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●詩、小説●

2024-03-03 02:21:17

ヘンゼルとグレーテルno.2 -辿るパンくず-



ヘンゼルとグレーテルは、白く光る石を辿りながら、なんとか家へたどり着くことができました。
ヘンゼル「ただいま!」
グレーテル「ただいま!」

そんな兄妹に、しょげていたお父さんは大喜びでした。
お父さん「お前たち!帰ってきたんだな!」
ヘンゼル「帰ってきたよ!お父さん。」
グレーテル「帰ってきたよ。お母さん。」
お母さん「そう。おかえり。お前たち。」
ヘンゼル「野イチゴを取ってきたよ。」
グレーテル「エライでしょ?お母さん。」
お母さん「そうかい。まぁ、美味しそうだね~。」
お父さん「カゴ一杯じゃないか。ありがとうな、お前たち。」
お父さん「おかげで食いつなげるじゃないか!嬉しいぞ。」

木こり一家は、鮮やかで甘く美味しい野イチゴを一部ジャムにして、パンに付けて食べました。また、残りはお茶に入れたり、そのまま食べたのです。

久しぶりの美味しい食事は、とても盛り上がりました。
だけど、お母さんは、こっそりとため息をついていました。
この先はどうしようと。
その夜の夫婦の会話です。

お父さん「うちの子供達、なかなかやるじゃないか。」
お母さん「そうねぇ。」
お父さん「それなら、もっと森の奥なら、もっと色々な食材があるかもしれないな。」
お母さん「え。まぁそうだけど…。」
お父さん「ノリが悪いな。」
お母さん「そうだわね。今度はもっと奥の森まで連れて行きましょう。」
お父さん「そうだな。」

それを聞いた兄妹はまた顔色が青くなったのです。

ヘンゼル「お父さんたら、あんなこと言って…。」
グレーテル「お父さんとお母さんは、私達がキライなんだきっと。」
ヘンゼル「そんなことないよ。家は食べ物がないから困っているんだよ。」
グレーテル「そうだけど…。」
ヘンゼル「大丈夫!また家に帰るようにするからな!」
グレーテル「うん!お兄ちゃん頑張って!」

グレーテルがウトウト眠りだす頃、またヘンゼルは白い小石を集めようと家から抜け出そうとしていましたが、戸口にカギがかけられていて、出ることが叶わなかったのです。
ヘンゼルは一人青くなっていました。
そのまま日が明けてしまいました。

翌朝、木こりの一家はこんな会話をしていました。

お母さん「今日は昨日よりも、もっと森の奥まで行ってみましょう。」
グレーテル「え~!やだよ。お母さん。」
お父さん「お前たちは賢いからな。大丈夫だよ。」
ヘンゼル「うん。お父さん。」
グレーテル「お兄ちゃん。大丈夫?」
ヘンゼル「うん。眠くてな。でも大丈夫だぞ。」
お父さん「その意気だぞ!ヘンゼル!」
お母さん「その代わりにね、お弁当にパンを持っていきますからね!」
グレーテル「ホント?お母さん。」
お母さん「本当よ。森の奥まで行っても大丈夫だわよ。」
ヘンゼル「ありがとう!お母さん。」
お父さん「大丈夫なのか?食材の方は。」
お母さん「大丈夫!」

お母さんは、二人分のパンをかごに入れ、ヘンゼルに持たせました。
そして木こり一家は森に入っていったのです。
道すがら、ヘンゼルはカゴからパンをコッソリパンくずにすると、少しづつ道に落としていったのです。
そして、道案内のお母さんが兄妹が一度も行ったことのない森へ案内していきました。


※よく言われる所の童話「ヘンゼルとグレーテル」を私なりに解釈して、イメージを広げて掲載しています。

物語の初めは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.1 -白く光る小石-

物語の続きは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.2 -辿るパンくず-

物語の続きは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.3 -お菓子の家-

物語の続きは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.4 -老婆の魔女-

物語の続きは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.5 -家畜小屋-

物語の続きは、こちらになります。
紹介「ヘンゼルとグレーテルno.6 -宝物-
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