日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
文字サイズ変更:
トップページ > 詩、小説
●詩、小説●
2024-04-09 00:04:36眠り姫 vol.2 -旅人-
作 林柚希
長い年月が経ち、人々から忘れ去られた頃、一人の男性がこの国を訪れました。
街中で、茨に覆われた大きな建物があると聞き、興味を持ったのです。
実際に、茨の前にやってきました。
確かに、たくさんの茨は大きな壁を這って覆い、中を見せません。
こんなうっそうと茂った茨をどうしようと思いながら、近くの普通の家を訪ねてみました。
近所の人「実はお城だと伝えられています。中はよくわかっていないんです。」
男性「そうですか。それなら、なにか茨を切る道具を貸してもらえませんか?」
近所の人「いや、家には無いんですよ。街中に出て、刃物の専門店で買った方がいいと思います。」
男性「わかりました。どうもありがとう。」
男性は街中で、色々な探検道具を買うと、また茨の前にやってきました。
まず、大型のナタで切ってから、火で茨を焼くと奥に進んでいきました。
それを見た、男性が訪ねた近所の人がニッコリと笑い「この男性なら。」と言って、指をぱちんと鳴らすと去っていきました。
近所の人は、かつての12人目の魔法使いのようでした。
茨は、ゆっくりと解けて、地面に落ちていきました。
茨の奥は、大きな城でした。
驚いた男性は、城に一歩入ると「おーい、誰かいるかー?」と大声をあげました。
(僕のいた城よりも、はるかに大きいな。誰もいないのかな。)
シーンと静まりかえった城内で、あちこちに横たわっている人々を見かけました。
死んでいる?と思った男性は、横たわっている人を良く観察すると、どうやら眠っているようでした。
(どうして眠っているのだろう?)
探検している男性は、助けを呼ぼうかと思いましたが、まずもう少しよく見てみようと奥に探しに行きました。
色々な部屋や大広間をみましたが、王様や王妃様、それに付き従う人々など、男性が驚いていたことに、皆倒れて眠っているようでした。
どうしようかと思案していると、一つの光とともに精霊が現れました。
精霊「あなたは誰?」
男性「僕は近くの国の王子だよ。」
精霊「あなたは何をしているの?」
王子「見分を広めるために旅をしているんだ。それで、この城の噂を聞いてね。」
精霊「それで?」
王子「探検しようと来たんだ。だけどこの城の中は、まるで時が止まったようだね。」
精霊「ある意味そうだね。」
王子「城の中の人々は眠っているようだね。どのくらい経つんだろう。」
精霊「約100年だね。」
王子「100年!?凄いね。この呪いは僕にも波及するのだろうか。」
精霊「ああ。呪いは解けたから大丈夫だよ。」
王子「そうか、良かった。」
精霊「一つ、お願いがあるんだ。」
王子「なんだい?怖いな。」
精霊「王女様を起こしに行って欲しいんだ。」
王子「王女様?眠ったままなのかい?」
精霊「そうなんだ。頼む。」
王子「僕にできるかわからないけど、わかったよ。」
精霊は、言ってなかったけれど、と精霊が王妃様と仲が良かったこと、それから呪いの経緯について説明したのでした。
王子は、非常に驚いて、それから王女様はどこにいるのか尋ねました。
精霊は、塔の最上階だよ、と言うと、幸運を、とだけ言ってパッと消えました。
王子は、王女様ってどんな人なんだろう、と興味を持ちましたが、まず助けないと、と探し始めました。
※よく言われる所の童話「眠り姫」を私なりに解釈して、イメージを広げて掲載しています。
物語の初めは、こちらになります。
眠り姫 vol.1 -眠る理由-
物語の続きは、こちらになります。
眠り姫 vol.2 -旅人-
物語の終わりは、こちらになります。
眠り姫 vol.3 -目覚め-
Print
Twitter(test)
short URL
いいね:12 back to the TOP |