詩、小説
オリジナルな詩と小説達
Editer:snow Date:2025-10-25 11:56

作 林柚希
「やぁ!」ワンダリング先生が僕の家にやって来た。父さんも帰って来たし、これで役者がそろった感じだ。僕はリビングに集まるとワンダリング先生が開口一番言った。
「お集りの皆さん!僕はやっと闇協会の尻尾をつかむことができたことを報告します。ぜひこの情報で奴らを一網打尽にしましょう!」
皆、パチパチと盛大に拍手をした。これで、奴らはまず減るのだろうか。大体奴らの組織はどのくらいの規模かなんて考えたこともなかった。
「それで、ワンダリング先生、どのくらい情報が集まったんだい?」父さんが髭を触りながらワンダリング先生に訊いてきた。
「まぁ、まだ僕も全体像を訊いてはいないんですよ。まだ集計中でね。」ワンダリング先生は恐縮して父さんに答えた。
「まず、支部一つを任されてね。トゥルー君、ケーさん。」ワンダリング先生に呼ばれた。
僕とケーは二人そろって返事をすると、話を聞こうと身構えた。
「もう一度念を押すけれど、一緒に戦ってくれるね?」ワンダリング先生が剣呑な目線で尋ねてきた。
「僕は大丈夫です、そのつもりです。ただケーは…。」僕が答えると、ケーは後から遮るように言ってきた。
「私も大丈夫です。ただ、私自身戦いでお役に立てるかはどうかと思います。その辺はどうお考えですか?」ケーもちゃんと考えてたんだ。僕はちょっとほっとしてそれから必ずケーを守るべく気持ちを固めた。
「ケーさんは、即時戦闘と言う場合に困るだろうが、占いと予言はアテにしているよ。それにね…。」
「オアツマリデスカナ?ケケケ」ヌボっと部屋の隅から現れた紫色の頭で部屋にいる皆は仰天した。
「父さん母さん!ワンダリング先生!」そう言ってから、頭の片隅で先生の名前を言うのはまずかっただろうかと考えていた。
すぐに父さんが部屋から出ていき、ワンダリング先生がなにごとか呪文の詠唱を始めた。
「お前は何しにやって来た!」僕は、思わずこの赤ちゃんのような風体の紫色の奴に怒鳴った。ケーの体を隠しながら。
「ケケケ。センセンフコクシニキタノサ!」耳障りな笑い声をたてて、奴は答えた。
「オマエタチニハ、ワザトジョウホウヲナガシタ。ケケケ。」
「なんだと!」それにはワンダリング先生が奴の言うことに噛みついた。
「それでも、僕達が勝利するに決まっている!」ワンダリング先生は、持っていた杖を奴に振った。
振った杖から、火と雷の合わさった特別な火球が出て、奴の腹に当たった。
「ギャー。」奴は、ウルサイ咆哮をあげると口から紫色の変な息を出してきた。
その変な息は母さんに当たり、母さんは眠いと言いながらダウンしてしまった。
僕も呪文の詠唱をしてすぐに火球を奴に当ててやった。
父さんが杖を持って戻って来た。父さんは母さんに呪文を唱えると、母さんは気づいたようだった。
ケーは、僕が携帯するよう持たせた中剣で、奴に応戦している。
父さんは、向き直ると、母さんと一言一句同じ詠唱を始めた。
ワンダリング先生は、さっきと同じ特別な火球を奴の頭に叩き送ったがよけられた。
僕も火球を出すと、奴の胸に当てた。
奴は、さすがに5人相手に分が悪いらしく何もできずにいる。
父さんと母さんの詠唱が完成した。二人同時に杖を振るとそれは、巨大な火球になり奴にまともにぶち当たった。
奴はじゅっと音がすると、消えていなくなった。
「さっきの奴は、わざと情報を流した、と言っていたが…。」父さんは奴のいなくなった辺りを睨みながら言った。
「それについては、コチラで話しましょう。」ワンダリング先生も同じ辺りを睨んで言った。
(さて、諸君。私も色々考えているのですが…。)ワンダリング先生だ。心の通信で話している。皆、頷くとこちらで話し始めた。
(私は、ちょっと予言を行いたいので、引っ込んでいますね。)これはケーだ。
(あんまり離れるなよ。どこから現れるか、わからない連中だからな。)僕が言うとケーは、了解、と部屋の隅に移動してブツブツ呟き始めた。
(そうそう、魔法陣と結界を張ったわ。もう大丈夫だと思うわよ。)母さんだ。これで安心して話すことができるなと僕は思った。
(ケーさんも聞こえたかな?)これは、父さんだ。色々と考えている時の顔をしている。
(聞こえています。わかりましたよ、トゥルー君のお父さん。)ケーだ。ケーも、なにやら思案中のようだ。
「それで、さっきの話なんだが、奴らには魔法協会のメンツが駄々洩れなんだろうか。」ワンダリング先生は、独り言とも取れる口調で話した。
「メンツは知れているのかもだな。」父さんはそう考えているのか。
「でも、支部への戦いのメンバーはわかってないでしょ?」僕が言ってみた。皆、それぞれ思案しながら頷いている。
「それに、それから期日や方法もですよ。」母さんだ。それもそうかも、と僕も頷いた。
「それで、本当は今日そのメンバーと期日と方法の説明をしようと思っていたのだが…。」ワンダリング先生は、苦しそうに続けた。
「メンバーと方法は、当日に発表することにする。そして期日は前日に知らせるからな。トゥルー君、ケーさんそれでいいかな?」
「わかりました。その方がいいでしょうね。私はそれでOKです。」ケーもそれが良策と頷いた。
「僕も、了解です。その代わり、必ず知らせてください。」僕は、もっと言えないのかとも思ったが何も考えられず悔しかった。くそっ。
「それから、占いをしてみましたが…。」なぜだか、ケーの顔色が悪い。どうしたんだろうと僕はいぶかしんだ。
「どうした、ケー。何か良くない結果だったのか?」僕はケーが、冗談と顔をほころばせるのを期待した。けど何もなかった。
「うん…。支部は完全に潰せる、と出たの。」ケーはそこだけホッとして報告した。皆もそれを聴いて一様に安堵した。
「けれど、私とトゥルーは何らかの作戦に引っ掛かる、とでたんです。」ケーはこれが引っ掛かったのか。僕もケー以外の皆も青ざめた。
「じゃ、……僕達は死ぬのかい?」トゥルーは恐る恐る言った。
「いや、そうではないの。ただ『悪い状態』になるってことらしくて。」ケーも青ざめて答えた。
「悪い状態、って。」僕もそれ以上言えずに絶句した。
「こほん。どうしようか、君達は…。」ワンダリング先生も枯れた声で言った。
「トゥルー、ケーちゃん。今回はおりましょうよ。」母さんだ。
「だが、トゥル-もケーちゃんも外せないだろう?」父さん、そうだけど、僕は…。
「僕は、おりたいです。ケーに何かあったらケーのご両親に顔向けできないよ。」僕はそう言っても、悔しくて仕方が無かった。
「私は、おりたくないよ。トゥルー!死ぬわけではないのだから、大丈夫だよ。」ケーは励ますように笑って言った。
「そうは言っても。」僕が言いかけたら、ワンダリング先生が割って言ってきた。
「まぁ、待ちたまえ。二人とも。」そうすると、手元からケーに何か渡してきた。
「これは…。」ケーは、手元に本があり、それには「予言者と占いとその先」と書かれていた。
「この本を読んで、ちょっと頑張ってくれ。」ワンダリング先生が言った。
「僕の山勘なんだが、これで運が開けそうな気がするから。」ワンダリング先生はそういうと、母さんが運んできたコーヒーをすすった。
母さんは、皆にコーヒーを持ってくるとこう言った。
「私は凄く心配だけど、その本を読んだケーちゃんなら、なんとかなるかもね。頑張って習得するのよ!」ケーの肩を軽く叩いた。
「わかりました、なんとかしてみせます!」ケーは本の表紙を見て応えた。
「トゥルー君にもこれを渡しておくな。」ワンダリング先生が僕にも2冊渡してきた。
一冊は「魔法大全」魔法に関するの辞書だ。これは、昔ケーと図書館に行ったときに魔法の事を調べていた時に、特別閲覧だったはずだ。
「この魔法大全はプレゼントだから、とっておいてくれ。」ワンダリング先生は嬉しそうだ。
もう一冊は、…あれ?なにも書いていない。なんの本だろう?
「ワンダリング先生、この本は」と言いかけたら、また遮られた。
「その本は、生きた本なのよ。」ウインクしながら母さんが答えた。
「その本は、ワンダリング先生が渡したが、僕と母さんからのプレゼントだよ。」父さんもニコニコしている。なんだろう、生きた本って。
その時、ヘックシュン。とどっかからクシャミの音が聞こえた。誰もクシャミしていないけどな。僕とケーだけおかしいな、と思っているようだった。ま、いいか。
「父さん、母さん、それからワンダリング先生、ありがとう。大事にするよ。」僕は、嬉しくなった。なんだか凄く認められている気がして。
「とりあえず、決行日は数日中なんだ。その間、ケー君はどうしたらいいのかなと思いまして。トゥルー君のお父さんどうしましょうか?」
「あなた、とりあえずウチに泊まってもらいましょうよ。」母さんも言った。
「そうだな、ケーさんが良ければ、なんだがな。」父さんは、あごに手をやりながら言った。
「私は、大丈夫です。ただ着替えだけどうしようかと思いますが。」ケーは気がかりそうに言った。
「それなら、僕が着替えを取りに行って帰ってくる間、僕も同行します。」僕が皆に安心できるように言った。
「それでいいよね、ケー。」僕もケーも大丈夫、だとは思うけど、まだ心配でもある。
「そうだね。頼むよ、トゥルー。」それはケーも同じようだった。
これで、家での会議は終わったのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-01 ワンダリング先生との打ち合わせ]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-02 ケーとの話し合い]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-03 同じ日の夜、僕の家にて]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-04 打ち合わせとプラス宣戦布告]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-05 ワンダリング先生の渡してきた本]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-06 戦いの準備]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-07 闇協会の支部での戦い1]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-08 戦いその2]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-09 戦いの終わり、そして]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-10 調べてまわって]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-11 風変わりな依頼]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-12 新たな戦い]
物語の最後は、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-13 最後の戦い、そして]
バーチャル学校vol4-04打ち合わせとプラス宣戦布告

作 林柚希
「やぁ!」ワンダリング先生が僕の家にやって来た。父さんも帰って来たし、これで役者がそろった感じだ。僕はリビングに集まるとワンダリング先生が開口一番言った。
「お集りの皆さん!僕はやっと闇協会の尻尾をつかむことができたことを報告します。ぜひこの情報で奴らを一網打尽にしましょう!」
皆、パチパチと盛大に拍手をした。これで、奴らはまず減るのだろうか。大体奴らの組織はどのくらいの規模かなんて考えたこともなかった。
「それで、ワンダリング先生、どのくらい情報が集まったんだい?」父さんが髭を触りながらワンダリング先生に訊いてきた。
「まぁ、まだ僕も全体像を訊いてはいないんですよ。まだ集計中でね。」ワンダリング先生は恐縮して父さんに答えた。
「まず、支部一つを任されてね。トゥルー君、ケーさん。」ワンダリング先生に呼ばれた。
僕とケーは二人そろって返事をすると、話を聞こうと身構えた。
「もう一度念を押すけれど、一緒に戦ってくれるね?」ワンダリング先生が剣呑な目線で尋ねてきた。
「僕は大丈夫です、そのつもりです。ただケーは…。」僕が答えると、ケーは後から遮るように言ってきた。
「私も大丈夫です。ただ、私自身戦いでお役に立てるかはどうかと思います。その辺はどうお考えですか?」ケーもちゃんと考えてたんだ。僕はちょっとほっとしてそれから必ずケーを守るべく気持ちを固めた。
「ケーさんは、即時戦闘と言う場合に困るだろうが、占いと予言はアテにしているよ。それにね…。」
「オアツマリデスカナ?ケケケ」ヌボっと部屋の隅から現れた紫色の頭で部屋にいる皆は仰天した。
「父さん母さん!ワンダリング先生!」そう言ってから、頭の片隅で先生の名前を言うのはまずかっただろうかと考えていた。
すぐに父さんが部屋から出ていき、ワンダリング先生がなにごとか呪文の詠唱を始めた。
「お前は何しにやって来た!」僕は、思わずこの赤ちゃんのような風体の紫色の奴に怒鳴った。ケーの体を隠しながら。
「ケケケ。センセンフコクシニキタノサ!」耳障りな笑い声をたてて、奴は答えた。
「オマエタチニハ、ワザトジョウホウヲナガシタ。ケケケ。」
「なんだと!」それにはワンダリング先生が奴の言うことに噛みついた。
「それでも、僕達が勝利するに決まっている!」ワンダリング先生は、持っていた杖を奴に振った。
振った杖から、火と雷の合わさった特別な火球が出て、奴の腹に当たった。
「ギャー。」奴は、ウルサイ咆哮をあげると口から紫色の変な息を出してきた。
その変な息は母さんに当たり、母さんは眠いと言いながらダウンしてしまった。
僕も呪文の詠唱をしてすぐに火球を奴に当ててやった。
父さんが杖を持って戻って来た。父さんは母さんに呪文を唱えると、母さんは気づいたようだった。
ケーは、僕が携帯するよう持たせた中剣で、奴に応戦している。
父さんは、向き直ると、母さんと一言一句同じ詠唱を始めた。
ワンダリング先生は、さっきと同じ特別な火球を奴の頭に叩き送ったがよけられた。
僕も火球を出すと、奴の胸に当てた。
奴は、さすがに5人相手に分が悪いらしく何もできずにいる。
父さんと母さんの詠唱が完成した。二人同時に杖を振るとそれは、巨大な火球になり奴にまともにぶち当たった。
奴はじゅっと音がすると、消えていなくなった。
「さっきの奴は、わざと情報を流した、と言っていたが…。」父さんは奴のいなくなった辺りを睨みながら言った。
「それについては、コチラで話しましょう。」ワンダリング先生も同じ辺りを睨んで言った。
(さて、諸君。私も色々考えているのですが…。)ワンダリング先生だ。心の通信で話している。皆、頷くとこちらで話し始めた。
(私は、ちょっと予言を行いたいので、引っ込んでいますね。)これはケーだ。
(あんまり離れるなよ。どこから現れるか、わからない連中だからな。)僕が言うとケーは、了解、と部屋の隅に移動してブツブツ呟き始めた。
(そうそう、魔法陣と結界を張ったわ。もう大丈夫だと思うわよ。)母さんだ。これで安心して話すことができるなと僕は思った。
(ケーさんも聞こえたかな?)これは、父さんだ。色々と考えている時の顔をしている。
(聞こえています。わかりましたよ、トゥルー君のお父さん。)ケーだ。ケーも、なにやら思案中のようだ。
「それで、さっきの話なんだが、奴らには魔法協会のメンツが駄々洩れなんだろうか。」ワンダリング先生は、独り言とも取れる口調で話した。
「メンツは知れているのかもだな。」父さんはそう考えているのか。
「でも、支部への戦いのメンバーはわかってないでしょ?」僕が言ってみた。皆、それぞれ思案しながら頷いている。
「それに、それから期日や方法もですよ。」母さんだ。それもそうかも、と僕も頷いた。
「それで、本当は今日そのメンバーと期日と方法の説明をしようと思っていたのだが…。」ワンダリング先生は、苦しそうに続けた。
「メンバーと方法は、当日に発表することにする。そして期日は前日に知らせるからな。トゥルー君、ケーさんそれでいいかな?」
「わかりました。その方がいいでしょうね。私はそれでOKです。」ケーもそれが良策と頷いた。
「僕も、了解です。その代わり、必ず知らせてください。」僕は、もっと言えないのかとも思ったが何も考えられず悔しかった。くそっ。
「それから、占いをしてみましたが…。」なぜだか、ケーの顔色が悪い。どうしたんだろうと僕はいぶかしんだ。
「どうした、ケー。何か良くない結果だったのか?」僕はケーが、冗談と顔をほころばせるのを期待した。けど何もなかった。
「うん…。支部は完全に潰せる、と出たの。」ケーはそこだけホッとして報告した。皆もそれを聴いて一様に安堵した。
「けれど、私とトゥルーは何らかの作戦に引っ掛かる、とでたんです。」ケーはこれが引っ掛かったのか。僕もケー以外の皆も青ざめた。
「じゃ、……僕達は死ぬのかい?」トゥルーは恐る恐る言った。
「いや、そうではないの。ただ『悪い状態』になるってことらしくて。」ケーも青ざめて答えた。
「悪い状態、って。」僕もそれ以上言えずに絶句した。
「こほん。どうしようか、君達は…。」ワンダリング先生も枯れた声で言った。
「トゥルー、ケーちゃん。今回はおりましょうよ。」母さんだ。
「だが、トゥル-もケーちゃんも外せないだろう?」父さん、そうだけど、僕は…。
「僕は、おりたいです。ケーに何かあったらケーのご両親に顔向けできないよ。」僕はそう言っても、悔しくて仕方が無かった。
「私は、おりたくないよ。トゥルー!死ぬわけではないのだから、大丈夫だよ。」ケーは励ますように笑って言った。
「そうは言っても。」僕が言いかけたら、ワンダリング先生が割って言ってきた。
「まぁ、待ちたまえ。二人とも。」そうすると、手元からケーに何か渡してきた。
「これは…。」ケーは、手元に本があり、それには「予言者と占いとその先」と書かれていた。
「この本を読んで、ちょっと頑張ってくれ。」ワンダリング先生が言った。
「僕の山勘なんだが、これで運が開けそうな気がするから。」ワンダリング先生はそういうと、母さんが運んできたコーヒーをすすった。
母さんは、皆にコーヒーを持ってくるとこう言った。
「私は凄く心配だけど、その本を読んだケーちゃんなら、なんとかなるかもね。頑張って習得するのよ!」ケーの肩を軽く叩いた。
「わかりました、なんとかしてみせます!」ケーは本の表紙を見て応えた。
「トゥルー君にもこれを渡しておくな。」ワンダリング先生が僕にも2冊渡してきた。
一冊は「魔法大全」魔法に関するの辞書だ。これは、昔ケーと図書館に行ったときに魔法の事を調べていた時に、特別閲覧だったはずだ。
「この魔法大全はプレゼントだから、とっておいてくれ。」ワンダリング先生は嬉しそうだ。
もう一冊は、…あれ?なにも書いていない。なんの本だろう?
「ワンダリング先生、この本は」と言いかけたら、また遮られた。
「その本は、生きた本なのよ。」ウインクしながら母さんが答えた。
「その本は、ワンダリング先生が渡したが、僕と母さんからのプレゼントだよ。」父さんもニコニコしている。なんだろう、生きた本って。
その時、ヘックシュン。とどっかからクシャミの音が聞こえた。誰もクシャミしていないけどな。僕とケーだけおかしいな、と思っているようだった。ま、いいか。
「父さん、母さん、それからワンダリング先生、ありがとう。大事にするよ。」僕は、嬉しくなった。なんだか凄く認められている気がして。
「とりあえず、決行日は数日中なんだ。その間、ケー君はどうしたらいいのかなと思いまして。トゥルー君のお父さんどうしましょうか?」
「あなた、とりあえずウチに泊まってもらいましょうよ。」母さんも言った。
「そうだな、ケーさんが良ければ、なんだがな。」父さんは、あごに手をやりながら言った。
「私は、大丈夫です。ただ着替えだけどうしようかと思いますが。」ケーは気がかりそうに言った。
「それなら、僕が着替えを取りに行って帰ってくる間、僕も同行します。」僕が皆に安心できるように言った。
「それでいいよね、ケー。」僕もケーも大丈夫、だとは思うけど、まだ心配でもある。
「そうだね。頼むよ、トゥルー。」それはケーも同じようだった。
これで、家での会議は終わったのだった。
物語の初めは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-01 ワンダリング先生との打ち合わせ]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-02 ケーとの話し合い]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-03 同じ日の夜、僕の家にて]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-04 打ち合わせとプラス宣戦布告]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-05 ワンダリング先生の渡してきた本]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-06 戦いの準備]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-07 闇協会の支部での戦い1]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-08 戦いその2]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-09 戦いの終わり、そして]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-10 調べてまわって]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-11 風変わりな依頼]
物語の続きは、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-12 新たな戦い]
物語の最後は、こちらになります。
[バーチャル学校vol4-13 最後の戦い、そして]
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