわね、という顔をして言った。

「僕達は…。」僕が言いかけていたら、遮るようにしてケーが言った。
「私たちもできることとできないことがあります。お話次第です。」ケーはキッパリと言った。
(ケー、ナイスファイト!サンクスだよ。)僕は励ますようにケーに言った。
(私も頑張るよ、トゥルー。)ケーも応えた。

「それはそうね。それならお話を聞いてね。」メアリーはまたもや困った、といような顔をして優しく言った。
「実を言うとね、ここら辺の土地は、閉鎖空間になっているのよ。」メアリーは言った。
「閉鎖空間?」僕とケーは同時に言った。
「そう。とある奴にね、閉じ込められているのよ。だから、電話も通じないのだけど、なぜか電気やガスは使えるのよ。」メアリーはどういうことかしらね、という風な顔をしていった。
「電話が通じない?」僕とケーは思わず顔を見合わせた。
そして、ケーはハッとしてスマホを取り出した。
「やっぱり。通じてないよ、トゥルー!」ケーはスマホを見るように言った。
ケーに言われて、僕もスマホを見てみた。スマホは電話が通じないし、インターネットも通じないようだった。
「ケーの言うとおりだね。どうしよ、後でワンダリング先生に言おうと思ったのに。」思わず僕はため息をついた。

「ワンダリング先生?」まぁ、と驚いた顔をしてメアリーは立ち上がると書棚から一冊の本を出してきた。
それは、『はじめての魔法』と書かれた本だった。
「懐かしいね!これ。」ケーは懐かしがって本を見た。
「これ、ワンダリング先生が書いた本だったよね?」僕も言った。
「ワンダリングと聞いて、ピンときたのよ。この本の著者ね?」ニコニコしてメアリーは言った。
「そうです。僕たちの学校のクラスの先生です。」僕は言った。世間は案外狭いのだろうか。
「そうなのね。実はね、私は少しだけ魔法が使えるのよ。」続けてメアリーは言った。
「それとね、あなた方の心の通信を聞いてね、これは!?と思ったのよ。」メアリーはニコニコしている。
「どういうことですか?」ケーが言った。
僕もケーも疑問だらけだ。
「あなた方は魔法使いでもあるのね?」メアリーは思い切って言ったようだった。
「いえ、私は魔法使いではないです。予知ができますが。」ケーもおばあちゃんに思い切って言った。
「僕は魔法使いです。実力はまだまだですけどね。」僕も言った。帰るために何でも言おうと思った。
「そうなのね。」と何度もメアリーは頷いていた。
「だからね、あなた方にならなんとかできるんじゃないかって、思ったのよ。」メアリーは考えながら言っているようだ。
「この閉鎖された土地はね、元々は普通の土地だったのよ。」目を細めて思い出しながら言っているようだ。
「だけど、数か月前に閉鎖されてしまったの。」メアリーは悲しいような怒りたいような複雑な顔をしていた。

「さっき、『とある奴』に閉じ込められた、と言っていましたね?」僕も思い出しながら言った。
「誰なんですか?それは。」ケーが言った。
「そいつはね、『ポセイドンモドキ』と名乗っていたわ。」メアリーが言った。
「ポセイドンモドキ!?」二人で同時に言った。
「ポセイドンなら、訊いたことがあります。」ケーが言った。
「とある神話の神様ですよ。ポセイドンというのは。」メアリーが言った。

「海の神様ですよね?」ケーが言った。
「正解ですよ。だけど『ポセイドンモドキ』は、神様じゃないの。妖怪なのよ。」メアリーは初めて」憎々しげに言った。
「奴が言っていたわ。俺は闇協会の妖怪である、と。何なのかしらね?」メアリーは怒っているようだった。
「闇協会?そう言っていたんですか?」ケーが言った。
「そうなのよ。あなた方は何か知っているの?」メアリーもまた疑問、という顔になった。
「僕たちの学校の資金源がかつて闇協会でした。」僕が言った。あの闇協会がここでも、か。
「魔法使いの現在は、隠れて光と闇に分かれて戦っています。その闇のグループでしょうね。」ケーも言った。
「まぁ、そうなの。」今度はメアリーが驚いた。

「それでね、そのポセイドンモドキが言うのよ。『ワレニシタガエ』って。」メアリーは怒って言った。
「それで、奴をやっつけてほしいんですか?」僕が言った。
「そうなのよ。この土地を蹂躙されたくなくてね。」メアリーはキッパリと言った。
「是非、協力をお願いしたいの。いいかしら?そしてね、この土地を閉鎖から解放してほしいのよ。」
「どのみち僕達も帰れないようですから、協力しますよ!」僕もキッパリと言った。
「私も協力は惜しみません!」ケーもハッキリと言った。
「わかりましたよ。それなら手を打ちましょう。」メアリーはニッコリ笑って続けたのだった。
「ポセイドンモドキを打ち滅ぼして頂戴ね。」



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2024-12-20 08:02:21

バーチャル学校vol3 06

作 林柚希

夕方、休憩時間の後、教室でボランティアスタッフの作った夕飯を食べた後、宿泊施設へ向かった。
そこは、ログハウスになっていて、女子と男子に分かれて泊まることになっていた。
ログハウスは、木で建てられた建物で、中に入ると、いい木の香りが漂っていた。
僕は、ベッドに布団や枕を設置するとまた教室に戻って、ワンダリング先生の話を聞いた。
「皆、これから肝試しがあります。これから『肝試しのしおり』を配るのでよく読んで欲しい。」

配られた紙を読んでいてケーをそれとなく見ると、なんだか落ち着かない様子だった。
「ケー、心配しなくても大丈夫だって。」ケーを安心させてやりたかった。
「うん。…、なんだか私、帰りたいな。」ケーは気乗りしないようだった。
「僕と一緒に歩こうね。」なんだかケー、気にしすぎな気がするんだけどな。
「そうだね。トゥルー、離れないでね。」ケーは頼りにしているよ、とも言っていた。

『肝試しのしおり』を読むと、学校を出て、島の中央にある商店街を抜けて公園を通り、とある有名人の墓地にある紙を取ってくる、というものだった。

さて、肝試しの開始だ。
肝試しは、班の中で2人ずつ墓地まで行ってくることになっている。
僕とケーは一緒に行くことになった。

「じゃ、ケー、行こうか。」合図を送られて、僕とケーは歩き出した。
「今はまだ大丈夫だけど、怖いなぁ。」ケーはなんだか腰砕けな調子だ。
「まぁ、まだ商店街を抜けるからさ、にぎやかなんじゃない?」僕は明るく言った。
「そうだね。」ケーはギュッと目をつぶっていたけれど、意を決したように歩き出した。

もう、すでに夜になり街灯以外真っ暗だ。
学校出て、普通の家の間を抜けると、商店街の入り口に差し掛かった。
賑やかだと思われた商店街は、すでにしまっている店が多く静かだった。

「トゥルー、商店街はあまり賑やかじゃないね。」ぽつりとケーは言った。
「そうだね。まぁ、終わればあっという間だよ。」僕は励ますように言った。
そして、商店街を抜け公園にやってくると、公園にいたボランティアスタッフにロウソクを渡されて、「公園の中央にこれをともして、公園を抜けてください。」と言われた。
その内容に、ケーと僕はちょっとビビりまくったけれど、表面上は普通だった。(ように思う。)
ロウソクとマッチを渡されて、公園の中央まで歩く。

公園の中央には子供の遊ぶコンクリートの山があって、その手前にロウソクが沢山灯されていた。
「なんかヤダね~。」ケーが務めて明るく言った。
「オッケー、オッケー。大丈夫だよ。」僕も明るく言った。

そして、恐る恐るマッチに火をつけて、ロウソクに火を灯すとロウを垂らして、ロウソクを立てた。
次の瞬間、奥にある山から、「オバケだぞ~」と言って、シーツを被った奴と、ドラキュラの格好の奴がいきなり出てきた。
「ギャー!」ケーはものすごく驚いて飛びのくと、僕にしがみついた。
僕もギクリとしたけれど、2人のいで立ちの奴らを見て、逆に笑ってしまった。
「ケー、ケー。大丈夫?怖くないよ。」僕はケーに優しく言った。
「トゥルー?怖くない?」ケーはまだ目をギュッとつぶっている。
「もう目を開けて。公園を出ようよ。」ケーを安心させるように、僕は言った。
「そうだね。」そう言うと、ケーは目を開けた。
もう、さっきの二人はいない。

「行こ。」そういうと僕はケーの手を繋いで歩き出した。
公園を抜けると、今度は墓地だったっけ。

ケーはかなり尻込みしていたけれど、僕は自信があった。
「大丈夫。」僕は何度も安心させるように言うと歩いた。

とある歩道で、地蔵とカーブミラーが目に入った。
「地蔵なんてやだなぁ。」ケーは苦笑いをしている。
「まぁ、これは地元の物だからさ、気にすることないよ。」と僕はヘタなウインクをした。
「もう、トゥルーったら。」ケーは笑ってくれた。

そうしたら、暗がりから、「キャハハハ。」と魔女が出てきた。
「ギャー!」ケーがまた怖がっている。
「もう、やり過ぎないでくれよ。」僕も苦笑いだ。
「やだよう。」ケーは横道にそれて、走り出してしまった!
「待って!ケー!!そっちじゃないよ。」僕もケーを追いかけたのだった。

ケーを追いかけて行って、ようやく追いついた。ケーはなんだか青ざめているのだった。
「どうしたの?ケー。」僕は、ケーに訊いてみた。
「おかしいのよ。」ケーは本格的に青ざめている。
「何がおかしいの?」と僕。
「だって、道を戻ったはずなのに、さっきの道と違うよ。」ケーは少し震えているようだった。
「ケーは戻ったと思ったんだね?違うよ、さっきは別の道に入り込んでいたよ。」僕は丁寧に言った。
「そうなの?」ケーは凄く驚いているようだった。
「さっき、地蔵とカーブミラーの道まで戻ろう?」僕は道を覚えてるから大丈夫、とも言った。
「なんだ、そうなのね?」ケーは安心したようだった。

二人して歩き出してみる。
だけど、1時間かかってもなかなか元の道に戻れなかった。
様々な道を歩いて気づくと、旅館の前にたどり着いたようだった。



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最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

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2024-12-19 03:34:19

バーチャル学校vol3 05

作 林柚希

「トゥルー。薪は足りてる?」ケーが質問してくる。
「そう言われても、僕もたぶんとしか言えないな~。」僕は、『飯盒炊飯(はんごうすいはん)のしおり』を読みながら言った。
『飯盒炊飯のしおり』は、要はご飯を炊くためのマニュアルだ。
「ケーちゃん、最初はあんまり薪を置かない方がいいと思うよ。」とアイちゃん。料理全般わかるんだろうか。
「トゥルー、網の位置はこんなでいいよね?」とスカイハイ。何をやってもかっこいいなぁ。
「あ、うん。これでいいと思う。」僕も頑張らなくちゃ。

体育館での結集会の後、僕達はグーグー鳴る腹を抱えながら、飯盒炊飯のできる場所へやって来て、ご飯を炊く準備をしている。
僕は、お腹空いたなぁ。たぶん、皆もそうだろう。
ひと通り、準備が終わると、ケーとアイちゃんと他の女子で、マッチで火を点けると最初は弱火で様子を見ることにした。

火が飯盒の下をチロチロと燃えていて、時間が経ったら水が飯盒から出てきた。
飯盒の蓋の上に石を置いて重しをして、吹きこぼれないようにする。
そして強火に切り替える。飯盒全体が火に包まれていく。

班の全員が、いよいよ炊かれていくご飯を見て、ワクワクしていた。

吹きこぼれが収まり、もう一度弱火にしたりしていたら、チリチリと音がし始め、ご飯が焦げた香ばしい匂いがしてきた。

「皆、もう少しだね!」アイちゃんが言った。
「そうだよね?もうお腹なっちゃって。」ケーだ。
「お皿の準備しようか。」これは他の女子だ。
女子生徒皆でお皿の準備をしている。

「飯盒を下ろすよ。」これはスカイハイだ。
「オッケー!いいよ~。」これは僕だ。
ガタン。飯盒を下ろすと、やたらと「アチッ。」と言っていたが、男子生徒で飯盒をひっくり返し、中の水分がまんべんなく行き渡るようにした。
飯盒の底を、薪でトントン叩く。

10分程ご飯を蒸らして待って、その間にカレーをつくる準備に入った。

「いただきまーす!」班の皆でカレーライスを前に言った。
水でよく洗ったサラダもある。
麦茶も井戸水で冷やしてあって、なかなか美味しい。

「カレーが、美味いね!」と僕。もうなんでも美味い。
「美味しいよね。」ケーも上機嫌で食べている。
「どうなるかと思ったけれど、上手くできてよかったよね。」とアイちゃん。
「紙皿と紙コップだけど、こういうのもいいよね。」とスカイハイ。ここは文句言っちゃダメだろう。

皆で、それぞれ美味しいね、と言いあいながら飯盒炊飯のお昼は終わった。

お昼ご飯の片付けの後、歯を磨いて休憩をしばらくした。
午後からは、選択制のレクリエーション活動で、海での泳ぎの授業か、スイカ割りのどちらかだった。
僕のいる班は、全員スイカ割りだったので、ワイワイと楽しく過ごせた。
余った時間で、ビーチバレーをやっている奴らもいた。



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2024-12-18 12:43:06

バーチャル学校vol3 04

作 林柚希

海鳥の集まる、小さな島の所に来ると、一斉に椅子から離れて、皆で餌をあげるために立ち上がった。
実を言うとこの船、2階があって、そこは甲板と言えるようだったが、そこで餌をやろうよ、と声をかけている奴もいた。

僕はどうしようかと、考え中だった。
「トゥルー、あそこの窓の辺り開いてるよ?」ケーが指をさして言った。
「そうだね、行こうか。」僕とケーはその窓の外で人があまりいない場所で餌をやることにした。

海鳥がたくさん船に集まっている。
「海鳥もわかるんだね。」ケーは小さな袋を小さく口を開けると、中から餌を取り出している。
「そうだね、毎回あげる存在がいるから、覚えてるのかもね。」僕も袋を開けると餌を取り出した。
餌を持って、腕を差し出してみたけれど、海鳥は来ない。

「どうしよっか、ケー」僕は、餌を思い切って投げてみた。
空に向かって、ポイッと投げてみた。
海鳥は、スイーっと近づくと上手いことキャッチして飛んで行った。
「あ!食べたよ!トゥルー!」ケーは凄く楽しそうだ。
「ケーもやってみなよ?」僕は、また餌を袋から取り出すと投げてみた。
「うん!やってみるよ。」ケーだ。
僕とケーは、それぞれ餌を投げ出してみると、全て海鳥がキャッチしていた。
「うまいことキャッチするね!」僕はケーに笑いかけて言った。
「ホントだよね!」ケーも餌をポイポイ投げて、楽しそうだ。

一通り、投げ終わるともう残り時間が少なかったので、もと座っていた席に戻ったのだった。
スカイハイとアイちゃんと他の班の皆で、海鳥への餌やりの話で盛り上がった。

その後、船内放送で「これよりセキレイ島へ向かいます。」とだけ聞かされて、船は臨海学校に向かった。

しばらくして、1時間ほどして船の速度が遅くなり、桟橋に近づいてきた。
船を降りると、凄く海の色がキレイだった。
海の色は、青いような緑色で、透明度が高くとてもいい。
「海がキレイだね~!」ケーが歓声を上げた。
「そうだよね。来たかいがあった。」僕はなんだか自分で年寄りクサいと思った。

桟橋で、各班ごとに整列すると点呼を行い、各リーダーがワンダリング先生に報告した。
そして、臨海学校に向かったのだった。

僕は、臨海学校が学校と提携している島に来た。
そこで、クラスの皆と3日間過ごす予定だ。
この学校の校長先生も変わり、おかしな授業は減ったように思う。
校長先生は女性だという噂だけど、ケーも調べようとは思わないようだ。
さてどんな3日間になるやら、だ。

臨海学校に到着すると、4階建ての白い建物で窓が大きい。体育館や宿泊の為の施設もあるそうだ。
割り当てられた教室へ行くと、ワンダリング先生が席に座るよう言った。

壇上のワンダリング先生は、黒板の前でこう言った。
「これから3日間、ここでお世話になります。とはいえ、いつもの学校ではないし、臨海学校の先生の他に、ボランティアのスタッフさんに迷惑をかけ過ぎないようにすること!わかったかな?」
皆、ハーイ、というと、ワンダリング先生は「よろしい。次に紙を配ります。各班のリーダーは取りに来るように。」
配られた紙は、3日間の日程が記されていた。

「一応、このような日程になっています。自由時間もありますが、バスで配った島を参考にして立ち入り禁止区域へは行かないように。いいね。」ワンダリング先生は念を押すように言った。

1日目の予定はこんな風だった。

[1日目]
・体育館で結集会
・お昼ご飯を、飯盒炊飯(はんごうすいはん)
・海での泳ぎの授業(選択制:A)
・泳ぎをしない生徒は、スイカ割り(選択制:B)
・宿泊先で夕飯。
・肝試し

「お。自分たちでご飯を作るんだね。」と僕。
「ちょっと、『肝試し』があるよ、トゥルー!」心なしか、ケーは青ざめている。
「大丈夫だよ。僕達散々怖い思いしたからさ。」僕は、ケーを慰めるように言った。
「そうだけど、やだなぁ。嫌な予感がするよ。」ケーはそれだけはやりたくない、という顔をしている。
「僕と一緒でしょ?肝試しなんて大したことないよ。」僕の言うことを聞いて、多少落ち着いたのか、ケーは小さく「うん。」と言った。

クラス中で、ご飯や、泳ぎに、スイカ割り、肝試し、などみんなでワクワクしていたのだった。



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2024-12-17 05:55:50

バーチャル学校vol3 03

作 林柚希

ワンダリング先生が、手を叩くとしゃべりだした。
「ハイ。皆、よく聞いてくれ。このバスは駐車場に止まった。集合写真を撮ることを思い出してくれ。以上だ。」
また、バスガイドのミラさんも話し出した。
「皆さん、集合写真を撮ります。女子の皆さんは鏡を見ることをしたらいいでしょう。男子の皆さんもお菓子がついていないかチェックしてね!」
そう言うと、ミラさんは先にバスを降りていった。
僕達も、お菓子をしまうと前から順番にバスを降りていった。

バスを降りると、すでに集合写真を撮るための場所が用意されていて、撮影用のお立ち台のようなものが何列かあった。
一番前は、座るための長い椅子のようだった。
他のクラスが撮影しているのを見て、僕達は大体要領をつかんだ。そっか、ああやればいいんだな。
やっと僕たちのクラスの番だ。ワンダリング先生はニコニコしながら僕達を見ている。
ミラさんがここを仕切って、順番に椅子やお立ち台に並んでいった。
僕とケーは並んで立つと前を見た。
「キレイに撮れるかな。」ケーは独り言のように呟いた。
「ケーでもそんなこと気にするの?」僕はちょっと驚いてケーに言ってしまった。
「当たり前だよ。これでも、女子してるんだよ?」ケーから肘鉄を貰ってしまった。

皆の前列、中央はワンダリング先生とバスガイドのミラさんが座るようだ。
ミラさんが「ハイ、皆さん。写真を撮りますので、前を見てください。」と言って数メートル先のカメラを見るよう言って振り向くと座った。

「はい、笑って~!」プロのカメラマンさんが笑って言った。
僕は、笑って数秒経つと、ほんの小さい音で、カシャッ、カシャッと小さくカメラのシャッター音がした。

するとワンダリング先生が、説明しだした。
「皆、この後ここから近くの桟橋まで行きます。各班で点呼をもう一度取り、船に乗ります。」
小さく、オオーっと歓声が上がった。
「皆の中で、特に船酔いする奴なんだが、酔い止めの薬は飲んでおいたか?まだの奴は、各班のリーダーから薬を貰ってくれ。それじゃ、移動を開始します。」

僕達は、集合写真の場所から離れると、2列になり桟橋目指して歩き出した。
しんがりはワンダリング先生だ。
僕のすぐ前は、相変わらずスカイハイとアイちゃんだ。仲が良くて楽しそうだ。
ケーと僕は仲がいい。何年経ってもこんな感じならいいなと思っている。
ケーはどう思っているんだろう。きっとケーだって同じじゃないかな。僕は、気楽にそう思った。

桟橋にたどり着いた。
船はそこそこ大きいが、1クラスか2クラスの人数が乗船したらいっぱいだろうという大きさだ。
船の前で止まると、ワンダリング先生が、またしゃべりだした。
「皆、とりあえず桟橋についたからな。ここで各班で点呼を取るようにしてください。その間に船に乗れるように僕が手配してきます。各班のリーダー、お願いしますよ。」
そう言うと、各班のリーダーは列を崩して、点呼を取り始めた。
その作業はすぐに終わり、各班で列を作るとワンダリング先生を待った。

数分経つと、ワンダリング先生は戻り、いよいよ乗船開始のようだ。
僕は、ワクワクしてきたな。

船に乗り込むと、船の中は、長細い椅子が沢山並んでいた。
そこに順番に座ると、僕とケーはキョロキョロと辺りを見回した。
椅子から端は、船の窓が長くあり、天気がいいせいか窓は開いている。
ウミネコ?カモメ?僕には区別がつかないが、海鳥が船を避けて海の上を飛び、時折鳴いているのだった。

「海の上ってドキドキするね?」ケーもちょっと興奮気味のようだ。
「そうだね。…、なんか配られてきたよ?なんだろうね。」隣から渡された袋から子袋を二つ取り出すとケーに渡して次の人に袋を渡した。
袋には「海鳥の餌」と書かれていて、食べられないというマークがついていた。
「へぇ、海鳥にあげられるんだね。後で一緒にやらない?トゥルー。」ケーはなんだか嬉しそうだ。
「そうだね。どうやってあげるんだろう?投げるのかな?」僕は袋を見ながら言った。
「多分、そうじゃないかな。」ケーも頷きながら袋を見ている。

その時、船のエンジン音がして船全体が震えると船内放送が入った。
「ようこそ、ウミネコ号へ!この船は、少しだけ海上で停泊します。その間に海鳥に餌をあげてください。10分程の停泊の後、セキレイ島へ向かいます。約1時間で到着予定です。それでは、海の旅をしばしお楽しみください。」

ブツッと、放送の切れる音がすると、いよいよ船が動き出した!
少しづつ船は動き出し、窓を見ると桟橋が徐々に遠くなっていく。
辺りは、少しガソリンのような匂いと海独特の匂いがしていたけれど、それは慣れてきたのだった。
完全に桟橋から離れると、海鳥の集まる箇所へ船は進んでいった。



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2024-12-16 14:13:08

バーチャル学校vol3 02

作 林柚希

学校を出た、バスは一路、臨海学校のある場所を目指して、高速道路に入った。
高速道路に入ると、僕は隣のケーとガサガサとお菓子を取り出した。
その音を聞いて、バスの中の生徒は皆お菓子を取り出して見せあって食べたりしている。

「ケー、そのチョコ見せて。」ケーはいいよと見せる。
そのチョコは、色々な動物の姿をしていた。中にはカエルなんてものもある。
「このチョコ、チョーダイ!」キリンのチョコを手に取ってもらい貰う。
「トゥルーのポッキーちょうだい。」ポッキーを箱ごと渡して、ケーはポリポリ食べだした。
ケーのお菓子を見て、笛が吹ける、真ん中に穴が開いたラムネと可愛い特徴のある絵柄を見て、これはと思った。
「ケーさ、どこでこのお菓子買った?」もう訊いている。
「あのお菓子専門店だよ。」ケーはポッキーをもう食べ終わりそうな勢いでポリポリ中だ。
「やっぱり!あのお店、いいよね?」僕もちょっとだけポッキーをもらってポリポリ食べる。僕のなのにな。
「そうそう。ところで、お菓子の金額守ってる?」ケーはちょっとだけヒソヒソ声になる。
「えと?…守ってるよ。」トゥルーはニマニマ笑いながら、サイのチョコを貰った。
「私も、ちゃんと守ってるよ。」ケーもニマニマ笑っている。…この顔は、多少出ているな。

「そのカエルチョコ、頂戴!」前の座席にスカイハイとアイちゃんが座っている。
そのアイちゃんが椅子の上から腕を伸ばしてきた。
カエルチョコを受け取って、「可愛い!」とはしゃいでいる。面白いの好きなんだな~。
スカイハイも後ろを振り向いて、「これ、班で配ってくれる?」と言って渡してきたのがエクレアだ。

「これ!?買ったの?」思わず驚いてケーが受け取りながら訊いてみる。
「いや、これアイちゃんが作ったんだよ。」なんだかスカイハイは照れている。
「へぇ~、凄いね。」エクレアをケーから受け取るとパクっと食べる。うん美味い!
「スカイハイにアイちゃん、ありがとうな。」僕はお礼を言った。
ケーは後ろの座席にエクレアを渡すと、「スカイハイとアイちゃんからだよ。班で配ってって。」と渡した。
すとんと、椅子に座りなおすとケーは、エクレアにパクつく。
「…!!美味しいね、これ。」ケーは驚いて思わず言った。
アイちゃんは、「ありがとう。」と照れながら言うと、前を向いて椅子に座った。

「はーい!注目!」ワンダリング先生がパンパンと手を叩くと言った。
「このバスは、一度高速道路の途中で止まって、トイレ休憩を取ります。全員トイレは済ませておくように。そこ!ちびるなよ。」

ワハハと、小さな笑いが起こると、またシーンとする。
「それから、今回、バスガイドさんがいます。ちゃんと言うことを聞くように!いいね。」
ワンダリング先生は、小さくドウゾ、とバスガイドさんに言った。

「バスガイドのミラです。今回のバスツアーを担当して嬉しく思っております。どうぞよろしくお願いします。」
バスガイドさんは、ペコっとお辞儀をすると、マイクを片手にそう話し出した。

バスガイドさんは、高速道路から見える様々な景色を、楽しいおじゃべりを交えながら教えてくれた。
そう、観光として。

そうして、バスはサービスエリアに止まると、トイレ休憩に入った。

トイレに一直線に行くと、女子トイレの近くでケーを待つ。
しばらくして、ケーが来た。

「遅いよ、ケー!」僕は腕を回すとほっぺをつねった!
「しょうがないでしょ。女子トイレは混むものなの!」ケーは華麗によけると笑った。
「あそこにお土産コーナーがあるからさ、ちょっと覗こうよ。」僕が言った。
「いいねぇ。」二人で頷く。

二人で歩き出すと、お土産コーナーのある建物に入った。
お土産コーナーには、様々なお土産が陳列されていて、なかなかに楽しかった。

気づくともう集合の時間ギリギリだ。
「やべっ。遅刻だ。」二人で急いでバスに戻った。
同じバスが、何台もあるので迷いそうになる。
ケーが車のナンバーを覚えていたので、違いが判り、またバスガイドさんが側に立っていたので助かったのだった。

バスに乗り込むと、ワンダリング先生に「またお前らか。」とポコンと頭を軽くぶたれた。
スカイハイとアイちゃんと他の同じ班の生徒達に謝ると早々に席に座った。
いやはや、この遅刻グセ、どうにかしなくちゃな~。
ケーもそう思ったのか、「私達、もう少ししっかりしなくちゃね。」と舌を出して言った。

バスガイドさんが乗り込むと、バスのドアは閉まり、臨海学校に向けて出発したのだった。

バスが、もう少しで到着という所で、またワンダリング先生が話し出した。
「臨海学校は、もう少し先です。まずバスが海岸に到着すると、集合写真を撮ります。これは皆が学校を卒業する時に渡すアルバムに載るからな。」
皆が驚いて「集合写真?」とざわついた。
「そう。それで、岸から船である島に向かいます。島に到着したら臨海学校はすぐです。島の地図を渡すので班のリーダーは・・・、いや席順に後ろに地図を回すからな。」
そう言うと、紙の束を左の座席と、右の座席にそれぞれワンダリング先生とバスガイドさんが渡した。

順番に前の座席から後ろを向いて後ろの座席に地図を渡した。
僕も、スカイハイから渡されて、二枚受け取ると後ろに紙の束を渡した。
座席に座りなおすと、「臨海学校の地図」と銘打ってあって、地図を見た。
ケーも、「意外と広いねぇ、この島。」とヒュー、と口笛を鳴らした。

ワンダリング先生が、島の解説をすると、こう言った。
「さぁ、もう少しでバスが到着します。各自バスを降りる準備をするように。」

バスは船が逗留している岸辺近くの駐車場に止まった。



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2024-12-15 03:46:31

バーチャル学校vol3 01

作 林柚希

「いけね、忘れ物!」バタン。
「トゥルー、水筒忘れてる!」お母さんは、トゥルーがやってくると、水筒を渡した。
「サンクス、母さん。」トゥルーは水筒を受け取ると、学校に向かって走っていった。
僕トゥルーは、夏休みが終わって、学校行事で臨海学校がある。
海で色々なレクリエーションが待っているけど、どうなるのか皆目見当がつかない。
夏休みの疲れで、ちょっとカッタルイ気持ちもするけれど、でも楽しそうでもある。

「わっぷ。」尻尾が絡んできた。
「おっはよ!トゥルー!!」ケーだ。
「おはよ!…もう、尻尾絡ませるなよ~。」ケーにぶーたれるとケーはニコっと笑った。
「いいじゃん!…ところで臨海学校、楽しげじゃない?」ニッコニコだ。
「僕は…、ちょっと夏休み疲れがあってさ、ちょっとカッタルイよ。」でも内心は。
「もう、おじいちゃんじゃん、それじゃ。」ケーはあきれ顔だ。

キーンコーンカーンコーン。
「やべっ。遅れる!」僕がアセリだす。
「急ごう!トゥルー。」ケーが先に走り出した。
ケー、最近背が高くなったな~。しかもなんだか胸も。
あ、いかんいかん遅刻する!
ケーとトゥルーは、超速攻でバタバタと駆けていくとギリギリ間に合うのだった。

「おーい!点呼とってくれ。」ワンダリング先生だ。
「はーい!」学校の生徒が一斉に点呼を取り出した。
「先生、トゥルー君とケーちゃんがまだ来ていません。」報告をした生徒は困った顔をしていた。
「先生!すいません、遅くなりました!!」僕とケーが間に合って到着した。
「トゥルー君にケーさん、遅いぞ。」ワンダリング先生は苦笑いしている。
僕とケーはどこに行ったらよいかわからずに、キョロキョロしている。
「トゥルー、ケーちゃん。ここ!ここに来て!」スカイハイだ。
彼は相変わらず、モデル並みにかっこいい。今回は班のリーダーでもある。
「サンクス、スカイハイ。今回リーダーだったよな。よろしく!」一応ペコっと礼を取る。
「スカイハイ君、よろしくね。」同じくケーがペコっとお辞儀をした。
「ああ、よろしくね。二人とも。それから、なるべく遅刻しないでくれ。」スカイハイは苦笑いしている。
「トゥルー君、ケーちゃん、今回一緒の班だね。よろしくね。」アイちゃんだ。相変わらず可愛いなぁ。
ドスっ。「イッテー!」僕は足を抱えた。
「もうアイちゃんに鼻伸ばしちゃだめだよ!トゥルー!」ケーはなんだか怒っている。なんでだろ。
「別に鼻伸ばすなんてしてないよぉ。痛いなぁ。」僕は、ケーをこずいた。

パンパン。ワンダリング先生が手を叩くと「注目!」と言った。
「今回、臨海学校に全員で行きます。現地にも先生やボランティアのスタッフさんがいます。くれぐれも迷惑をかけないで、今回の臨海学校を過ごしてほしい。」
そういった後に、ウィンクをして「そして大いに盛り上がろうな!」と言った。
皆は「そうこなくっちゃ!」とワーと歓声が出た。

点呼で、全員の所在を確かめるとバスに乗り込み、学校を後にしました。



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バーチャル学校vol3-05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-06

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-07

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-08

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-11

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-13

物語の最後は、こちらになります。
バーチャル学校vol3-14
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