雑記
日頃の想いとひそかな考察
Editer:snow Date:2025-09-20 00:43

今日は、彼岸です。
「彼岸(ひがん)」とは、日本の「雑節」の一つで「お彼岸」とも呼ばれます。
仏教に由来する行事とされ、3月の「春の彼岸」と9月の「秋の彼岸」があります。
彼岸は、二十四節気の「春分(3月21日頃)」と「秋分(9月23日頃)」を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間であり、1年で計14日あります。この期間に行う仏教の行事を「彼岸会(ひがんえ)」と呼び、一般的にはこの期間に「お墓参り」をします。
彼岸の最初の日を「彼岸入り」や「お彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」や「お彼岸の明け」などと呼びます。なお、中日の「春分」は「春分の日」、「秋分」は「秋分の日」として国民の祝日となっています。
俗に、中日は先祖に感謝する日とされ、残る6日は、悟りの境地に達するために必要な6つの修行徳目「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を1日に1つずつ修める日とされています。
彼岸は仏教行事に由来するとされるが、彼岸の行事は日本独自のものであり、インドや中国の仏教にはないです。歴史的には、806年(延暦25年)に日本で初めて仏教行事としての彼岸会が行われました。
民俗学では、彼岸は元は日本古来の土俗的な太陽信仰や祖霊信仰が起源だろうと推定されています。民俗学者・五来重(ごらい しげる、1908~1993年)は「彼岸」という言葉の由来について、豊作を太陽に祈願する太陽信仰の言葉「日の願い」から「日願(ひがん)」となり、後に仏教用語の「彼岸」と結び付いたと説いています。
日本では彼岸に供え物として、もち米とあんこを使用した「ぼた餅」や「おはぎ」と呼ばれる食べ物が作られ、食されます。これらの名前は、彼岸の頃に咲く花である春の牡丹(ぼたん)と秋の萩(はぎ)に由来すると言われます。
日本の気候を表す慣用句に「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。これは「冬の寒さ(残寒)や夏の暑さ(残暑)は彼岸の頃まで続き、彼岸を過ぎると和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味です。

彼岸に由来する花として「ヒガンバナ(彼岸花)」がある。ヒガンバナは、ヒガンバナ科の多年草で、鮮やかな赤い花を咲かせます。地下の球根には強い毒性がある有毒植物であるが、かつては飢饉(ききん)や災害の際に食べる救荒(きゅうこう)作物として球根のデンプンを毒抜きして食べていました。
ヒガンバナの名前は、秋の彼岸の頃に、突然に花茎(かけい)を伸ばして鮮やかな赤色の花が開花することに由来する。その他の由来として、これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、という説もあります。
また、彼岸に由来する花として「ヒガンザクラ(彼岸桜)」もある。ヒガンザクラは、バラ科の落葉小高木で、本州中部以西に多く、観賞用として庭などに植えられます。
ヒガンザクラの名前は、春の彼岸の頃に花を咲かせることに由来します。各地のサクラの開花・満開を判断する標本木(ひょうほんぼく)の「ソメイヨシノ(染井吉野)」より少し早く開花するのが特徴です。
彼岸の頃を忘れていても、川の土手を見て彼岸花が咲いているのを見かけて、「お彼岸」を思い出すこともありました。
彼岸花は、「曼殊沙華」とも言います。
曼殊沙華は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味です。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ています。サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
お彼岸に咲き、土葬をモグラや野ネズミなどから守るため、墓地などによく植えられていることから、「死人花(しびとばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」「地獄花(じごくばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。
彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などとも呼ばれています。
その反面、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に苦しい時に毒を抜いて食用にすることもあったそうです。田んぼの畦道に彼岸花が多いのは、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあり、危険を覚悟してまで口にしなければならなかった昔の苦労がしのばれます。
彼岸花の別名はその花の様子から、「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」「剃刀花(かみそりばな)」など、全国にはたくさんの呼び名があります。天蓋とは、祭壇の上などの装飾用のおおいのことです。
また、花のある時期には葉がなく、葉のある時期には花がないという特徴から、「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」と呼ばれています。呼び名だけでもかなり妖しい雰囲気が漂いますが、その生長ぶりがさらにアヤシイですよね。まるで生長サイクルが逆ですね。
皆さんも、彼岸花を見かけたら、秋のお彼岸を思い出すのもいいかも。
それでは。
今日のひとこと:2025-09-20 -彼岸-

今日は、彼岸です。
「彼岸(ひがん)」とは、日本の「雑節」の一つで「お彼岸」とも呼ばれます。
仏教に由来する行事とされ、3月の「春の彼岸」と9月の「秋の彼岸」があります。
彼岸は、二十四節気の「春分(3月21日頃)」と「秋分(9月23日頃)」を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間であり、1年で計14日あります。この期間に行う仏教の行事を「彼岸会(ひがんえ)」と呼び、一般的にはこの期間に「お墓参り」をします。
彼岸の最初の日を「彼岸入り」や「お彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」や「お彼岸の明け」などと呼びます。なお、中日の「春分」は「春分の日」、「秋分」は「秋分の日」として国民の祝日となっています。
俗に、中日は先祖に感謝する日とされ、残る6日は、悟りの境地に達するために必要な6つの修行徳目「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を1日に1つずつ修める日とされています。
彼岸は仏教行事に由来するとされるが、彼岸の行事は日本独自のものであり、インドや中国の仏教にはないです。歴史的には、806年(延暦25年)に日本で初めて仏教行事としての彼岸会が行われました。
民俗学では、彼岸は元は日本古来の土俗的な太陽信仰や祖霊信仰が起源だろうと推定されています。民俗学者・五来重(ごらい しげる、1908~1993年)は「彼岸」という言葉の由来について、豊作を太陽に祈願する太陽信仰の言葉「日の願い」から「日願(ひがん)」となり、後に仏教用語の「彼岸」と結び付いたと説いています。
日本では彼岸に供え物として、もち米とあんこを使用した「ぼた餅」や「おはぎ」と呼ばれる食べ物が作られ、食されます。これらの名前は、彼岸の頃に咲く花である春の牡丹(ぼたん)と秋の萩(はぎ)に由来すると言われます。
日本の気候を表す慣用句に「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。これは「冬の寒さ(残寒)や夏の暑さ(残暑)は彼岸の頃まで続き、彼岸を過ぎると和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味です。

彼岸に由来する花として「ヒガンバナ(彼岸花)」がある。ヒガンバナは、ヒガンバナ科の多年草で、鮮やかな赤い花を咲かせます。地下の球根には強い毒性がある有毒植物であるが、かつては飢饉(ききん)や災害の際に食べる救荒(きゅうこう)作物として球根のデンプンを毒抜きして食べていました。
ヒガンバナの名前は、秋の彼岸の頃に、突然に花茎(かけい)を伸ばして鮮やかな赤色の花が開花することに由来する。その他の由来として、これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、という説もあります。
また、彼岸に由来する花として「ヒガンザクラ(彼岸桜)」もある。ヒガンザクラは、バラ科の落葉小高木で、本州中部以西に多く、観賞用として庭などに植えられます。
ヒガンザクラの名前は、春の彼岸の頃に花を咲かせることに由来します。各地のサクラの開花・満開を判断する標本木(ひょうほんぼく)の「ソメイヨシノ(染井吉野)」より少し早く開花するのが特徴です。
彼岸の頃を忘れていても、川の土手を見て彼岸花が咲いているのを見かけて、「お彼岸」を思い出すこともありました。
彼岸花は、「曼殊沙華」とも言います。
曼殊沙華は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味です。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ています。サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
お彼岸に咲き、土葬をモグラや野ネズミなどから守るため、墓地などによく植えられていることから、「死人花(しびとばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」「地獄花(じごくばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。
彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などとも呼ばれています。
その反面、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に苦しい時に毒を抜いて食用にすることもあったそうです。田んぼの畦道に彼岸花が多いのは、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあり、危険を覚悟してまで口にしなければならなかった昔の苦労がしのばれます。
彼岸花の別名はその花の様子から、「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」「剃刀花(かみそりばな)」など、全国にはたくさんの呼び名があります。天蓋とは、祭壇の上などの装飾用のおおいのことです。
また、花のある時期には葉がなく、葉のある時期には花がないという特徴から、「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」と呼ばれています。呼び名だけでもかなり妖しい雰囲気が漂いますが、その生長ぶりがさらにアヤシイですよね。まるで生長サイクルが逆ですね。
皆さんも、彼岸花を見かけたら、秋のお彼岸を思い出すのもいいかも。
それでは。
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