詩、小説
オリジナルな詩と小説達
Editer:snow Date:2025-10-31 01:07

作 林柚希
「黄色い光は、ノヴァさんに任せていたけれど、私とお父さんでも調べてみるわね。」母さんは、なんだか精神的に完全復活したみたいだった。
「そうですね。その大きなお皿は何ですか?」ケーは良い匂いに思わずキュルルとお腹が鳴っていた。
「朝ごはんよ。なるべく小さく切ったんだけどね、あなた方からしたら大きいかしらね。」思わずクスっと母さんは笑った。
「朝食は、何?母さん。」僕も安心したのか、お腹がグーっとなっている。
「パンケーキと牛乳よ。美味しいわよ~。」母さんは、にっこり笑っている。なんだかホッとするなぁ。
「うん、食べたい。頂戴ね、母さん。」僕は母さんがそっと僕の机の上に(母さんからすると)小さなお皿と、コーヒー用のミルク入れを2個ずつ置いた。
お皿の端に、メープルシロップの雫が数滴落ちている。
「いただきまーす!」僕もケーも、パンケーキを千切ると端のメープルシロップを付けて食べ始めた。うん、美味い!
そして、ミルク入れは、僕達には大きいけれど、それでも小さな樽みたいな物になるが、ちょっとずつ傾けて牛乳を飲んだ。
「じゃ、私は戻るわよ。ごゆっくり。」母さんは、なぜだかウインクして去っていった。母さんてば。
僕とケーとルーカスはクスクス笑い合った。
「君達、言っていたろ?案ずるより産むがやすしって。大丈夫、上手くいくよ。」心憎いなぁ、ルーカスの奴。
ともかく、しばらくは朝食にかかるかな。ケーの表情も明るくなって、正直ほっとした。
母さんからの心の通信で、買い物に行ってくるということだった。
「どうしようか、これから。」ケーが訊いてきた。
「僕ちょっと考えたんだけどさ、そこに魔法の大辞典あるじゃん!」僕は心なしか声が明るくなるのを感じた。
「そっか、そうだよ。調べよう!」ケーもハキハキとしてきた。やっぱり落ち込んでいたんだな。
「ルーカス、その辞典を横にしてもらうことできる?」僕がルーカスに言った。
「了解。こう見えても僕は力持ちさ!任せて!!」ルーカスもホッとしたのか、動き出した。
ルーカスは、魔法大辞典を横にすると、ドスン!と机の上で地響きが起こった。
僕とケーは、大辞典を軽く睨んでいる。
「まずは、…。」ルーカスが何かアテがあるのか、ページをやたらと捲っている。
「あった!」ルーカスが目当てがあったらしく、ページの一角を見てウンウンと頷いている。
そこには、『呪文の解除』とあり、短いがこう記してあった。
『呪文の解除方法は、幾つかある。一、まず真逆の効果の呪文を唱えること。二、呪いが付加されている場合、それを解除する。(※詳しくは呪いの項を参照。)三、大魔法使いの場合、全ての呪文を強制的に解除できる。』
「あるねぇ!」やはりウンウンと頷きながら、ケーが言った。
「やったね!ケー、ルーカス!」僕はなぜだかハイタッチしたい気分になったけど、何も言わなかった。
「トゥルー!ハイタッチ!!」するとケーが、言ってくれた。僕とケーは、パチンと音を立ててハイタッチした。
「やったね。…じゃさ、『呪いの項』って見てみる?」ルーカスがおずおずと言った。
「そうだね。ルーカス、探してくれるかい?」僕がルーカスにウキウキと言った。
「了解。どれどれ…。」ルーカスはまたページを捲り始めた。
「またあったよ!トゥルー、ケー。」ルーカスが言ってくれた。
「読んでくれるかい?ルーカス。」僕がルーカスに言った。呪いなんて正直ちょっと怖いなぁ。
「えと、僕が読むね。『呪い。呪いとは…。』」ルーカスがとうとうと語りそうになっていたので二人して止めた。
「全部知りたいわけじゃないから。かいつまんで読んでくれないかな。」ケーがルーカスに言った。
「えと、呪いの解除。解除…。」ルーカスもひょいと肩をすくめてしょうがないな、と探してくれてる。
正直呪いはあまり知りたくはなかった。それはケーも同じなのだろう。
「あ。本当にあった!…ちょっと待っててよ。」ルーカスはページの一角で目が留まり、一生懸命熟読している。
「ルーカスありがとうね。」ケーはちょっとすまなそうに言った。
「ルーカスにばかりすまないね。」僕はルーカスに謝った。そうだよね、僕は魔法使いなのに、何考えてるだ。
「二人ともいいからさ、そんなに恐縮する必要はないよ。」ルーカスは、どこを読もうか考えているようだ。
「ちょっと、回りくどいから僕が説明するよ。呪いの解除は…。」ルーカスが説明を始めた。僕とケーは思わず唾を飲み込んだ。
「…、解除は、呪いの呪文を作った本人が作る。もしくはあとから呪いの解除を依頼された存在が作る、とある。そして呪いをようく吟味して、、それに対応した呪文ならきちんと呪文で呪いが解除できる、とあったよ。」
「それとね、呪いを作った本人や依頼されたんではなく大魔法使いなら問答無用で作れるだろう、ともあった。」ルーカスはエヘンと咳払いをして言った。
「この際、大魔法使いはいいよ。どこにいるかもわからないんだしさ。」ケーは現実を見ているな。
「そうだよね、問題は本人は無理だよな。死んでるんだし。」僕が二人に言った。
「残りは、依頼された存在、だね。」ケーが言った。
「誰に依頼しようか。」僕が言った。
「それが肝心だね。」ルーカスが言った。
(それは私達にまかせて!)母さんだ。心の通信で言ってきた。
(おかえりなさい。)ケーが母さんに言った。
(ただいま。…やっぱり娘がいるようでいいわね。)母さんはきっとニッコリしているだろう。しょうがないなぁ、もう。
(おかえり、かあさん。聞いていたの?)僕が母さんに言った。
(聞いていたわよ。そうね、お父さんに言うから、二人で探すわよ。大丈夫、任せてね。)母さんは自信満々だ。何かアテがあるのだろうか。
この話は、もうお終いになり他愛のないおしゃべりを僕、ケー、ルーカスでしていたのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-01 ワンダリング先生との打ち合わせ]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-02 ケーとの話し合い]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-03 同じ日の夜、僕の家にて]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-04 打ち合わせとプラス宣戦布告]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-05 ワンダリング先生の渡してきた本]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-06 戦いの準備]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-07 闇協会の支部での戦い1]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-08 戦いその2]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-09 戦いの終わり、そして]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-10 調べてまわって]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-11 風変わりな依頼]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-12 新たな戦い]
物語の最後は、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-13 最後の戦い、そして]
バーチャル学校vol4-10調べてまわって

作 林柚希
「黄色い光は、ノヴァさんに任せていたけれど、私とお父さんでも調べてみるわね。」母さんは、なんだか精神的に完全復活したみたいだった。
「そうですね。その大きなお皿は何ですか?」ケーは良い匂いに思わずキュルルとお腹が鳴っていた。
「朝ごはんよ。なるべく小さく切ったんだけどね、あなた方からしたら大きいかしらね。」思わずクスっと母さんは笑った。
「朝食は、何?母さん。」僕も安心したのか、お腹がグーっとなっている。
「パンケーキと牛乳よ。美味しいわよ~。」母さんは、にっこり笑っている。なんだかホッとするなぁ。
「うん、食べたい。頂戴ね、母さん。」僕は母さんがそっと僕の机の上に(母さんからすると)小さなお皿と、コーヒー用のミルク入れを2個ずつ置いた。
お皿の端に、メープルシロップの雫が数滴落ちている。
「いただきまーす!」僕もケーも、パンケーキを千切ると端のメープルシロップを付けて食べ始めた。うん、美味い!
そして、ミルク入れは、僕達には大きいけれど、それでも小さな樽みたいな物になるが、ちょっとずつ傾けて牛乳を飲んだ。
「じゃ、私は戻るわよ。ごゆっくり。」母さんは、なぜだかウインクして去っていった。母さんてば。
僕とケーとルーカスはクスクス笑い合った。
「君達、言っていたろ?案ずるより産むがやすしって。大丈夫、上手くいくよ。」心憎いなぁ、ルーカスの奴。
ともかく、しばらくは朝食にかかるかな。ケーの表情も明るくなって、正直ほっとした。
母さんからの心の通信で、買い物に行ってくるということだった。
「どうしようか、これから。」ケーが訊いてきた。
「僕ちょっと考えたんだけどさ、そこに魔法の大辞典あるじゃん!」僕は心なしか声が明るくなるのを感じた。
「そっか、そうだよ。調べよう!」ケーもハキハキとしてきた。やっぱり落ち込んでいたんだな。
「ルーカス、その辞典を横にしてもらうことできる?」僕がルーカスに言った。
「了解。こう見えても僕は力持ちさ!任せて!!」ルーカスもホッとしたのか、動き出した。
ルーカスは、魔法大辞典を横にすると、ドスン!と机の上で地響きが起こった。
僕とケーは、大辞典を軽く睨んでいる。
「まずは、…。」ルーカスが何かアテがあるのか、ページをやたらと捲っている。
「あった!」ルーカスが目当てがあったらしく、ページの一角を見てウンウンと頷いている。
そこには、『呪文の解除』とあり、短いがこう記してあった。
『呪文の解除方法は、幾つかある。一、まず真逆の効果の呪文を唱えること。二、呪いが付加されている場合、それを解除する。(※詳しくは呪いの項を参照。)三、大魔法使いの場合、全ての呪文を強制的に解除できる。』
「あるねぇ!」やはりウンウンと頷きながら、ケーが言った。
「やったね!ケー、ルーカス!」僕はなぜだかハイタッチしたい気分になったけど、何も言わなかった。
「トゥルー!ハイタッチ!!」するとケーが、言ってくれた。僕とケーは、パチンと音を立ててハイタッチした。
「やったね。…じゃさ、『呪いの項』って見てみる?」ルーカスがおずおずと言った。
「そうだね。ルーカス、探してくれるかい?」僕がルーカスにウキウキと言った。
「了解。どれどれ…。」ルーカスはまたページを捲り始めた。
「またあったよ!トゥルー、ケー。」ルーカスが言ってくれた。
「読んでくれるかい?ルーカス。」僕がルーカスに言った。呪いなんて正直ちょっと怖いなぁ。
「えと、僕が読むね。『呪い。呪いとは…。』」ルーカスがとうとうと語りそうになっていたので二人して止めた。
「全部知りたいわけじゃないから。かいつまんで読んでくれないかな。」ケーがルーカスに言った。
「えと、呪いの解除。解除…。」ルーカスもひょいと肩をすくめてしょうがないな、と探してくれてる。
正直呪いはあまり知りたくはなかった。それはケーも同じなのだろう。
「あ。本当にあった!…ちょっと待っててよ。」ルーカスはページの一角で目が留まり、一生懸命熟読している。
「ルーカスありがとうね。」ケーはちょっとすまなそうに言った。
「ルーカスにばかりすまないね。」僕はルーカスに謝った。そうだよね、僕は魔法使いなのに、何考えてるだ。
「二人ともいいからさ、そんなに恐縮する必要はないよ。」ルーカスは、どこを読もうか考えているようだ。
「ちょっと、回りくどいから僕が説明するよ。呪いの解除は…。」ルーカスが説明を始めた。僕とケーは思わず唾を飲み込んだ。
「…、解除は、呪いの呪文を作った本人が作る。もしくはあとから呪いの解除を依頼された存在が作る、とある。そして呪いをようく吟味して、、それに対応した呪文ならきちんと呪文で呪いが解除できる、とあったよ。」
「それとね、呪いを作った本人や依頼されたんではなく大魔法使いなら問答無用で作れるだろう、ともあった。」ルーカスはエヘンと咳払いをして言った。
「この際、大魔法使いはいいよ。どこにいるかもわからないんだしさ。」ケーは現実を見ているな。
「そうだよね、問題は本人は無理だよな。死んでるんだし。」僕が二人に言った。
「残りは、依頼された存在、だね。」ケーが言った。
「誰に依頼しようか。」僕が言った。
「それが肝心だね。」ルーカスが言った。
(それは私達にまかせて!)母さんだ。心の通信で言ってきた。
(おかえりなさい。)ケーが母さんに言った。
(ただいま。…やっぱり娘がいるようでいいわね。)母さんはきっとニッコリしているだろう。しょうがないなぁ、もう。
(おかえり、かあさん。聞いていたの?)僕が母さんに言った。
(聞いていたわよ。そうね、お父さんに言うから、二人で探すわよ。大丈夫、任せてね。)母さんは自信満々だ。何かアテがあるのだろうか。
この話は、もうお終いになり他愛のないおしゃべりを僕、ケー、ルーカスでしていたのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-01 ワンダリング先生との打ち合わせ]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-02 ケーとの話し合い]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-03 同じ日の夜、僕の家にて]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-04 打ち合わせとプラス宣戦布告]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-05 ワンダリング先生の渡してきた本]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-06 戦いの準備]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-07 闇協会の支部での戦い1]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-08 戦いその2]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-09 戦いの終わり、そして]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-10 調べてまわって]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-11 風変わりな依頼]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-12 新たな戦い]
物語の最後は、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-13 最後の戦い、そして]
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