雑記
日頃の想いとひそかな考察
Editer:snow Date:2025-08-21 15:59

今日は、ヘクトパスカルを解説しようと思います。
ヘクトパスカルとは、台風の中心気圧の単位です。
単位は、「hPa」と書き、ヘクトは100を意味して、パスカルは名前です。
日本の気圧単位は、
・mmHg(水銀柱ミリメートル):〜1945年まで
・ミリバール(mbar):1945年〜1992年
・ヘクトパスカル (hPa):1992年12月〜現在
というように、単位の呼び方が変わった歴史があります。
パスカルは、若くして亡くなった天才科学者で哲学者で実業家です。
有名なのは、「パスカルの定理」などです。
1気圧=101325パスカルで、桁が多すぎるので、
100分の1に省略して1気圧=1013ヘクトパスカルとなったのです。

高潮の原因が
・気圧の低さ:低気圧による海水の吸い上げ
・風向き:風による海水の吹き寄せ
なのです。
そして、1ヘクトパスカル下がれば、海面の高さが約1cm上昇します。
なんと気圧が、1000ヘクトパスカルから950ヘクトパスカルに下がると、50cmも海面の高さが上昇するんです。
その理由は、「気圧」は「空気の重さ」であって、その「空気の重さ」は、「どれだけ空気に押さえつけられているか」になります。
したがって、「気圧が低い=空気が軽い」ということになります。
1000hPa(約1気圧)は、1cm2当たりに1kgの空気がのっているということ。
1㎡なら10t(トン)
アジアゾウが2頭くらい乗っている計算になります。
いつもそんなに重い空気を乗せている場所から、空気を減らす(気圧が低くなる)わけですから、押さえつけられていた海面の水位も上昇します。
この現象を、「海面の吸い上げ」と言います。
高潮の被害といえば、昭和34年の伊勢湾台風が有名です。
記録を見てみると、海面の高さが普段より3.45mも上昇していたのです。
この時の名古屋の気圧は958.2ヘクトパスカル。
普段の気圧(1気圧)が1013ヘクトパスカルなので、吸い上げ効果だけでも約54.8cm上昇した計算になります。
3.45mと54.8cmの差は、約2.9mです。
ということは、伊勢湾台風の風による吹き寄せ効果は、約2.9mもあったことになります。
湾という地形だからこそ、ここまで酷い高潮になったわけですが、改めて、台風の力の凄さを思い知らされます。
結論:台風のヘクトパスカルは高潮の危険度の目安になります。
今後、台風のヘクトパスカルを聞いた時に今の話を思い出していただければと思います。
気象庁では、最大風速がどれくらい速いかで、台風の強さを決めています。
・レベル1:強い: 33m/s以上~44m/s未満
・レベル2:非常に強い 44m/s以上~54m/s未満
・レベル3:猛烈な 54m/s以上
ヘクトパスカルっていう単位は、値が低いほど低気圧としてのパワーが強いです。
・965ヘクトパスカル以下:強い台風 最大風速33m/s以上~44m/s未満
・950ヘクトパスカル以下:非常に強い台風 最大風速44m/s以上~54m/s未満
・920ヘクトパスカル以下:猛烈な台風 最大風速54m/s以上
になる可能性が高いです。
ヘクトパスカルの数値が低い(小さい数字の)台風が来るときは、風対策を忘れないようにして下さい。
窓に雨戸やシャッターがなければ、ガラス飛散防止フィルムを貼るなども有効です。
普段、なにげなく耳にしている台風情報ですが、これからはちょっと頭に留めていただけると幸いに存じます。
特に台風の通り道の地域にお住まいの方は、注意して天気予報をご覧いただければと思います。
被害を最小限に食い止めたいですね。
それでは。
今日のひとこと:2025-08-21 -ヘクトパスカルとは-

今日は、ヘクトパスカルを解説しようと思います。
ヘクトパスカルとは、台風の中心気圧の単位です。
単位は、「hPa」と書き、ヘクトは100を意味して、パスカルは名前です。
日本の気圧単位は、
・mmHg(水銀柱ミリメートル):〜1945年まで
・ミリバール(mbar):1945年〜1992年
・ヘクトパスカル (hPa):1992年12月〜現在
というように、単位の呼び方が変わった歴史があります。
パスカルは、若くして亡くなった天才科学者で哲学者で実業家です。
有名なのは、「パスカルの定理」などです。
1気圧=101325パスカルで、桁が多すぎるので、
100分の1に省略して1気圧=1013ヘクトパスカルとなったのです。

高潮について
高潮の原因が
・気圧の低さ:低気圧による海水の吸い上げ
・風向き:風による海水の吹き寄せ
なのです。
そして、1ヘクトパスカル下がれば、海面の高さが約1cm上昇します。
なんと気圧が、1000ヘクトパスカルから950ヘクトパスカルに下がると、50cmも海面の高さが上昇するんです。
その理由は、「気圧」は「空気の重さ」であって、その「空気の重さ」は、「どれだけ空気に押さえつけられているか」になります。
したがって、「気圧が低い=空気が軽い」ということになります。
1000hPa(約1気圧)は、1cm2当たりに1kgの空気がのっているということ。
1㎡なら10t(トン)
アジアゾウが2頭くらい乗っている計算になります。
いつもそんなに重い空気を乗せている場所から、空気を減らす(気圧が低くなる)わけですから、押さえつけられていた海面の水位も上昇します。
この現象を、「海面の吸い上げ」と言います。
高潮の被害といえば、昭和34年の伊勢湾台風が有名です。
記録を見てみると、海面の高さが普段より3.45mも上昇していたのです。
この時の名古屋の気圧は958.2ヘクトパスカル。
普段の気圧(1気圧)が1013ヘクトパスカルなので、吸い上げ効果だけでも約54.8cm上昇した計算になります。
3.45mと54.8cmの差は、約2.9mです。
ということは、伊勢湾台風の風による吹き寄せ効果は、約2.9mもあったことになります。
湾という地形だからこそ、ここまで酷い高潮になったわけですが、改めて、台風の力の凄さを思い知らされます。
結論:台風のヘクトパスカルは高潮の危険度の目安になります。
今後、台風のヘクトパスカルを聞いた時に今の話を思い出していただければと思います。
台風の強さを決めるのは、最大風速
気象庁では、最大風速がどれくらい速いかで、台風の強さを決めています。
・レベル1:強い: 33m/s以上~44m/s未満
・レベル2:非常に強い 44m/s以上~54m/s未満
・レベル3:猛烈な 54m/s以上
ヘクトパスカルっていう単位は、値が低いほど低気圧としてのパワーが強いです。
・965ヘクトパスカル以下:強い台風 最大風速33m/s以上~44m/s未満
・950ヘクトパスカル以下:非常に強い台風 最大風速44m/s以上~54m/s未満
・920ヘクトパスカル以下:猛烈な台風 最大風速54m/s以上
になる可能性が高いです。
ヘクトパスカルの数値が低い(小さい数字の)台風が来るときは、風対策を忘れないようにして下さい。
窓に雨戸やシャッターがなければ、ガラス飛散防止フィルムを貼るなども有効です。
普段、なにげなく耳にしている台風情報ですが、これからはちょっと頭に留めていただけると幸いに存じます。
特に台風の通り道の地域にお住まいの方は、注意して天気予報をご覧いただければと思います。
被害を最小限に食い止めたいですね。
それでは。
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