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●詩、小説●

2024-04-08 23:50:02

眠り姫 vol.1 -眠る理由-



作 林柚希

昔、とある国に子供に恵まれない王様と王妃様がいました。
そのことで夫婦ともに悩んでいましたが、ある時王妃様に仲の良い精霊が言いました。

精霊「あなたは、一年以内に女の子を授かるよ。」
王妃「本当に!?それが本当なら、嬉しいわね。」
精霊「本当ですよ。だから安心してね。」
王妃「そうなら、王様に伝えなくちゃ。」

そうして、女の子を授かりました。
王様と王妃様はそれは喜び、城に様々な人々を招待したのです。
招待を受けた人々は、皆女の子を祝福しました。
その中で、12人の魔法使いが様々な魔法を用いた贈り物をしました。
「美しさ」や「富栄えること」や「正しい心持ち」などなど。
そして、11人目の魔法使いが贈り物をし終わった後、突然13人目の魔法使いが現れました。

13人目の魔法使い「よくも招待しなかったな!私はこれを贈り物にする。」
13人目の魔法使い「王女は15歳になると、紡ぎ車のツムが指に刺さって死ぬ。」

じゃあね、と言い13人目の魔法使いは去っていきました。
13人目の魔法使いは、招待されなかった事を恨みに思っていたのです。
紡ぎ車のツムとは、綿から糸にするものなのです。
その後、12人目の魔法使いが、「この呪いを取り消すことはできないが、呪いの力を弱めることはできますよ」と言い、「王女様は死ぬのではなく、100年間眠り続けた後に目を覚ますだろう」と告げました。

王様は、青ざめました。魔法使いの宴席で使う金のお皿が12セットしかなかったのです。
だから13人目は招待できなかったのであって、阻害するつもりはなかったと思ったのでした。
それを悔いるとともに、すぐに国中にある紡ぎ車のツムを捨てるように命令します。
国中で紡ぎ車のツムが無くなり、糸は他国からの輸入に頼るしかなくなるのでした。

さて十数年経ち、王女様はすくすくと育ちました。
王様も、美しく育った王女を嬉しく思い、次代の王、つまり婿をと考えるようになりました。
王妃も同じようでした。
そして、王女様は広い城内を探検という散歩をしながら、自分の旦那さんはどんな人になるだろうと想像していました。
そして、いつしか高い塔の最上階に来ていたのです。

王女「それは何ですか?」
老婆「紡ぎ車のツムだよ。触ってみるかい?」

すると紡ぎ車に近寄った途端に錘が手の指に刺さり、王女は倒れてしまったのです。
老婆「フフフ。首尾はいいみたいだね。」
老婆は、姿を変えるとなんと13人目の魔法使いでした。
魔法使い「王様、王妃様、呪いは成就した。苦しみを受けるがいい。」
13人目の魔法使いは、城内にその声を響かせると去っていきました。

王様と王妃様、それから城内の人々は一斉に青ざめ、王様は王女様を探すよう命令しました。

王女様は、倒れると苦しみだしたのです。
よく見ると黒いモヤに囲まれていました。
でも、いつしかそれは、緑色の光に変わり、王女はすやすやと眠り始めました。
そして王女様を囲う緑色の光は、やがて城内を覆い、やがて城中の人々も眠りに落ちました。

そして、城の壁に這っていた茨が徐々に覆い始め、繁茂して城を取り囲んでしまいました。
あまりにも繁殖した茨は、誰も近づける事ができなくしていました。
中には、侵入を試みた者もいたのですが、鉄条網のように絡み合った茨に阻まれて、全員が茨に絡まって動けなくなりようやく脱出するのでした。

※よく言われる所の童話「眠り姫」を私なりに解釈して、イメージを広げて掲載しています。

物語の初めは、こちらになります。
眠り姫 vol.1 -眠る理由-

物語の続きは、こちらになります。
眠り姫 vol.2 -旅人-

物語の終わりは、こちらになります。
眠り姫 vol.3 -目覚め-
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